百済・新羅・高句麗が対立する三国時代。百済の王子に生まれながら、出生を知らずに平民として育ったチャン。母は、少年になったチャンを百済最高の技術士モッラスに預ける。宮廷の陰謀で、モッラスは新羅へ亡命。チャンは、そこで新羅の姫ソンファと運命の恋に落ちる。成長後も互いを忘れられなかった2人は、再会し、国籍と身分の違いを超えて愛し合う。だが、サテッギルによって2人は離れ離れに。やがて、自分が百済の王子だと知ったチャンは、いくつもの試練を乗り越え、百済再興と、ソンファとの恋慕をかなえるために奮闘する。
西暦580年、百済。長引く新羅との戦で、第27代威徳王の政権は弱体化していた。恥辱の死を遂げた先代王の祭儀を控え、威徳王の甥プヨソンは、新羅から先代王の首の奪還に成功。一方、威徳王は、謹慎中に美しい踊り子ヨンガモを我がものにした過ちを問われる。王の子を身ごもったヨンガモは、太学舎の技術士モンナスとの結婚を断念。ヨンガモを受け入れられない威徳王は、百済の王子に与えられる五色夜明珠をひそかに彼女に託す。
ヨンガモは1人宮を去り、傷心のモンナスは博士に任命される。12年後、ヨンガモは、女手一つで息子チャンを育てていた。悪ガキぶりの目立つチャンの将来を案じたヨンガモは、息子をモンナスの太学舎に預けることに。チャンは、モンナスが父ではないかと期待するが、逆に冷たく追い返されてしまう。一方、宮廷では、倭国に渡ったまま戻らない阿佐太子の死亡説が上がり、代わりに威徳王の弟プヨゲが第28代太帝に就こうとしていた。
プヨゲの即位式は、突然の嵐により中断される。プヨゲの息子プヨソンは、すべてを太学舎の陰謀に仕立てて、モンナスらの殺害を命じる。偶然、プヨソンの計画を知ったチャンは、モンナスに危険を知らせに急ぐ。おかげでモンナスらはなんとか命拾いし、隠れ場でヨンガモと再会。太学舎の一行は逃げ場を失い、敵国・新羅を目指すことに。しかしヨンガモは、チャンに父の手掛かりとなる五色夜明珠を渡し、ただ1人百済に残る。
チャンと太学舎の一行は、身分牌を持っていないことから、新羅兵に捕まってしまう。だが、隋国の技術者と偽ったモンナスの格物の技術が認められて解放され、新羅宮に調度品を納めることに。チャンは、ある日、納品する箪笥に隠れて宮中に入り、おてんばな少女ソンファと出会う。ソンファはチャンをソドンと呼び、2人は仲良しに。だが後日、彼女が新羅の姫だと知ってショックを受けたチャン。ソンファ姫がソドンをそそのかしたという内容の歌を作る。
チャンの落とした百済模様の首飾りが原因で、モンナス一行は新羅兵に追われることに。チャンのせいで太学舎の仲間ポムセンが捕まり、拷問死する。モンナスは、チャンを追放。10年後、モンナスは天の峠(ハヌルチェ)という太学舎を構えていた。若く優秀な技術士サッテキルの口添えにより、チャンは再び天の峠(ハヌルチェ)に戻るが、モンナスやポムセンの弟ボンロは冷たく当たる。チャンは、サッテキルと出掛けた町で、かつて自分がソンファ姫に復讐するために作った歌を耳にする。
歌を広めたのは、ソドン(チャン)を探し回るソンファ姫自身だった。新羅の真平王は、活発過ぎるソンファ姫をポリャン法師に預ける。一方、チャンは、ソンファ姫との思い出の場所で自分宛の手紙を見つける。サッテキルは、新羅の貴族サフムと密会。実はサッテキルは新羅の諜者で、サフムの息子だった。そして彼の初恋相手もまたソンファなのだった。モンナスは、倭国で生きていた阿佐太子から特殊な剣を作るよう頼まれ、チャンは刀作りに奮闘する。
チャンが運ぶことになった刀は、なぜか阿佐太子ではなく敵プヨソンの手元へ。無実の罪に問われたチャンは、追われるように天の峠(ハヌルチェ)を去る。ソドン(チャン)を探し回るソンファ姫は、山の中で倒れ、サッテキルに救われる。姫に気付いたサッテキルは、あえて自分の名を告げずに去る。その後、チャンは、偶然ソンファ姫と再会。2人は昔のように楽しく過ごす。笑顔を取り戻したチャンは、ソンファ姫に護衛武士に任命され、格物や百済を捨てて生きることを決意する。
ソンファ姫は、チャンを連れて地方に旅に出るが、飢饉と重税に苦しむ村で人質になる。チャンは、太学舎で培った知恵でソンファ姫と村人を救う。格物と百済を捨て切れないチャンは、思い直して天の峠(ハヌルチェ)に戻る。モンナスに、自分なりの方法で格物を極めることを宣言。やがて、木に年輪があることに気付き、チャンは研究を始める。モンナスは、百済の威徳王の側近ワングから、王の病状が悪化したから治療法を考えるよう、ひそかに依頼される。
モンナスの部屋から威徳王の病状日誌が紛失し、天の峠(ハヌルチェ)は大騒ぎになる。ひょんなことからチャンは日誌を手にし、誰の病気とも知らず病名を特定、治療法としてオンドルを発明する。モンナスはその的確さとひらめきに、ついにチャンに格物士の資質を認める。ある日、チャンが山中で怪しい人物を捕らえると、倭国から生還した阿佐太子だった。チャンは、王のためにオンドルを設置すべく、阿佐太子とともに十数年ぶりに百済へ向かう。
百済への帰途、プヨソンの襲撃を受けた阿佐太子とチャン。格闘中に2人の五色夜明珠が入れ替わってしまう。無事、宮に生還した阿佐太子は、“四”と刻まれた五色夜明珠に気付き、威徳王の口から弟の存在を知らされる。チャンは、オンドルを設置して天の峠(ハヌルチェ)に戻り、技術士に昇格するが、途中、新羅の農村で病人のためにオンドルを作った事を、モンナスから、百済の技術を流出したと叱責される。ソンファ姫はチャンとの再会に感激、2人は愛を確かめ合う。
チャンとソンファ姫の抱擁を目撃したサッテキルは、嫉妬を覚える。ある日、ソンファ姫が毒蛇に咬まれ、チャンは自分の命に代えて彼女を救う。サッテキルは、技術士としてもチャンに激しく嫉妬。一日も早く博士に昇格して天の峠(ハヌルチェ)を潰そうと野心を燃やし、チャンに冷たく接するようになる。回復したソンファ姫は、チャンの身分を上げて宮中入りさせようと奔走。強引なソンファ姫に、チャンはついに自分が百済人であることを告白する。
チャンの秘密を知ったソンファ姫は、ショックのあまり宮へ戻る。チャンも意気消沈。ある日、モンナスが百済の秘伝書「百済神技」を天の峠(ハヌルチェ)に持ち帰る。サッテキルは、百済神技を奪って天の峠(ハヌルチェ)を襲撃する計画を実行しようとする。だが、新羅軍との連絡に使っていた隠し穴をモジンに発見され、危機一髪。一方、ソンファ姫は、天の峠(ハヌルチェ)に諜者ドハムが潜伏中であること、新羅軍による天の峠(ハヌルチェ)襲撃が近いことを知って動揺する。
チャンは、隠し穴の監視中に、天の峠(ハヌルチェ)の危機を知らせに来たソンファ姫を見つける。だが、その場にモジンがいたため、2人は他人のふりをして別れる。サッテキルは、「百済神技」を奪おうとして、モンナスの仕掛けた偽物を盗み出してしまう。あせってチャンに罪を着せようとするが、結局チャンとともにスパイ容疑で監禁される。チャンを救いに天の峠(ハヌルチェ)に侵入したソンファ姫は、そこで遭遇したサッテキルに、自分がドハムであると告げられる。
新羅か百済か、サッテキルかチャンかの選択に迫られたソンファ姫。結局、姫の立場を捨ててチャンとの駆け落ちを決意。ソンファ姫に直訴されたモンナスは、2人を黙って行かせてやるが、サッテキルの兵が2人を追う。やがてチャンは、苦労しながらも健気に平民として生きるソンファ姫の姿に心動かされ、2人で国境近くの村で暮らす覚悟を決める。幸せな結婚生活を始めようとしたそのとき、新羅と百済では、戦争が再開しようとしていた。
幸せに結ばれるかのように思われたチャンとソンファ。だが、2人の新居に新羅兵が迫る。ソンファは、自分の身と引き換えにチャンを逃がそうとする。生きて再会することを固く約束し、チャンは百済へと馬を走らす。プヨソンの仕切る全義城にたどり着いたチャンは、不審人物として捕らえられ、新羅により陥落したのろし台に火を付けるよう命じられる。一方、新羅宮に連れ戻されたソンファは、父にドハムと結婚するよう言われる。
プヨソンは、見事に任務を遂行したチャンに、今度は新羅の陣地に攻め入るよう命令。プヨソンの横暴ぶりに抗議するチャン。そのとき、兵を率いてやって来た阿佐太子と再会。チャンは、人間味ある阿佐の君子たる姿に感動し、側近として共に三国統一の夢を抱く。ドハムは、かたくなに心を閉ざすソンファにプロポーズし、再び密偵サテッキルとして天の峠学舎へ。阿佐から依頼された明光鎧を開発し、ついにサテッキルの博士昇格が決定する。
阿佐を勝利に導いたチャンは、王にモンナスを百済へ呼び戻すよう直訴。だが、プヨソンに阻まれる。勝利の喜びもつかの間、20年前にプヨソンが持ち帰った先代王の首が偽物だったと判明。新羅は本物と土地の交換を要求。百済は窮地に追い込まれ、プヨソンは王に叱責される。チャンは、遺骨の真偽を確認する方法を必死に探す。一方、天の峠学舎では、サテッキルの博士任命式が始まり、新羅軍が天の峠学舎の殺りくを行おうとしていた。
天の峠学舎の民は、危機一髪のところをチャンに救われ、祖国・百済へ。チャンは、混乱で負傷したサテッキルを懸命に介抱。目覚めたサテッキルは、百済に連れて来られたことにがく然とする。モンナス一行は、十数年ぶりに宮殿の太学舎に復帰。だが、プヨソンの腹違いの妹ウヨンが首長を務める太学舎では、彼らは正当な評価を得られない。新羅宮では、ソンファが、ドハムではなく百済人に思いを寄せていたことを父に告白、逆鱗に触れる。
阿佐は、不当な扱いを受けるモンナスらを見かねて、チャンに太学舎の人事を託す。チャンは、公正な人事を行おうと孤軍奮闘。ウヨンは、天の峠学舎出身者に入学再試験を課す。チャンは不正評価を防ぐため、なんとか公開試験に持ち込む。一行は無事試験に合格し、紙の開発を始める。サテッキルは、天の峠学舎襲撃の際、ソンファの裏切りがあったことを知って大ショック。また、ソンファは百済人との駆け落ち事件が発覚してしまう。
結局、太学舎の腐敗体制が明るみに出て、ウヨンは首長を退任。モンナスの計らいで天の峠学舎出身者は里帰りすることに。母と暮らした生家で郷愁に浸るチャン。幼なじみから、何者かがソドンを捜していることを耳にする。父に会えるかもしれない、と淡い期待を抱き、チャンはその者の屋敷へ向かう。一方、サテッキルは、ソンファの駆け落ちを報告しなかった件で父サフムが王に責められ、家門滅亡の危機が迫っているのを知る。
チャンは、ソドンを捜すプヨソンを警戒し、替え玉を送って夜明珠の秘密を聞き出そうとする。だが、プヨソンは、替え玉を本人と勘違いし、その場で斬り捨てる。激しい衝撃を受けたチャンは、放心状態のまま太学舎へ戻る。新羅宮では、ソンファに出家命令が下る。しかし出家当日、ソンファは失踪。いったん新羅に戻ったサテッキルは、罪人となった両親を救出後、百済にやってきたソンファに自分の気持ちを受け入れてほしいと訴える。
太学舎の首長にモンナスが内定する。だが、サテッキルは、チャンが新羅人と駆け落ちするのを黙認したことを理由に、断固反対。太学舎内に波紋が広がり、モンナスの首長就任は見送られる。天の峠学舎出身者は、サテッキルの行動に激怒。孤立したサテッキルは、阿佐と敵対するプヨソンに接近。チャンは、親友の突然の裏切りに動揺を隠せない。後日、チャンとモンナスは太学舎の職をはく奪され、ソヨン島へ派遣されることになる。
ソヨン島に向かう途中、チャンは、上台浦で、かつての戦友で富豪商人となった大将と再会する。2人がソヨン島へ行くと知った大将は、逃亡するよう説得する。だが結局、チャンとモンナスは、島ではなく秘密工房に連行される。阿佐の心遣いと考えた2人は、喜んで作業に取り組むが、実はプヨソンの罠だった。一方、随の女商人になりすましたソンファ一行が上台浦に到着。ソンファは、チャンの戦友とは知らず、大将に接触を試みる。
プヨソンに屈服することを断ったチャンは、病身のモンナスとともにソヨン島へ。チャンは島で薬材を探し回るが、モンナスは弱るばかり。百済宮では、阿佐が随の使臣団と重要な外交取引に臨んでいた。だが、宴の途中、使臣の1人が急死。使臣団は、プヨソンが毒殺したと主張。太学舎は自然死を証明しようとするが、方法は見つからない。島でうわさを聞きつけたチャンは、瀕死のモンナスを救うため、自分を宮殿に呼び戻すよう提案する。
チャンは、モンナスを上台浦の大将に預けて百済宮へ。実は解決策を知らないチャンだが、自分とモンナスを太学舎に戻さなければ方法は教えないと強気に出る。プヨソンは、モンナスを強引に宮殿に連行し、人質に。怒ったチャンは、取引条件を変更、モンナスを太学舎の首長にするよう求める。結局、窮地に陥ったプヨソンが、チャンの条件をのむことに。このころ、ソンファは、チャンが難題に直面して困っていることを大将の話で知る。
チャンとソンファはふたたび再会。互いの愛を確認するが、チャンは、ソンファが百済にやってきた経緯を聞いて責任を感じる。2人の再会に気付いたモンナスは、太学舎の安全を危惧。モジンは、強引にソンファを新羅へ送り帰そうとするが、事を知ったチャンがソンファの元に駆けつける。チャンとソンファは、天の峠学舎の人々に土下座して、二人の恋を認めてもらうよう懇願する。一方、サテッキルが、百済に逃れてきた父サフムと、家門の復活を誓う。
隋の商人チン・ガギョンになりすましたソンファ。プヨソンに招かれ、百済宮でサテッキルと遭遇する。その晩、チャンは、サテッキルとソンファの会話を立ち聞きしてしまう。サテッキルの正体を知ったチャンは、衝撃を受ける。翌朝、親友と師匠をだましたことをなじるチャンに、サテッキルは、自分の姫への想いと密偵になったいきさつを教える。そのころ、プヨソンはソドンの捜索を再開。チャンは、プヨソン邸宅に侵入を試みる。
ソンファは、夜明珠の原石が王室直属の鉱山でのみ採れることを知る。チャンが百済の王子であることを悟り、本人に知らせる。驚いたチャンは否定するが、阿佐も同じ首飾りをしていたと聞いて動揺する。さらにモンナスから、母がかつて威徳王のために独舞を披露したと聞き、威徳王が父だと確信。しかし、母が王の庇護を受けていなかったことから、自分が望まれない子だったのではないかと考え、阿佐に打ち明けるのをちゅうちょする。
威徳王は、王位を退いて仏門に入ろうと考える。悩んだ末、阿佐は即位を決断。王権確立と百済復興を誓う。譲位式の準備は、クーデターを避けるため、極秘に進められる。チャンは、黄龍神石を作りにモジンらと阿錯へ。譲位に気付いたプヨソンは、サテッキルに阿佐暗殺を命じる。サテッキルは、新羅の刺客と父サフムの私兵を招集。譲位式を数日後に控え、阿錯の洞くつで儀式に臨む阿佐。だが、儀式の最中、刺客が阿佐を襲撃する。
刺客から身を隠すチャンと阿佐。チャンは、入れ替わった夜明珠を重傷の阿佐に返し、弟であることを告白。阿佐は、喜んでチャンを弟として受け入れる。譲位式前日、2人は阿錯を脱出して百済宮へ急ぐ。しかし、祭壇を目前に阿佐は敵の刀に倒れ、チャンの腕の中で息を引き取る。犯人を見つけ出し、復讐を誓うチャン。プヨソンはチャンの夜明珠を入手。何としても王位に就きたいプヨソンは、第四王子を暗殺の黒幕にでっち上げる。
モンナスは、チャンこそが天命を授かった王子だと悟る。ヨンガモの遺志をくみ、チャンに仕えることを誓う。威徳王の弟プヨゲは、次期王の座を確信。そのプヨゲをけん制するプヨソン。2人の間に少しずつ亀裂が生じる。チャンは、暗殺の主犯はプヨソンだと確信。第四王子の容疑を晴らし、プヨソンを倒すために、自分の正体を公表しようと決意。チャンはソンファに、復讐を果たすためには自分たちの恋を守れないかもしれないと告げる。
体の弱い第三王子が病死。すっかり絶望した威徳王は、第四王子を捜すのをやめ、仏門に入ることを発表。傷ついたチャンは、王に対し、百済復興をあきらめる意志の弱さを非難する。王は何も言い返せない。ソンファの説得もむなしく、チャンは百済を去ろうとする。モンナスは、なぜ阿佐ではなく、チャンが王になるべき人物なのか、神託の意味を探っていた。一方、プヨソンとプヨゲは、威徳王なき後の人事案を早くも考え始める。
ついにチャンが息子だと知った威徳王。チャンに父と呼ぶよう頼むが、断固拒否される。ソンファを連れて百済を去り、天竺へ向かうチャン。威徳王は、チャンの強い意志に心を動かされ、あることを勇断。威徳王は、暗殺犯の身柄を確保し、宮殿に呼び戻したチャンの目の前で黒幕を白状させる。モンナス、ワングの立ち会いの下、その場で武康太子の即位式が行われる。ようやく王子として認められたチャン。さらに、譲位を告げられる。
チャンは、威徳王に急に宣告された譲位を固辞。譲位の命令を取り下げるよう直訴するが、逆に軟禁されてしまう。太学舎では、表向きはプヨゲの譲位式として、チャンの譲位式の準備が着々と進む。式前夜、威徳王は、阿佐の敵を討ち、武康太子の安全を保証するため、自ら短剣でプヨソンを斬りつける。深手を負ったプヨソンは、瀕死の状態のまま薬材庫に逃れる。威徳王の覚悟を知ったチャンは、ついに王位に就くことを決心する。
サテッキルは、なかなか戻らないプヨソンの身を案じて百済宮へ捜しに行く。そこで、即位式が罠だと察知し、プヨゲを安全な場所へ逃がす。なんとか命を取り留めたプヨソンは、衛士部の兵を率いて百済宮を攻撃。威徳王と武康太子を殺そうと躍起になる。威徳王は、作戦に失敗し、宮殿から逃げ出す。チャンとモンナスも危機一髪のところを脱出。威徳王は、チャンに王の権力を示す王印を託す。サテッキルは、王印を奪うために威徳王を追う。
威徳王は、市場でプヨソンの兵に殺される。プヨソンは、現場にいた兵士、民の殺りくを命じ、すべてを武康太子の仕業に。罪のない民すら犠牲にするプヨソンの残虐さにおののくサテッキル。国葬が行われ、百済の民は悲しみに浸る。プヨソンは、プヨゲを形だけの王にし、実権を握ろうとするが、王印がないため貴族が命令に従わない。チャンは、まずは宮中に戻って基盤を固めるべきだと判断し、ウヨン姫にある取引を持ち掛ける。
正式にプヨゲが第28代恵王に即位。ウヨン姫と手を結んだチャンとモンナスは、王印と譲位勅書を百済宮へ持ち帰り、それぞれ内臣佐平の恩率、太学舎の首長の職を得る。チン商団を取り仕切るソンファも、兵士を育成してチャンを応援。ウヨン姫に実権を握られ何ひとつ思い通りにいかないプヨソンは、怒り爆発。サテッキルにチャンとモンナスを拷問させ、武康太子の居場所を聞き出そうとする。だが、チャンは、太子は死んだと言い張る。
チャンに心を寄せるウヨン姫は、ソンファの存在が気になる。チン商団を監視させ、身分を偽っていることを見抜いてソンファを拘束する。チャンは、ソンファが新羅人で、自分の愛する人だと告げ、事実を隠してきたことの許しを請う。失恋したウヨン姫は処置に悩む。一方、暴走を続けるプヨソンは、恵王と激しく対立。サテッキルは、しばらくは自重して王の補佐役に徹するよう、命を張って説得にあたる。恵王は、体調を崩してしまう。
チャンとモンナスは、再びウヨン姫の信頼を得て、国策である水田の開発に尽力。だが、ある晩、ウヨン姫は、チャンとソンファの会話を盗み聞きし、チャンが武康太子であることを知る。驚きとともに、またしても真実を隠していたチャンに憤りを覚えるウヨン姫。チャンへの愛情をこらえて、兄プヨソンにチャンを殺させようと計画。武康太子の正体を書いた手紙と、チャンの夜明珠を箱に入れ、チャン本人にプヨソンへ届けるよう命じる。
チャンとウヨン姫の遠征中、恵王が逝去。プヨソンがモンナスに危害を加えることを恐れたモジンは、逝去を隠したままモンナスを百済宮の外へ連れ出す。遠征先にウヨン姫を迎えに来たサテッキルは、チャンを拘束。拷問して武康王子の居場所を詰問するが、チャンは決して口を割らない。まもなく、プヨソンが第29代法王に即位。衛士佐平に昇格したサテッキルは、軍の強化を図る。ウヨン姫は、自分の身を守るため、夜明珠と王印を法王に渡す。
サテッキルは、チャンに、武康太子の居場所を教えるか、モンナスを殺すかの二択を迫る。太子は死んだと言い張るチャン。法王は2人の処刑を命じ、チャンは、生き延びるために仕方なく、プライドを捨てて命乞いする。ウヨン姫も、愛するチャンを許してほしいと法王に土下座。あっけに取られた法王は、チャンとモンナスを籍田の奴隷、ウヨン姫を籍田の管理官に任命。貯水池を完成させ、王の功績を上げれば、宮殿に戻すことを約束する。
貯水池建造の現場で働くチャン。作業の非効率さとずさんさを指摘するが、聞き入れてもらえない。さらに、国策の発案者であることから、奴隷の大将トゥイルに、国策を中止するよう脅迫される。チャンは、米を作れば国が豊かになることを必死に説明するが、奴隷たちの理解は得られない。それでも国策を成功させ、百済宮に戻りたいチャン。解決策を考えるが、長引く工事に犠牲者は増えるばかり。チャンは、自分の無力さを痛感する。
武康太子の名をかたる盗賊が出現する。ある日、鉱山で働くチャンとモンナスの元に、盗賊から手紙が届く。彼らの正体は、元官僚のユリムをはじめ、阿佐と武康の支持者たちだった。チャンとモンナスは盗賊と合流しようとするが、サテッキルに阻まれる。処刑が決まり、荷車で宮へ運ばれるチャンとモンナス。だが、2人を支持する民衆が荷車を取り囲む。ソンファは、法王に、今は2人を殺さずに民の心を捉えるべきだと進言する。
チャンは、暴動寸前の民衆を説得して鎮め、事態を収拾する。チャンとモンナスは法王の元へ。2人を処刑すべきか、生かして民の心を取り戻すべきかで悩む法王。そのころ、市場では、チャンとモンナスを支持する内容の歌が広がっていた。民の心を捉えたい法王は、自分の悪いうわさを払拭してくれれば命を助けると提案。チャンは、盗賊の討伐隊長に就き、モンナスを元山島にみずから流刑にすることで、民衆の怒りを自分に向けようとする。
法王に仕えるチャンは、次々と盗賊を逮捕。チャンに裏切られたと思ったユリムは、阿錯でチャンを捕らえ、武康の名のもとで処刑しようとする。だが、ワング武将の口から、チャンこそが武康太子だと聞いてその場にひれ伏す。チャンは、ユリムに衛士部に入るよう命じる。一方、何も知らない法王は、チャンの仕事ぶりに満足し、チャンを衛士部の達率に昇格させる。チャンは、モンナスの手伝いとして、モジンを捕らえて元山島に送る。
ウヨン姫は、新羅に帰らなければチャンが四男であることを暴露するとソンファを脅迫。ワングも、一度新羅に戻るようソンファを説得する。そのころ、新羅から真平王の使いでポリャン法師がやって来る。ソンファの復権が決まったから新羅へ戻れという王の伝言を聞き、ソンファの心は揺れる。チャンは、東明祭で復権を狙うことを決意し、元山島で国策を練るモンナスの元にユリムを送る。だが、元山島を見張るサテッキルが、不穏な動きを察知。
ユリムの存在に気付いたサテッキル。法王に、チャンがモンナス、ユリムと謀反を企てている可能性をすぐに報告し、確証をつかみに再び元山島へ。だが、法王は、衛士部の強化に奮闘するチャンを見て、サテッキルの報告が単なる私怨による詐称ではないかと疑問を抱く。もはや誰を信じて良いのか分からない法王。妻に、チャンとサテッキルが憎み合う理由を探らせる。元山島では、モジンがサテッキルを発見し、モンナスらは警戒する。
モンナスは、元山島でサテッキルと死闘を繰り広げ、がけから転落。モジンはかろうじて島を逃れ、チャンに計画がばれたことを報告する。チャンは、王位奪還を急ぎ、蓮灯祭を決行日に変更。ウヨン姫は、チャンを援護するため、法王の部屋に侵入して夜命珠を取り返す。満身創痍のサテッキルは、何とか島を脱出。チャンの謀反計画に気をつけるよう、法王に危険を知らせようとする。だが、その時すでに、蓮灯祭が始まろうとしていた。
チャンは、法王に自分の正体を告げ、法王とその側近とを縛り上げる。だが、そこへサテッキルの兵が到着し、混乱の中でチャンは法王を逃してしまう。完全に劣勢に陥ったチャン。さらにサテッキルは、モンナスの死はチャンのせいだと言い放ってチャンの心理を揺さぶろうとする。チャンは、怒りを抑えて、ひたすら反撃のときを狙う。百済宮へ戻ったプヨソンは、実妹であるウヨン姫を拷問し、チャンの居場所を突き止めようとする。
ついにチャンは反撃を開始。おびえた法王は、貴族の私兵を強引に集めようとするが、反発に遭う。不安に駆られ、ますます横暴になる法王から、貴族と民の心は確実に離れていく。太学舎は、チャンのために防剣服を準備。各地の役場と貴族も、チャンに協力し始める。サビ城に向け進撃を続けるチャン。ソンファは、したたかに百済を狙う父を説得するため、新羅へ戻ることに。2人は、必ず恋を成就させることを約束して別れる。
ノティ峠でついに相対したチャンとサテッキル。2人は激しく剣を交わし合う。チャンは、ソンファにもらった防剣服に助けられ、サテッキルを倒す。勢いに乗って最終戦地のサビ城へ急ぐチャン。サテッキルの敗北で、宮中に動揺が走る。王妃は自分の家門を守るため、夫を裏切り、貴族も逃亡を開始。完全に味方を失った法王は、サビ城を逃れようとする。一方、サテッキルは、百済宮へ護送される途中、父サフムと新羅へ逃亡する。
勝利を収めたチャンは、第30代武王に即位。阿佐の遺志を継いで、民に平安を与え、百済再興を目指す。チャンと天の峠学舎の仲間は、師モンナスを弔うため元山島へ。そこでモンナスと奇跡の再会を果たす。チャンは、新羅・真平王の和親の意思を確かめようと、モンナスを密使として送る。百済では、貴族が王を懐柔するためにウヨンとの結婚を計画していた。一方、サテッキルは、したたかにチャンへの復讐を狙う。
武王と真平王の会談が和やかに進む中、国境付近で百済と新羅の戦闘が勃発。会談は急きょ中断される。チャンは戦争をすぐに回避し、正式に使臣を送ってソンファに求婚する。真平王は結婚を許可、今度はソンファが使臣として百済にやって来る。抱き合って再会を喜ぶ2人。だが、結婚を阻もうとするサテッキルは、チャンがサビ城を陥落する際、新羅軍が百済に侵入していたという情報を流す。信用を失ったチャンは、政事巌会議にかけられる。
貴族の反発に遭い、チャンは王位を追われそうになる。国策をまっとうするために仕方なく、ウヨンとの結婚を承諾する。だが、ウヨンは、チャンの悲痛な姿を見かねて結婚を放棄。ようやく百済と新羅は婚姻同盟を結ぶことになる。サテッキルは、百済と新羅の両国から命を狙われることになり、深く絶望する。チャンとソンファの婚礼前夜、新羅の花郎に扮装して百済宮に潜り込んだサテッキル。宴の最中、チャンに刀を突き付ける。
国籍の壁を越え、晴れて夫婦となったチャンとソンファ。チャンは、民に土地を分配して田畑を耕させ、豊かな百済を築き上げる。王子が誕生し、幸せな日々を送るソンファの元に、ある日新羅王から百済を裏切るよう密命が下る。ソンファは命令に背くが、その後、新羅は同盟を破って百済に戦争を仕掛ける。義父の裏切りに憤るチャン。貴族たちは、ソンファの廃妃を要求。チャンは、みずからの手でソンファを処刑するよう迫られる。
ソドンヨ