ソクラン市の文化芸術課に勤めるルミ(イ・ジア)は、自分の企画が採用され、プロジェクト・オーケストラを創設することになる。ところが、公演プロデューサーが運営資金を横領し、楽団員までもが皆去ってしまったため、メンバーを一般公募することに・・・。
しかし、集まったメンバーは、専業主婦や高校生、認知症の老人、停職中の警察官、など、プロとはかけ離れた人材ばかり。
そして、そんな楽団の指揮者としてルミが招聘したのは、“オーケストラ・キラー”と悪名高い世界的マエストロ、カン・マエ(キム・ミョンミン)だった。果たして楽団の運命はどうなってしまうのか!?
市庁文化芸術課所属の公務員であるルミは、締め切り10分前に適当に作成した自分の企画案が選ばれてしまい、「プロジェクトオーケストラ」の運営を任されることになってしまう。ところがその資金が公演プロデューサーによって横領されたことが発覚すると、プロの団員は全員去ってしまう。ルミは公演を目前に新たな楽団員を集めようと必死になり、地下鉄でトランペットを持つ謹慎中の警察官カン・ゴヌなどを誘うなどしてなんとかメンバーを集め、プロジェクトオーケストラは市長の前で初演奏をするところまでこぎつける。そして、ルミは寄せ集めた楽団員に指揮者として迎えるのはカン・マエだと伝える。
空港に到着したカン・マエを出迎えたルミはゴヌの家に向かう。カン・マエはゴヌの家に着くと一人でこの家で住みたいからとゴヌに退去を命じるが、ルミはなんとか2人を説得し、一緒に住まわせる。初練習の日、カン・マエは練習室に集まった団員達の実力をみて失望し、辞退すると言い出す。なんとか資金を集めようと街頭で演奏するルミとゴヌに愛犬のトーベンの様子がおかしいとカン・マエから連絡がはいり…。
愛犬トーベンの件で指揮をとることにしたカン・マエだが、彼の毒舌に楽団を去ろうとする楽団員が出てきてしまう。そんな中、ゴヌがみんなで一緒に自主練習をしようと提案し、ゴヌの指揮による練習が始まった。そして、それがきっかけでカン・マエはゴヌの隠れた才能に気づく。
資金が横領されたことを知った市長は、仕切り直すためにも新しい指揮者を迎えようとするが、カン・マエが現在の楽団員で演奏し指揮は自分が行い、公演を成功させると断言する。ある日、カン・マエは手にギブスをして怪我をしたと偽り、ゴヌに自分の指導の下で指揮の代行練習を依頼する。しかし、“ブロジェクト・オーケストラ”の公演日がゴヌの復職の日と重なってしまい…。
ついに公演日を迎え、路上で交通整理をするゴヌにカン・マエは公演の参加を促す。一方、チェロ奏者のヒヨンは公演に出ることを夫に止められていた。また公演直前に、ルミは聴力を突然失ってしまう。ルミのためにカン・マエは指揮をし、なんとか公演を終える。
公演が認められ、喜ぶ楽団員たちを前に、楽団は一流の演奏者で再構成するつもりだとカン・マエは告げ、プロジェクト団員の中では警察を辞めてしまったゴヌにだけオーディションを受けさせることにするが、ルミがしつこく頼み、オーディションの日付と場所を教えてもらい、他のプロジェクト団員達とオーディションの場所に駆けつけるが…。
カン・マエにクビを宣告されたゴヌは、カン・マエの宿命のライバル指揮者であるミョンファンに弟子入りを志願する。一方、ゴヌを呼び出したカン・マエはゴヌの知られざる天才的な才能に気付くのだが、ゴヌをミョンファンの弟子にさせることにする。
ミョンファンに弟子入りするつもりだったゴヌは、カン・マエとミョンファンの間にあった過去を知り、カン・マエの弟子になり一生補佐することを誓う。カン・マエは市長と交響楽団の公演を準備するが、そこでベートーベン交響曲9番コーラスを頼まれ、難しすぎると依頼を拒否する。
カン・マエの言い方や態度に抗議するために集まった団員たちに、カン・マエはこれからの合唱団の指揮はゴヌに任せると告げる。そんななか、ルミはカン・マエに告白をするが、ゴヌがその現場を偶然目撃してしまう…。
カン・マエは告白したルミを冷たく跳ね除ける。一方、連日の豪雨で公演会場周辺には水害の被害がおよび、被災民たちに水害で大変な時に演奏会をしている場合かと詰め寄られる楽団員をかばい、カン・マエは右腕を怪我してしまう。しかし、ある子供との出会いで自分の貧しく悲惨な過去が音楽に救われたことを思い出し、カン・マエは水難民に公演を見に来て欲しいという。
市長は“プロジェクトオーケストラ”の資金が横領された責任をルミに取らせようとする。カン・マエはルミを逃がすため楽団から脱却させるが、自分の気持ちが伝わらないのだと誤解したルミは旅にでてしまう。そして、カン・マエは何とか楽団を存続させるために、楽団員を全員解雇する。
カン・マエから楽団員が全員解雇になったと知り、自分を責めるルミ。練習場に顔をだしてみると彼らが交響曲フェスティバルに参加できないとの知らせが…。そして練習場で演奏を聴くカン・マエは自分の曲の解釈をゴヌが勝手に変えたことを知り激怒するが、ゴヌは自分が指揮者であり、自分の団員達なのでもう干渉しないでほしいと怒る。
カン・マエと意見が対立したゴヌに団員達はついていくことを決め、ゴヌが選んだ曲を練習し始める。一方、朝目が覚めると耳が聞こえなくなっていたルミは病院へと向かう。練習に来ないルミを心配して電話をしたゴヌはルミの耳が聞こえなくなっていることに気づく。
野外音楽堂で公演をおこなったゴヌの指揮がある面では自分よりも優れていると語る専門家の話を偶然耳にしたカン・マエは動揺する。しかし、市長の策略により、演奏会場で工事が始まってしまい、演奏は中断する羽目に…。
オーディションの日、ゴヌたちマウス・フィルの演奏を聴いたカン・マエは編曲をけなすが、他の審査員によって団員達はオーディションに合格し、伴奏バイトを始める。一方、新市長の就任式で演奏するよう命じられたカン・マエは断るが、新市長はそれを許さなかった…。
新市長が自分を解雇する気だと知ったカン・マエは、クビになる前に自ら辞めると告げるが、それは自分を裏切る行為だとルミに言われ、市長を訪ね就任式の演奏を引き受けることを告げる。ゴヌは思わずカン・マエの元を訪れるが…。
公演に間に合わなかったため、マウス・フィルは企業からのサポーターのチャンスを逃してしまう。落ち込むゴヌを前にメンバーたちは路上で演奏を始める。一方、カン・マエは市響の顧問に指名され、後任の指揮者がやってくるが、市響の団員達は実力もない後任指揮者に反発する。
ミュンヘンフィルハーモニーから招待の郵便がマエに届く。メールアドレスを教えてほしいと頼むゴヌはいつか自分が認められるような人物になったら弟子にさせてほしいという。マエは送別会といって皆を召集し、歌謡曲の指揮を自分がすることにしたと告げ、公演がはじまる。
ベートーベン・ウィルス〜愛と情熱のシンフォニー〜