第24巻 萬亀楼・伝統の技法を受け継ぐ有職料理

今回紹介する名店は京都市上京区にある有職料理「萬亀楼」。創業は享保7年の造り酒屋に始まり、天明の飢饉で米が不足したことから茶店として料理を提供し、現在に至ります。

10代目小西将清さんは店の味を守りつつ、平安時代から宮中に伝わる食の儀式「式庖丁」生間(いかま)流を継承する30代家元でもあります。式庖丁とは食材に一切手を触れず、庖丁刀と俎箸(まなばし)で切り分け、「瑞祥」というめでたい形を表す厳粛な儀式です。

今回は9月9日の重陽神事にちなんで、菊の花のように切り込んだ小かぶらを、香り豊かなだしと合わせた煮物椀「菊かぶら えびしんじょう射込み(いこみ)」と、秋に旬を迎えるカマスで食感のよい松茸をくるんで焼いた「味噌幽庵焼き」をご紹介します。

今回ご紹介した名店

有職料理 萬亀楼
京都市上京区猪熊通り出水上ル蛭子町387
(京都市上京区蛭子町(猪熊通)387)

営業時間
12:00-22:00(19:30までに入店)
定休日 不定休 月1回

電話 075-441-5020
FAX 075-451-8271