※2021年3月17日(水)スタート!無敗のボクシングチャンピオンとして名を馳せていたジチョル。私生活でも妻のソンジュと娘のヨンソンに囲まれ、幸せな家庭を築いていた。しかし後輩ミヌとの一戦であっけなく敗北を喫し、八百長疑惑をかけられてしまう。その結果、ジチョルはボクシング界から追放され、世間からも非難を浴びることに。その後、生活費を稼ぐため刑事として働いていたが、度重なる金銭トラブルから停職処分を受けてしまう。ソンジュは家の保証金も払えない、頼りがいのない夫に離婚届を突きつける。そんな最悪な状況の中、ヨンソンが学校で問題を起こし、多額の示談金まで必要になってしまう。窮地に立たされたジチョルは違法賭博場のリングに立ち、起死回生の一発で見事勝利を収めるが、リングで見せた並外れた力にはある秘密が隠されていた。
ユ・ジチョルは友人のユンスに騙されて以来、ずっと金欠の刑事だ。高校生の一人娘、ヨンソンから流行のバッグをねだられてもすぐには買ってやれず、パートのかたわら小説を書いている妻のソンジュには経済的な苦労を背負わせ、ついに離婚届を突き付けられる始末。そんなある日、体調不良を感じたジチョルは病院で健康診断を勧められるが高額のため断ってしまう。そのやさきに偶然、新薬治験のアルバイトを募集するチラシを拾うが・・・。
収賄の疑いで停職処分を受けたジチョルは、新薬治験のアルバイトを思い出し、連絡する。ジチョルは山奥に連れていかれ、被験者の適合検査を受けるも不合格となってしまう。落胆したジチョルだったが、被験者に選ばれたヨンウからもらった薬をのんだところ、突如超人的な力が出て、バスの横転事故で負傷した親子を救う。自身も負傷して意識が遠のく中で、11年前までボクシングのチャンピオンとして韓国の英雄だった姿を思い出す。
稼ぐ当てがなくなったジチョルは、YDプロモーション代表のヨンデに連絡を取り、ボクシングの違法賭博試合に出場する。11年ぶりの試合にジチョルは苦戦するが、水筒に入れた謎の薬を口に含み、その力で勝利する。配当金を手にしたジチョルは、かつての後輩であり現在のチャンピオンであるイ・ミヌの元へ、ソンジュが借りたカネを返しに行く。ミヌは、ジチョルが引退する原因となった八百長試合がいまだに納得できないと言う。
ジチョルは、総合格闘技の選手としてGDプロモーションと契約し、リングに復帰する。10億ウォンという高額な契約金を受け取り、ジチョルは車を買い、ヨンソンや義妹にもブランド品を買い与え、しばし家長としての喜びに浸る。一方、ソンジュはミヌの自伝の執筆を依頼される。無名作家の自分になぜ声がかかったのか、いぶかしがるソンジュにミヌは、自分の幼少期を知る作家はソンジュ以外にいないと言い、江陵への同行を求める。
11年前、ボクサーとして全盛期だったジチョルは資産の運用をユンスに任せていたが、失敗して全財産を失ってしまう。そしてその頃行われた世界王者選手権で、対戦相手のミヌに不自然な負け方をしたジチョルは八百長を疑われ、非難を浴びる。ジチョルは否定するが、そこへある人物からファイトマネーを3倍支払うという電話がかかってくる。そして本人が知らぬ間に、海外口座にカネが振り込まれたことが確認され...。
ヨンソンにはバレエの才能があり、コンクールで大賞を取るほどだったが、ジチョルが不祥事で受けた苦しみを思い、バレエの夢を諦めていた。しかしジチョルの"好きなことをやれ"という励ましでダンスオーディションに出場する。一方、住んでいた家を買い取ることができたジチョルは有頂天になり、ソンジュにドレスを贈る。その頃、ソンジュは作家デビューが決まって喜ぶが、ミヌと内緒で江陵へ行ったことがジチョルにバレてしまう。
ヨンソンは「究極のダンサー」オーディションの1次予選で高い評価を得て合格し、ネットでも話題になり、ジチョルとソンジュは大喜びする。一方、ジチョルは格闘技の試合で勝ち進み、ソンジュも念願の出版契約を交わして、長年温めていた作品が世に出ることを喜んでいた。その頃、ソウル地方警察庁では、顔が潰され両手が切断された死体の身元の特定と犯人の割り出しを急ぐも、手がかりが得られず捜査が難航していた。
ソンジュとミヌが親しげなことに気付いたヨンソンは、両親の仲を心配し2人をデートさせようとジチョルをレストランに連れ出すが、肝心のソンジュは現れない。その頃、警察では殺害された被害者の身元も犯人の目星もつかず、捜査は行き詰まっていた。刑事のジウが疲れて家に帰ると、新薬開発の責任者をしている父親のチャ・スンホが待っていた。一方、ミヌとソンジュは、ミヌの恋人の差し金で2人が会っているところを盗撮されていた。
"身元不明死体遺棄事件"を追うジウとヒョンスは、失踪した夫を捜すために警察署の前で立ち続ける親子を見て事件との関連を疑う。しかし脳腫瘍を患っていたという点以外は死体の状況と合致せず振り出しに戻るが、ヒョンスは直感から同一人物だと言う。一方、ヨンソンはダンスオーディションの本選に向けて準備に余念がなかったが、最終予選当日、寝坊してしまう。何とか間に合うが、演技中に転倒するというアクシデントに見舞われ...。
ジウとヒョンスは、身元不明の遺体にあった漫画の入れ墨に注目し、夫を捜す女性に尋ねるが見覚えがないという。そして捜査進展のため息子のDNA提供を依頼するも、頑なに拒否される。その頃、ミヌとソンジュの"密会"写真がネット上に広まり、これを見たジチョルはミヌの所へ行き殴りかかる。一方、本の出版がミヌの後押しによるものだと知り深く傷ついていたソンジュは、ジチョルから好きにしていいと離婚届を渡され動揺する。
ランキング3位の実力者、チン・サングと試合をすることになったジチョル。苦戦を強いられたジチョルは、いつものように薬をのもうとするが、薬の入った水筒が見当たらない。何とか試合中に水筒は届いたものの、はずみで床に落ちた薬を拾ってのむ様子を録画されてしまう。そして試合終了後、突然ドーピングの検査が入り、ジチョルは当惑する。一方、ジウとヒョンスは、失踪した夫を捜す親子の家で遺体の入れ墨と同じ絵を見つける。
ジチョルは、かつてソンジュが書いた、ジチョルが主人公の小説「血を流しながら来たあなた」をヨンソンから渡されて読む。また義妹のソンヨンからミヌの自伝を書いたソンジュの真意を知らされ、ソンジュとのわだかまりが解け、家族そろって新しい家に移り平穏な日々を送る。一方、シング製薬のチャ博士は、テレビでジチョルの試合を見てジチョルが開発中の薬を複数回服用していることに気付き、ジチョルの元へ警告しに訪れるが...。
ジチョルは窓から落ちそうになっている子供を、躊躇しながらも残り少ない薬をのみ、マンションの壁をよじ登り救助する。そのニュースを見たジチョルの所属事務所のチュ・グクソン代表は、ジチョルの驚異的な力に、サングとの試合でも不審な動きがあったことを思い出し疑念を持つ。その頃、サングも息子が録画したジチョルとの試合の映像を見て不審感を抱いていた。一方ジチョルは、チャ博士の警告どおり、薬の副作用に苦しみ始める。
ジチョルの次の対戦相手はカン・サンムンに決まるが、サンムンは残忍な強敵だとヨンデたちは心配する。その頃、サングとの試合後に行われたドーピング検査の結果が、ジチョルと、ジチョルを薬物服用の疑いで告発したサングにも伝えられる。一方、ジチョルはもう薬をのまずに戦うと決意するが、ジチョルを研究対象にしたいシング製薬のチョン代表の命令でパク室長はチュ代表を訪ね、ひそかにジチョルに薬をのませるよう依頼する。
サンムンは、ジチョルとの試合での負傷から昏睡状態に陥る。ジチョルは自責の念にかられ、家族にも顔を合わせられず、家に帰れない。ソンジュもヨンソンも心配するが、ソンジュがジチョルのいそうな場所を思い出し、ヨンソンに伝える。その頃、ジチョルとヨンデはチュ代表に呼び出され、ジチョルがのんでいる薬について問い詰められる。ヨンデは頭痛薬だととぼけるが、チュは一笑に付し、ジチョルにミヌと最終試合をするよう言い渡す。
"身元不明死体遺棄事件"の捜査で押収した裁断された書類を継ぎ合わせたところ、ジチョルが新薬の治験アルバイトに行っていたことが判明する。ヒョンスはこのことをジチョルに問いただすが、ジチョルはただ採血をしただけだと、しらを切る。一方、11年前、ミヌとの対戦で八百長試合をしたと非難を浴びて引退したジチョルだったが、実はそれには深い訳があった。その頃ヒョンスは、刑事の身分を隠してシング製薬の研究所に潜入する。
ジチョルとの試合で昏睡状態に陥ったサンムンを、ジチョルとソンジュが見舞う。サンムンは薬物摂取をしていたことで重症になったと誤解されたままだった。サンムンの妻はジチョルに夫の名誉回復に協力してほしいと頼む。その頃、ヒョンスの姿が見えず不審に思っていたジウは、彼からのメールで単独潜入捜査をしていることを知る。一方、サングはジチョルの自宅を訪ね、ソンジュにジチョルが薬物を使用して試合に出場していたと伝える。
シング製薬のチョン代表は、ヨンソンを誘拐しようとファンを装い近づく。一方ジチョルは、ニュースで見たサングをひき逃げした犯人が、以前賭博場にいたジョンドゥだったと知り、賭博場に出入りしていたチュ代表の差し金だと確信する。ジチョルはチュを問い詰めるが、チュはしらを切る。ジチョルはチュの本性を見て、ミヌと試合をすると宣言し、ギャラは儲けの3割をよこせと言う。しかしジチョルの体は薬の副作用で更にむしばまれる。
ヨンソンが練習中に突然倒れ、医師から筋無力症と診断される。ジチョルは自分の病気が遺伝していると知りショックを受ける。その頃、ミヌの元に、ひき逃げ犯にさせられ、殺されたジョンドゥの兄、ピルドゥが訪ねてきてチュ代表の悪事を知らせる。一方、ジチョルはチャ博士に連絡し、薬の開発に協力するのでヨンソンを助けてほしいと頼む。ヨンソンの病状は初期にもかかわらず早く進行する中、ジチョルはシング製薬の研究所を訪れる。
ソンジュはジチョルに、ミヌとの対戦では自分自身のために戦い、かつてのような戦い抜く姿をヨンソンに見せてほしいと伝える。一方ヨンデはチュ代表に呼ばれ、ミヌとの試合の際に必ずジチョルに薬をのませないと、ジチョル一家だけでなくヨンデの命も危ないと脅される。その頃、警察は殺人教唆や違法賭博の嫌疑でチュの逮捕に動き出していたが、同じ頃チュの秘書が飲み物に睡眠薬を入れ、チュをピルドゥの待つ場所へ連れていく。
ただ普通の父親になりたかった。(全20話)