17世紀・朝鮮王朝時代ー。
共に医学の道を志し、身分を超えた友情で結ばれた三人の若者、カン・ドジュン(チョン・ノミン)、イ・ミョンファン(ソン・チャンミン)、チャン・インジュ(ユソン)は互いに腕を磨き夢に向かって歩んでいた。しかし、ある時朝廷内の陰謀による昭顕世子暗殺事件に巻き込まれ、その友情は悲しくも崩れてしまう。
イ・ミョンファンの裏切りからカン・ドジュンは世子暗殺の罪をかぶせられ処刑に・・・。
その後、罪人カン・ドジュンの息子として生まれたクァンヒョン(チョ・スンウ/少年時代:アン・ドギュン)。即刻、処刑されそうになるが、女児なら処刑を免れるため、カン・ドジュンを慕う奴婢(ぬひ)ぺク・ソック(パク・ヒョッコン)が自分の娘チニョン(イ・ヨウォン/少女時代:ノ・ジョンイ)とすりかえる。
ー命を取り留めたクァンヒョンは、奴婢として牧場で育てられ、やがて腕利きの馬医へと成長をしていく・・・。
名家に生まれながら貧しい民を救うために医師の道を選んだ、カン・ドジュン。卑しい馬医の息子でありながら医学界の頂点を目指す、イ・ミョンファン。卓越した鍼の腕を持つ医女、チャン・インジュ。ある夜、三人は身分の違いを越えて熱い思いで結ばれる。
数年後、世子の病に疑念を抱いき真相を突き止めようとしたドジュンは濡れ衣を着せられ打ち首になる。そしてドジュンの子供が産まれ、男児であれば殺される運命なのだが...。
恩返しをするためにペク・ソックは自分の娘とドジュンの息子をすり替える。十二年後。真実が明らかになることを恐れたソックはドジュンの息子クァンヒョンと小さい島でひっそりと暮らしていた。
しかし、都に憧れていたクァンヒョンは仲の良いオ・ジャンバクと島破りを決行。都に出たものの田舎者のクァンヒョンはヨンダルにだまされ子供の盗み一団に荷物を取られてしまう。荷物を取り戻す過程でクァンヒョンとヨンダルは殺人を目撃してしまう。
ミョンファンが人を殺すところを目撃し追われる身となったクァンヒョンとヨンダル。ヨンダルが捕まってしまい、彼女の仲間と彼女を助けに行くクァンヒョン。駆けつけてきたソックの助けもあり何とか救出に成功する。だがミョンファンの策略で今度は兵に追われることに。逃げる途中、ソックが体に矢を受けてしまう。
苦しみの中、彼はヨンダルが自分の娘だと気づく。追っ手のせいで医師を呼びに行くが失敗。戻った時にソックは...。
兵に捕らえられ連行されたヨンダル。ミョンファンは彼女がドジュンの娘だと気づく。せめてもの罪滅ぼしに家門を回復させてあげようとドジュンの娘を探していたミョンファンはチニョンという名を付けヨンダルを引き取る。
一方、父親を亡くし悲しむ間もなくクァンヒョンは兵に追われ崖っぷちで矢を受け海に落ちてしまう。瀕死の状態で、ある牧場にたどり着いた彼は謎の医師に命を救われる。やがて彼は、その牧場の馬医の下で働き始める。
馬市でクァンヒョンが世話をしていた馬が暴れ、ミョンファンの息子ソンハがけがをする。偶然その場にいたインジュが応急手当てを施し一命を取り留める。罰として首を切られてしまった馬を救うためにクァンヒョンは謎の医師に助けを求める。
しかし治療に難航。その末、クァンヒョンが鍼を打つことになる。そして、それが見事に成功し馬を救ったクァンヒョンは馬医として成長する。そしてクァンヒョンとチニョンは都で再会するのだが...。
チニョンは愛猫の病で落ち込んでいた淑徽王女を励ますために二人で異人村に繰り出すことにする。ならず者にからまれてしまった二人を偶然居合わせていたクァンヒョンが助ける。二人の身分を知らなかったクァンヒョンは王女を怒らせてしまうが、王女の猫を治療し無事に釈放される。
その後、清国に献上される馬が死にかけている責任を押し付けられ先輩馬医チュ・ギベが捕えられる。クァンヒョンは自分が馬を治療すると申し出るのだが...。
キベを助けるために馬の治療を申し出たクァンヒョン。失敗すると思った周囲の予想を覆し治療は順調に進んだ。治療の成功を恐れた役所の馬医が馬の薬に毒を入れ、治療は失敗したと騒ぎ立てる。クァンヒョンは中毒だと訴えるが、捕らえられてしまう。だが、ミョンファンが毒の混入に気づき、クァンヒョンは釈放される。馬は完治し、キベも釈放される。
一方、医女になったチニョンが配属されたのは、なんと動物を扱う司僕寺だった。
司僕寺で一緒に働くことになったクァンヒョンとチニョン。ある出来事からチニョンはクァンヒョンを嫌ってしまう。そんなある日、子羊を失い死にかけていた母羊を母羊を失った子羊と引き合わせるという思いもつかない方法で救うクァンヒョン。
なぜそんなことを思いついたのだと尋ねるチニョンに、クァンヒョンは自分も子供の頃、父を亡くし瀕死の重傷を負ったとき、同じく瀕死の母馬に助けられたと話す。それを聞いたチニョンは...。
都に近いある村で牛疫が発生。馬医が現地に招集されクァンヒョンとチニョンもその村に赴く。やがて病は人の間でも広がり始め、医官たちは牛の痘瘡が人伝染したと判断する。だがクァンヒョンは何かの中毒だと判断。恵民署の署長コ・ジュマンも同じ見解を持ち治療を進めるが原因は分からず。
そんな中、チニョンが発病する。チニョンは村の水を飲んでいた。彼女はどこかの水が原因だとクァンヒョンに言い残し気を失ってしまうのだが...。
諦めかけたクァンヒョンだが、チニョンやコ・ジュマンに励まされ決意を新たにする。水源地を徹底的に調べていたところ傷んだ貝と酢が原因だと分かるが、誰もクァンヒョンの話を信じてはくれない。
そこへチニョンが、自分が最初に薬を試すと申し出る。コ・ジュマンの処方した薬で見事に回復。大きな手柄を立てたコ・ジュマンは医官の最高位である首医になる。誰よりもその座を狙っていたミョンファンは出し抜かれたと悔しがるが...。
クァンヒョン他3名の馬医は王室の馬の治療のため島に赴く。その一人が発作を起こし呼吸困難に陥る。クァンヒョンはチニョンから症状が悪化した場合、すぐ医師に鍼を打ってもらわなければ命を落とすと注意されていた。
だが島の医師は明日まで戻らない。やむを得ずクァンヒョンが鍼を打つことに。幸い鍼は成功したが意識が戻らず。馬医でありながら人に鍼を打ったことが問題となりクァンヒョンは捕らえられてしまうのだが...。
棒たたき三十回の刑を宣告されるクァンヒョン。インジュの治療で瀕死の状態から回復する。チニョンの身分を知ってよそよそしくなったクァンヒョンに彼女は以前のように医女として接してほしいと話す。コ・ジュマンはクァンヒョンに医学書を渡し、試験を受けるよう勧める。医師になるなど考えたこともなかったクァンヒョン。だがこれまで馬医であるがゆえに味わった屈辱を思い返し、試験に挑戦することを決意する。
クァンヒョンは医師の試験を受ける決意をするのだが馬医に対する周囲の風当たりは強い。みんなに侮辱され憤るクァンヒョン。チニョンは彼に医官を目指すなら我慢することも必要だと諭し、先生役を買って出る。試験の前日弱音を吐くクァンヒョンに彼女は試験に出そうな問題をまとめて渡し、うまくいくと励ます。チニョンの予想は見事に的中し、クァンヒョンは制限時間いっぱいまで解答を書き続け、見事一次試験を突破する。
二次試験は鍼の実技。医官でも難しいという銅人経にたやすく鍼を打つクァンヒョン。合格は間違いないと思われた。しかし、チニョンがクァンヒョンと親しくしていることを知ったミョンファンが激怒し、クァンヒョンの右腕を骨折させる。医師に試験は諦めるよう言われるクァンヒョンだが医師になる一歩手前で諦められなかった彼は翌日、試験場に向かう。思うように腕を動かせないクァンヒョンは、ある秘策を思いつくのだが...。
試験に合格したクァンヒョンは試験の終了とともに気を失うも、コ・ジュマンたちの手当てを受け、腕も順調に回復する。そして自分の腕を折ったカン・ジョンドゥに命令したミョンファンに卑しい身でも医師になってみせると断言する。馬医であることを隠してきたミョンファンにクァンヒョンが疎ましい存在となる。
晴れて医学生となったクァンヒョン。だが、医学の基礎がなっていないと、十日間、医女たちと一緒に学ぶことになる。
クァンヒョンはソンハの友人であるソ・ドゥシクに、妹ウンソの病を治してほしいと頼まれる。何とかウンソの命を救うがウンソはまた自殺を試みる。そんな中、彼女はクァンヒョンに言われた言葉によって心を動かされる。
ある夜、遺体室に閉じ込められてしまうクァンヒョン。そこで死んだはずの患者が生きていることに気づく。そしてその患者を救うことになり、翌朝、クァンヒョンが遺体を生き返らせたと大騒ぎになる。
死人を生き返らせたとクァンヒョンはまたも話題の人となる。医官採用試験が実施されることになり自信がなかった彼だが、チニョンとの身分の差を忘れるなとのソンハの言葉で合格を決意する。
一次の医学書の暗唱を何とか終えると、二次は二人一組で同じ患者を各々が診察し診断を下す臨床試験。二人の診断結果は比較されるため自分より劣る者と組んだほうが有利だが、彼の相手は最も優秀なユン・テジュだった。二人の患者は、なんと...。
クァンヒョンの患者はなんと、国王である顕宗だった。クァンヒョンの診断は王の病名は牛や馬などがなる胆石だった。しかし、どの医学書にも人間の胆石は載っていない。そして診断の時。テジュの診断は胃炎。それはミョンファンの同じ診断だった。
一方、クァンヒョンは白紙を出す。顕宗に促され、正直に話すが、それを聞いたミョンファンは王を侮辱したと騒ぎ立てる。ミョンファンはクァンヒョンを追放すべきだと主張するのだが...。
ミョンファンらはクァンヒョンを追放しろとコ・ジュマンに迫るが拒否され、彼の指導力不足が原因だと、彼の処罰を顕宗に訴える。しかし認められないと一蹴される。その直後、顕宗が激しい腹痛で倒れる。コ・ジュマンが思い当たったのは、クァンヒョンが診断した胆石。彼はクァンヒョンと顕宗の治療を始める。だが一通りの治療が終わっても石は排出されず、それを知った仁宣大妃はコ・ジュマンの投獄を命じるのだが...。
仁宣大妃はミョンファンに治療を任せようとするが、顕宗の容態が好転したためコ・ジュマンが治療することになる。ミョンファンはコ・ジュマンの粥に毒を盛り彼の体を麻痺させ、代わりに治療を申し出る。だが、治療寸前になんと、コ・ジュマンが現れる。クァンヒョンが解毒のツボに鍼を打ち回復させたのだった。コ・ジュマンの鍼治療が無事に終わり、ミョンファンは責任を取り内医院の院長を辞任することになるのだが...。
灯籠祭りの日、淑徽王女はクァンヒョンに告白しようと決意する。だが、そこに仁宣大妃と明聖王妃が現れたため、告白は失敗に終わる。淑徽に振り回された挙句、土砂降りの中に取り残されたクァンヒョンとチニョン。そして、そこでのある出来事でチニョンはクァンヒョンに昔の友達の姿を見つけるのだが...。一方、ドジュンの息子を捜していたインジュは、ペク・クァンヒョンこそがドジュンの実の息子だとついに突き止める。
真実を打ち明けなければと思うインジュだが、なかなか言い出せない。真実が明らかになればクァンヒョンとチニョンの身分が入れ替わってしまうためだ。しかも二人は恋仲に発展しつつあった。一方、ソンハとの婚姻を拒むチニョン。その理由がクァンヒョンであることを知ったミョンファンはウンソを利用しクァンヒョンを罠にかける。そして、それによって、クァンヒョンは綱常罪という重罪に問われてしまうのだが...。
ウンソと会ったのは治療のためだと訴えるクァンヒョン。だが、誰も取り合ってくれず、拷問にかけられることになる。しかし、ウンソの使用人の証言が認められ間一髪で拷問は中止され、クァンヒョンは釈放される。一方、ウンソの持病が悪化してしまい、コ・ジュマンは多くの人たちの反対を押し切り外科手術に踏み切ることにする。彼はその手術を馬医として多くの獣を切った経験があるクァンヒョンに任せようと決めるのだが...。
ついにインジュはクァンヒョンに、彼の実の父親がカン・ドジュンであることを告げる。困惑するクァンヒョン。しかもドジュンに濡れ衣を着せたのは親友だったミョンファンだという。だが、クァンヒョンはチニョンのために真実を公にしないよう頼む。しかし、陰謀に加担していた医師の名を聞き、驚くクァンヒョン。その医師を殺した罪でペク・ソックは追われていたのだ。不審に思ったクァンヒョンは真相を調べはじめるのだが...。
コ・ジュマンはミョンファンに盛られた毒のせいで難病である骨髄炎が末期まで進行してしまっていた。どんな治療も効果を得られず、顕宗は治療の責任者にミョンファンを任命する。みんなが手をこまねいているところにクァンヒョンが患部を切開し悪い部分を取り除けばいいと提案する。だが、患部は他でもない頭。命を懸けられるかと問う顕宗にクァンヒョンは必ず治療を成功させると断言し、インジュと二人で手術に臨む。
頭部を切開したものの新たな骨髄炎が見つかり一旦は手術を断念するクァンヒョン。たが、別の方法で手術を成功させる。一方、ミョンファンはドジュンの子供がチニョンではなく、クァンヒョンであることを知ってしまう。その頃、司僕寺を訪れたチニョンはクァンヒョンが世話をしていたという馬の名を聞き驚く。彼女は医学生として今そばにいるクァンヒョンが、ずっと捜していたクァンヒョンであることに気づくのだが...。
全てを知ったミョンファンはクァンヒョンを殺し、すべてを闇に葬り去ろうとする。だが、間一髪でクァンヒョンは逃げ切るが、深手を負ってしまった彼は恵民署で治療を受ける。意識を取り戻した後、ヨンダルがチニョンだということを告げられる。そして、クァンヒョンとチニョンは思い出の場所で念願の再会を果たす。
一方、破傷風にかかってしまったコ・ジュマンは顕宗にクァンヒョンの責任ではないと懇願し倒れてしまうのだが...。
投獄させられてしまうクァンヒョン。裁きを下す前に顕宗はミョンファンに意見を求めることに。ミョンファンはインジュに彼を助けてほしければ、彼の身分を証明する品を渡せと迫り、それを手に入れる。何とか死罪は免れたクァンヒョンだが、辺境の水軍に送られることになる。チニョンは、ソンハや淑徽王女の力を借りてクァンヒョンと逃げることに。船着場でチニョンは彼の到着を待つが、一向に現れないクァンヒョン...。
またもミョンファンの罠にはまり刺客に襲われるクァンヒョン。そのまま死亡したと処理されるが彼は生きていた。追われる身で無一文の彼は命からがら各地を回りサアム道人という医師を捜す。コ・ジュマンが彼を捜すように書き残していたのだ。
そんなある日、怪しい医師に遭遇するクァンヒョン。偽医者だと思い罵倒するが実はその医師こそがサアム道人だった。それに気づきサアム道人を追いかけるのだが、道人は去ったあとだった...。
清国へ渡って三年。重臣の嫁が、脇腹に大きなこぶができる奇病に侵され、その治療のために寧波の町へ。だが、世間に知れたら恥だと部屋に閉じ込められているという。クァンヒョンたちは一計を案じ、その部屋へ忍び込み診察。すると、なんと病ではなく、懐妊していた。その時、陣痛が始まるが、切開でしか取り出せない。クァンヒョンが切開することに...。
そして、清国にミョンファンが来ることを聞き愕然とするクァンヒョン...。
清国の側室が重病にかかり医師が募集される。もし皇妃を治療できれば、皇帝から恩赦の勅書をもらえるかもしれない。三人はさっそく都へ向かう。
クァンヒョンは先日、嫁を助けた重臣の紹介状が功を奏し代理治療をする医師に選ばれる。だが病状を診て愕然。皇妃の病は、コ・ジュマンと同じだった。なかなか治療に踏み切れなかったが、やはり外科手術を選ぶ。手術は成功したように見えたがまたしても患者が破傷風にかかってしまう。
もう一度外科手術に踏み切るクァンヒョン。一方、ミョンファンたちも治療法を思いつき患者の病状が好転する。クァンヒョンの患者の病に侵された部分がきれいに除去されていたが、治療を任されたのはミョンファンだった。国に帰る機会を逸し、肩を落とすクァンヒョンだが、その後も担当した患者の治療を続け、病を完治させる。彼はチニョンが清国に来ていたことを知り急いで彼女を捜すが、医療団はすでに発った後だった...。
側室の病はミョンファンの治療で治ったかのように見えた。だが、病は再び悪化。そこでクァンヒョンに治療が任される。病の原因は他にあると言うクァンヒョンだが、どんな理由かは言わない。そのため、五日で治せなければ命を差し出す条件で治療にかかる。ある理由で外科手術をかたくなに拒む側室だったが、クァンヒョンに説得され手術を受けることに。手術は無事に終わり、クァンヒョンは朝鮮に帰れるのだろうか...。
チニョンは治腫院という貧民のための診療施設を開くが、ミョンファンは施療庁を開き、貧民や難病患者は受けつけないという。
一方、クァンヒョンは朝鮮に戻りひっそりと暮らしながら、施療庁が見放した患者を治療する。まずはミョンファンのやり方が間違ったと証明してからチニョンたちに会いに行くのだと。薬契を捕らえるため兵が出動したことを知ったソンハはチニョンを守ろうとして重傷を負う。なんと瀕死の彼を救ったのは...。
前右議政のオ・ギュテが体の一部が壊死する脱疽に侵された。顕宗は施療庁に彼の治療を一任する。だが手の施せない状態だとミョンファンが諦めたため、オ・ギュテの息子は巷で噂になっているクァンヒョンを捜し出す。クァンヒョンは脚を切断すれば治ると言う。驚いたオ・ギュテの息子は彼を追い出す。
だが、病状が悪化し、その過程がクァンヒョンの言うとおりだったためオ・ギュテはクァンヒョンに手術をお願いするのだが...。
病が治ったオ・ギュテを見て愕然とする顕宗。ミョンファンを信用できなくなった顕宗は施療庁の不正を徹底的に暴こうとする。チニョンは謎の医師の処方箋を見てクァンヒョンの筆跡だと気づき涙する。彼女はクァンヒョンがもうすぐ帰ってくると確信する。
そんな中、清国の使節団が訪れることに。使節団が到着し歓迎の宴が催される。ミョンファンに治療の礼を言う特使だが感謝されるべき者は他にいると言い、そこに現れたのは...。
死んだはずのクァンヒョンが現れ、みんな驚く。清国で大きな手柄を立てたものの、クァンヒョンは逃亡者の身。その処遇に迷う顕宗にクァンヒョンは、コ・ジュマンの遺志を継ぐために処刑される危険を承知で帰国したと答える。敬愛する亡きコ・ジュマンの理想を思い出した顕宗は、クァンヒョンを赦免して医官に任ずる。クァンヒョンは思い出の場所で三年ぶりにチニョンと再会し、二人は互いの気持ちを確かめ合うのだった。
クァンヒョンの外科手術で多くの民が救われたが、その一方で破傷風の問題が解決せず。外科手術を恐れた患者たちが治療を拒否する。何とか破傷風を治す方法を見つけるためクァンヒョンは自分の腕の腫気で実験することに。
その頃宮廷では、世子の顔にできた腫気が治らず治療を任されるクァンヒョン。手術は順調に進んだが、縫合寸前に出血が止まらなくなる。ミョンファンの前に現れた謎の男はそうなることを予言していた。
クァンヒョンは師匠サアムが考案した鍼による止血法を思い出し止血に成功する。残るは破傷風の危険だ。クァンヒョンは新しい方法で世子を治療するが破傷風になりかけてしまい、残る予防法は煎じ薬だけになる。だが処方には一つ、難題があるのだった。
一方、謎の男はチェ・ヒョンウクというサアムの元弟子だった。世子の破傷風を止められるクァンヒョンの知らない方法を自分は知っているとミョンファンに断言するのだが...。
汚名を返上したいミョンファンは仁宣大妃を説得して、サアムの元弟子チェ・ヒョンウクに世子の治療をさせようとする。幻の医学書「治腫指南」を持っていたのだ。その時、クァンヒョンもある処方を思いつく。なんと、それはヒョンウクの処方と同じだった。世子の治療は無事に終わる。ヒョンウクは、自分が倒す相手はサアムじゃなくてクァンヒョンだと考え直す。
そんな折、都に痘瘡がはやりだし、程なくして王女が感染してしまう。
王女が痘瘡にかかり必死で治療法を考えるクァンヒョン。そんな中、一つの症状だけを治療していた患者の病状が好転し、同じ方法で他の患者たちの症状も落ち着く。だが淑徽だけは病状が悪化し、のどに腫気ができてしまう。一刻を争う事態だが、薬もなければ危険な箇所のため外科手術もできない。そこへ、ヒョンウクが自分なら治療できると名乗り出る。彼はミョンファンを説き伏せ、仁宣大妃の許可をもらうのだが...。
クァンヒョンの手術で淑徽は助かる。だが王室の治療に獣用の鍼が使われたことで宮廷は大騒ぎとなる。ミョンファンは重臣や儒学生に働きかけ、その結果、クァンヒョンの罷免を求める動きが広まる。自分の父親がはめられた陰謀にソンジョが関わっていたことを知ったクァンヒョンは罷免を自ら求め、皆の前から姿を消す。
ある晩、ソンハはクァンヒョンから連絡を受け、彼の隠れ家に会いに行く。そこで聞いた驚きの真実とは...。
クァンヒョンは養父ペク・ソックが濡れ衣を着せられた事件を明らかにするため、司憲府に提出する投書を用意する。だが、チニョンを傷つけたくないクァンヒョンはソンハの力を借りることに。ミョンファンとソンジョは司憲府から呼び出しを受けるが、二人は容疑を否認する。ソンジョが自分を切り捨てようとすることを知ったミョンファンは隠し持っていた証拠でソンジョを脅す。否定し続ける二人の前に現れたのは...。
ついにミョンファンを告発したクァンヒョン。だがミョンファンは罪を逃れるためにチニョンを利用するかもしれない。クァンヒョンは、チニョンを守るため、彼女を湯治場へ療養に行く淑徽王女に同行させる。何かおかしいと疑念を抱くチニョン。彼女は真相を探るため、誰にも言わずに都へ戻る。調べているうちにインジュが関わっていると踏んだチニョンは訳を聞くためインジュのもとへ。そして衝撃の事実を告げられるのだが...。
大妃の病状が悪化してしまい直ちに適切な治療をしなければ手遅れになると報告を受けた顕宗は、治療をミョンファンではなくクァンヒョンに任せる。だが大妃は賤民の生まれで馬医だった彼の治療は受けられないと拒否する。
それを知ったチニョンは自分とクァンヒョンが生まれてすぐにすり替えられた事実を公にしようと決める。大妃のもとを訪れると、クァンヒョンが実はこの国一の名家の嫡男であることを告げる。それを聞いた大妃は...。
チニョンは自らの運命を受け入れ、官庁の使用人として生きていく覚悟を決める。大妃は事実を知り衝撃を受け意識を失ってしまう。すぐに治療に当たるクァンヒョン。初めて試みる切開法で外科手術に踏み切る。手術中に大妃の脈が途絶えるのだが...。一方、窮地に追い込まれたミョンファン。山中の民家に身を隠し、都を抜け出す手立てを探していたところへチニョンが現れる。育ててくれた父親への思いを告げるチニョン...。
自ら都に戻ってきたミョンファン。すべての罪を認めた彼に死刑がくだされる。インジュはクァンヒョンから預かったドジュンの鍼箱をミョンファンに渡す。移送中に逃げ出したミョンファンはドジュンの墓を訪れドジュンの鍼を使い自ら命を絶つ。
一方、使用人に戻ったチニョン。淑徽王女を始め、顕宗や仁宣大妃も悲しむが、法は曲げられない。それでもクァンヒョンは何とかチニョンを助ける方法はないかと必死に考えるのだが...。
クァンヒョンはチニョンの実父ペク・ソックに大きな手柄があることを思い出す。昭顕世子の殺害事件。ペク・ソックはその真相を偶然知り事件に関わった者を告発したため、逆に濡れ衣を着せられ殺されたのだ。その手柄が認められればペク・ソックの身分が上がり、娘も使用人にならずに済むだろうと、顕宗に話すクァンヒョン。しかし、昭顕世子の事件を公にする訳にはいかない。そこで、顕宗はあることを思いつくのだが...。
顕宗が腸癰と呼ばれる炎症性の腸疾患で突然倒れる。クァンヒョンたちは直ちに治療を始めるが、腸が破れ毒気が腹部に広がってしまう。もはや成す術はないと諦める医官たちにクァンヒョンは腹部を切開して膿を出す方法を提案。しかし、国王の腹を切るなど、口にしただけで死罪になりかねない。だが、大妃を説得し開腹手術に踏み切る。死罪を恐れて皆逃げ出し、仲間たちだけが残って手術に協力してくれる。そして、その結果は...。
王の主治医に任ぜられたクァンヒョン。権力に興味がなかった彼は戸惑いを覚える。しかし、民のために権力を使えとのサアムの言葉に背中を押され主治医になろうと決めるクァンヒョン。早速、医療官庁の改革に取り掛かる。それを面白く思わない重臣の多くがクァンヒョンの異例の出世に反発し撤回を求めるのだった。
一方、良民になったとはいえチニョンとクァンヒョンの身分の差は明白。果たして二人は結ばれるのだろうか...。
馬医