1970年、釜山。12歳のガンモは貧しいながら、両親と兄妹と共に幸せに暮らしていた。そんなある日、金塊密輸の情報を知った軍保安部隊長チョ・ピリョンは、金策に奔走する万宝建設社長ファン・テソプを誘い込み金塊奪取計画を実行する。何も知らず計画に巻き込まれてしまったガンモの父デスは、ピリョンに射殺されてしまう。兄ソンモが事件を目撃したことから命を追われる身となり、幸せだった一家は逃亡を余儀なくされる。途中で母は事故で命を落とし、兄妹は生き別れになってしまう。その後、ソウルで靴磨きをしながら一人で生きていたガンモは、客として出会ったテソプの危機を救ったことから一家に引き取られる。学校にも行くようになるが、同じクラスになったピリョンの息子ミヌはガンモを見下し、二人は対立していく。一方、逃亡中に米軍に助けられたソンモは、そこで皮肉にも再会したピリョンの信頼を得て部下となり、復讐の機会を窺っていた…。
2010年、韓国人初のビジネスアワードを受賞した漢江建設会長イ・ガンモは、精神病院を脱出した仇敵チョ・ピリョンと対峙する。彼の脳裏には幼い日、家族を引き裂いた不幸な出来事、庶民が安心して暮らせる家を建設するという夢に向かって邁進した波乱の日々が甦る。そして、物語は韓国が“漢江の奇跡”と謳われる経済成長を遂げようとしていた時代、まだ少年だったガンモら兄妹の運命が大きく動き出した1970年へとさかのぼっていく。
1970年、12歳のイ・ガンモはある日、密輸した金塊の存在を知り父親のデスに教える。デスは軍の保安隊班長チョ・ピリョンにその事実を報告。ピリョンは金塊を奪う計画を立て、金策に奔走する万宝建設社長ファン・テソプを誘い込む。運転手を殺して金塊を奪うように言われたテソプだが、実行の日、運転手が親友のデスだと知り殺すことができない。駆けつけたピリョンはためらうことなくデスを銃殺。助手席で一部始終を目撃したデスの長男ソンモは逃げ帰り、一家は取る物も取りあえず列車に乗る。だが、追っ手が迫り、ソンモは囮になって走る列車から飛び降りる。ガンモと幼い弟妹は母と旅館に身を隠すが…。
同い年の少女ジョンヨンと出会ったガンモは、彼女の生き別れの母親捜しを手伝うことに。偶然にもガンモらがいる旅館に同宿していたギョンオクは、ガンモの母やジョンヨンの財布を盗む。ギョンオクは盗んだ財布の中にあった写真を見て、ジョンヨンが自分の娘だと知り、彼らの宿代を払い、部屋に暖房を入れるように宿の主人に頼む。だが、暖房の練炭でガンモの母とギョンオクは一酸化炭素中毒となり病院に運ばれ、ガンモの母は亡くなってしまう。その頃、ソンモは瀕死の重傷を負って倒れているところを米軍のハンプトン准将に助けられ、回復後、記憶喪失を装って米軍基地で雑用係として働き始めていた。
奪った金塊を金に換えて政府に上納し出世を目論むピリョンは、共和党議員オ・ビョンタクからベトナム戦争に関する米軍の機密文書を奪取するよう指示され、ハンプトン准将を基地に訪ねる。父の仇ピリョンと遭遇するソンモ。だが、ピリョンは彼に気づかない。母を亡くし、幼い妹ミジュと生まれたばかりの弟ジュンモを抱えたガンモは親切な夫婦の世話になり、兄が別れ際に「ソウルで一番高いビルの前で月末に会おう」と言った言葉を支えにしていた。ソンモも弟妹たちとの再会を楽しみにしていたが、当日ソンモは文書を奪おうとするピリョンの部下を見て彼の後をつけ、ケガを負わされて意識を失ってしまう。
ミジュとジュンモを食堂に預けて約束の31ビルの前でガンモが兄を待っている間に、ミジュはソンモに似た青年の後をついていって迷子になってしまう。ガンモはジュンモを背負って世話になった夫婦の家に戻り、弟を自分で育てると言い張るが、施設に預けざるを得なくなり、泣く泣くジュンモを手放す。ソンモはハンプトン准将のスパイとなり、ピリョンの信頼を得るように言われる。一人になったガンモは靴磨きを始めて、万宝建設に出入りするようになり、テソプの娘ジョンヨンと再会。間もなく、万宝建設が請け負う埋め立て工事中に大雨が降り、土砂災害を防ごうとしたテソプが生き埋めになる事故が起きる。
テソプを救ったガンモは、埋め立てのための土砂が不足し工事が進められないと知って、使用済みの練炭の灰を土砂として使うことをテソプに提案。初めは相手にしないテソプだが、ガンモの提案についての検査を地質学研究所に依頼する。工事は依然として中断したままで、万宝建設は倒産の危機に瀕し、家は差し押さえられてしまう。押し寄せる債権者から逃げたテソプは、ガンモやパク・ソテら靴磨きの少年たちのもとに潜伏する。一方、ソンモは親しい軍医からピリョンが自分を疑っていると知らされる。そして、ピリョンに捕えられるものの、ハンプトン側の会話を録音したテープを聞かせて彼の信頼を得る。
基地の慰問公演がある日に機密文書を盗み出すことになり、ソンモは軍医の協力を得て計画を実行に移す。だが、脱出しようとした時、米軍に撃たれた軍医は命を落としソンモは一人助かる。ピリョンはソンモから受け取った文書をオ議員に渡し、中央情報部の幹部へと出世。ソンモはピリョンへの復讐心を胸に秘め、彼の家で暮らし始める。同じ頃、工事の権利が万宝建設から大陸建設に移譲されようとしていたが、検査の結果により練炭の灰が埋め立てに使えることが証明され、テソプは難を逃れる。ガンモは倒産の危機を脱したテソプに引き取られ学校に入学。そして、孤児院にいるミジュはいつか兄たちが自分を迎えに来てくれると信じて暮らしていた。
ガンモは入学早々、クラスを牛耳るチョ・ミヌという生徒と対立する。常にトップの成績で親が多額の寄付をしている彼の傲慢な態度に腹を立てた彼は、全校で1位になると誓う。ミヌの父はピリョンだった。その頃、ピリョンによって中央情報部に推薦されたソンモだが、ピリョンを恨む上司のミン・ホンギが反対。ピリョンの忠実な部下ジェチュンと共にテストを受けることになる。ガンモはジョンヨンの継母ナムスクやその息子ジョンシクらの嫌がらせを受けながら、ジョンヨンに応援され勉強に励んでいた。間もなく試験というある日、ミヌの母が校長から試験問題を受け取るところを目撃する。そして、試験の当日…。
試験の日、ジョンシクによって部屋に閉じ込められたガンモはなんとか外に出て、担任教師の計らいで別室で受験する。見事にミヌと同じく1位となるが、校長の横槍で試験が無効となってしまう。ミヌの不正を暴露したガンモは10日間の停学を言い渡され、それに憤った担任は辞表を提出。一方、ソンモは不屈の精神力で苛酷なテストをくぐり抜け情報部の要員となる。そして、一度はピリョンと袂を分かったテソプは、総合庁舎建設誘致に絡んで会社を大きくするため彼を頼り、巨額の政治献金を勧められる。やがて月日が流れ、万宝建設の創立10周年記念パーティが開かれる中、ガンモとジョンヨンはミヌと再会する。
復讐の刃を研ぐ兄ソンモ。建設業界でのし上がろうとする弟ガンモ。歌手を夢見る妹ミジュ。チョ・ピリョンによって引き裂かれた兄妹3人は、それぞれの思いを抱えて懸命に生きていた。再会の日を待ち望み、互いを捜し合う兄妹たちはやがて運命に導かれるように顔を合わせるが、気づくことができない。やがて、再会を果たした時、ガンモには新たな試練が待ち受けていた。そして、ピリョンの野望はより大きなものとなっていく。
1979年、成長したガンモは万宝建設でファン・テソプ会長の裏の仕事を手伝いながら、ジョンヨンに影のように仕えていた。ジョンヨンは大学卒業後、父から実力が伴えば後継者にすると言われ、平社員として万宝建設に入社し、企画室長として一足先に入社していたミヌの部下となる。テソプはソウル市地下鉄工事の入札に加わるために、ガンモの働きによって建設代表協会の会員になることに成功。ソンモはテソプを後押しするピリョンの忠実な部下として働いていた。ある日、ガンモは地下鉄工事のための土地を占拠する大陸建設が雇ったチンピラたちを一掃しに行き、彼らのリーダーを務めるパク・ソテと数年ぶりに顔を合わせる。
地下鉄工事の入札日までに工事費削減の方法を考えるよう命じるテソプに対し、ジョンヨンは自分がその仕事を成功させると大見得を切って下請け会社を訪ねるが相手にされない。女には無理だというミヌは、ジョンヨンを財閥子弟の集まる会合に連れていき、パートナーとして彼らに紹介する。そこにいたジョンシクが彼女を愛人の娘だと侮辱するとミヌは彼を殴り、ジョンヨンに「部下ではなく女性として見ている」と告げる。ソンモはテソプを阻止するため、大陸建設のホン・ギピョ会長を秘かに助け、それによって入札が無効となる。怒ったピリョンはホン会長と結託するミン・ホンギがいるロイヤルクラブに押し掛け、二人は銃を向け合う。
ジョンヨンはガンモの助けで下請け会社の談合問題を解決し、父に認められる。再入札に備えてテソプから、大陸建設の入札価格を調べるように命じられ、ガンモはソテを訪ねて協力を頼む。一方、ミヌは兄のように慕うソンモに助けを求める。表向きは協力を約束しながら、ソンモはホン会長と秘密裏に接触。ホン会長は家政婦のミジュに入札書類を公園のポストに投函させる。ガンモは、書類を取りにきたソンモを襲い書類を奪って逃げるが、追いついたソンモに銃を突きつけられ結局奪い返されてしまう。その書類をミヌが手に入れたと知り、ガンモは怒りに震える。間もなく、万宝建設では入札に備えてホテルで合宿が始まる。
ソンモはミヌの口から入札価格を聞き出し、ホン会長に価格のヒントを伝える。ガンモはテソプとともに、ピリョン、ソンモ、ミヌが集う酒席に出席。互いに兄弟だと気づかぬまま、二人は敵意をもって対峙する。その頃、ガンモがすでに勤務先の工場の火事で死んでいたと聞かされ、ソンモは悲しみに暮れる。ガンモとミジュはそれぞれ、かつて約束した31ビルの前に来るが会えないまますれ違ってしまう。そして、入札の日がやってきた。相手に情報が漏れているとガンモが心配した通り、工事を落札したのは大陸建設だった。ソンモの企みで、入札価格が漏れたのはジョンシクの仕業だと思い込んだテソプは息子に怒りをぶつける。
大陸建設から工事の権利を奪うため、ピリョンはホン会長を経済的に追い込み、工事を自発的に辞退させようと画策。ミヌの発案で地下鉄路線を変更したため、ホン会長は窮地に陥る。ピリョンはテソプに子供たちの縁談を進めようと提案。それを知ったガンモはショックを受ける。ジョンヨンもロイヤルクラブで酒を飲み、ガンモに政略結婚は嫌だと呟く。そんなジョンヨンの姿を見たクラブの社長ユ・ギョンオクは、彼女が捜し続けていた娘だと気づき人知れず涙を流す。政界入りを目指すピリョンは、選挙資金をテソプに無心するが拒否され激怒。対抗馬となるミン・ホンギの弱みを握るホン会長が持つ裏帳簿を手に入れようと、ホン会長を拘束する。
ピリョンは中央情報部監察局長の職権を行使し、建設会社のトップを次々に拘束、党への献金記録を記した帳簿を捜す。遂にはテソプも拘束されてしまう。ホン会長は拷問を受けるが帳簿のありかを明かそうとしない。ソンモはホン会長に自分の正体を明かし、会長を説得。一方、テソプを救うため帳簿の行方を捜していたガンモは家政婦ミジュが怪しいと睨む。ジョンヨンは父を助けるためにピリョンを訪ね、ミヌとの結婚を受け入れると告げる。それを聞いたガンモは自分の想いを告白しようとするができない。帳簿はミジュの勘違いから一足違いでガンモに渡ってしまい、ソンモは彼の後を追い帳簿を奪い返す。ソンモはさらにガンモを銃で撃つ。
ソンモに腕を撃たれたガンモは負傷し、同僚で友人のシドクに行方を知らせる。駆けつけたジョンヨンはガンモを介抱し「自分の幸せを考えてほしい」と言うが、ガンモは「そばを離れない」と告げる。ミヌとジョンヨンは両家の顔合わせをすますが、ジョンヨンはミヌに心を開かない。ミン・ホンギが手にした帳簿はオ・ビョンタク議員やハン・ミョンソク都市局長の前で焼かれるが、ピリョンはコピーがあると見抜き、入院したホン会長を見張らせる。精神障害者を装うホン会長はミジュの協力を得て退院し、車椅子生活を送る妻を済州島に逃がす。ミジュが帳簿のコピーを持っていると睨んだソンモとガンモはそれぞれミジュの行方を追う。
バスガイドになったミジュを追って31ビルまで来たガンモは、そこでようやく彼女が生き別れた妹だと気づく。再会を果たした二人はミジュの部屋に帳簿を取りに行くが、すでにソンモによって持ち去られた後だった。ソンモはホン会長を訪ね帳簿を返却。その後、帳簿がホン会長の手に渡ったことを知ったジョンシクは会長の別荘へ向かい、帳簿を奪おうと揉み合ううちに会長を死なせてしまう。咄嗟にガンモの仕業に見せかけたジョンシクは帳簿を持ってその場から逃走。ミヌとジョンヨンの婚約式の日の夜、ガンモはホン会長殺人容疑で逮捕されそうになるが、ジョンヨンの助けでその場を逃げ出す。ジョンシクは犯行を知られたソテに大金を渡し…。
ホン会長から家政婦の家族捜しを頼まれていたソンモは、渡された書類を見てミジュが自分の妹であることに気づく。ミジュのもとを訪ねたソンモは、ガンモが張り込んでいた刑事に捕まるのを目にし、かつて自分が殺そうとした彼が捜し求めていた弟だったことを知り衝撃を受ける。嘆き悲しむミジュの前に現れたソンモはミジュと兄妹の名乗りをして「必ずガンモを助ける」と誓う。逮捕されピリョンから「帳簿を出せ」と殴りつけられるガンモを見て気が気ではないソンモは、ピリョンを殺しに行くと興奮して部下のチャンソンに止められる。その頃、ミヌとジョンヨンはそれぞれ、ジョンシクが事件に関係していることに気づいていた。
仮病を装って留置場から病院へ移ったガンモを連れ出したソンモは兄であることを明かす。感涙にむせぶ二人だが、ガンモには時間がなかった。ソンモの手引きで密航することになり、仁川の民宿に身を寄せる。ガンモの脱走を知ったジョンヨンはジョンシクがソテと会っているところを目撃し、兄が疑わしいと父に教える。テソプはジョンシクが帳簿を持って来たのを見て、ホン会長殺しの真犯人が息子だったことを悟り嘆く。だが、息子を罪人にはできないと帳簿を焼き、一人ガンモに詫びる。父の選択にショックを受けたジョンヨンは、シドクが取った電話からガンモの居場所を知って彼のもとに向かう。一度はジョンヨンを追い返すガンモだが…。
ジョンヨンの切実な愛を受け止めたガンモは、彼女の手を取って誰もいない教会へ連れて行き、神の前で二人の愛を誓う。ミヌはジョンヨンが自分を捨て、ガンモのもとに去ったことを悟って憤りを隠せない。その後、CMのことでレコード会社を訪ねたミヌはオーディションを受けに来ていたミジュと顔を合わせる。ジョンヨンと密航までの束の間の日々を楽しむガンモの前に、ソンモが現れる。テソプとピリョンが父の仇だと知らされ打ちのめされたガンモは、ジョンヨンを置いて一人民宿を出る。だが、そこに警察の手が迫り、追って来たソンモに自分を逮捕させる。そしてソンモに対し、テソプへの復讐のために「万宝建設を潰す」と宣言する。
ガンモは拘置所を訪れたテソプから「望みを何でもかなえる」と詫びられて、開発地域の開浦洞の土地を自分名義にするよう頼む。懲役4年を言い渡され服役したガンモは刑務所内で復讐を胸に秘め耐えていた。間もなく、朴正煕大統領が暗殺される。1981年となり、万宝建設は地下鉄工事を完了。国会議員選挙に臨むピリョンは、これから高騰が予想される開浦洞の土地をガンモが所有していると知る。ミヌは刑務所にガンモを訪ね土地を売るように言うが、相手にされない。土地を得ようと躍起になるミヌはジョンシクと共謀、ソテを刑務所に送り込んでガンモを亡き者にしようと目論む。同じ頃、ミジュは再会したミヌの心ない言動に傷つけられていた。
歌手を目指すミジュの正式デビューが間近だと聞いて、ソンモは喜び、自分が面倒を見るからバスガイドを辞めるようにと言う。だが、間もなくレコード会社が契約不履行で万宝建設から訴えられ倒産の危機に瀕する。ミジュは企画室長のミヌに訴訟取り下げを頼みに行き、手製の弁当を差し出すが冷たく払いのけられてしまう。一方、ソテはガンモの殺害に二度にわたって失敗。それを知ったミヌは父に手を回し、ソテ共々ガンモを三清教育隊に送り込む。そこでガンモは刑務所以上に苛酷な肉体訓練や暴力に耐える日々を送る。ピリョンの当選を阻もうと彼の弱みを探っていたソンモは、ピリョンの父が親日派だったことを知る老人を捜し当てる。
ミヌは自分のもとに日参するミジュが、いつしか気になるようになっていた。そんなある日、ジョンヨンに婚約を破棄されたことで父から殴られるミヌを見たミジュは彼を慰める。開浦洞の土地に執着するピリョンは、ソンモにガンモの殺害を命じる。ガンモを訪ねたソンモは土地を手放すように言うが、ガンモは名義を第三者に変え自分の死亡届を出してほしいと頼む。その頃、打倒ピリョンに燃えるミン・ホンギは大物金貸しのペクパに勝利を約束して選挙資金を借りることに成功。ペクパから資金を借りられなかったピリョンはそれを聞き、脅威を感じる。やがて、ソンモの根回しによって、ガンモは教育隊で死んだ収監者と入れ替わるように言われ…。
ソンモはピリョンにガンモが死んだことを報告。ガンモは教育隊での務めを終えて自分の名前を取り戻すことを兄に誓う。シドクとともにガンモの行方を捜していたジョンヨンのもとにガンモの死亡届が届く。教育隊で遺骨を渡され彼の死を確認したジョンヨンは、ショックのあまり失語症になってしまう。さらに、ミヌとジョンシクの差し金でガンモが教育隊に送られたと知り、復讐を決意。選挙戦の行方を占う演説会が開かれ、そこにソンモの手引きで送り込まれた老人が満座の前でピリョンが親日派の息子だったと暴露する。その頃、奉仕隊に移され道路工事の仕事に従事させられていたガンモは、工期を早める方法を思いつき、上官に取引を申し出る。
ガンモの提案によってセメントを早く乾かすことに成功し、工事は予定通り終了。ガンモは工事終了の条件として隊員たちのために食事会を開かせ、足を負傷し切断寸前の状態になっていたソテを病院に送る。ガンモの配慮に感謝したソテはこれまでの行いを悔いて涙ながらに謝罪する。言葉を取り戻したジョンヨンはシドクだけに回復を明かして、会社の株式保有状況を調べさせる。ジョンシクを後継者にしようとするナムスクは夫に圧力をかける一方で、他の株主たちを抱き込んでいた。不利を悟ったジョンヨンは、ペクパの養女でもあるロイヤルクラブのユ社長を訪ね助力を求める。やがて、ガンモが出所し、兄妹3人は再会の喜びに浸る。
数々の試練を経て新たな一歩を踏み出したガンモは、兄ソンモの助けを借りて建設会社を軌道に乗せる。その前に再び立ちはだかるピリョンとミヌ。マンション建設を巡ってガンモの闘いはいちだんと激しいものになっていく。さらに、再会したジョンヨンとも対立を余儀なくされる。何も知らない妹ミジュは歌手の卵となり、ミヌと出会い恋に落ちる。だが、二人の仲が許されるはずはなく、悲しい宿命によって引き裂かれようとしていた。
ガンモは、ソテと奉仕隊で知り合ったナム・ヨンチュルを連れ、地方で漢江建設を興しジェームズ・リーと名乗る。やがて、試行錯誤の末に砂と砂利を使わずに道路建設の基礎工事を行える新技術開発に成功し特許を申請。その足でペクパを訪ね、5億ウォンの借入れを申し入れる。ユ社長は母だと明かさないまま娘ジョンヨンを助けようと万宝建設の株主たちを集める。株主たちは「女は経営者にはなれない」とジョンヨンが会社を継ぐことを反対。だが株主総会の日、ジョンヨンは株主の前で能力を見せつけ、投票の結果後継者に選ばれる。ミヌはひたむきなミジュに惹かれていき、ミジュも次第にミヌに好感を持つようになっていた。
ペクパから融資を受けたガンモは、新技術を建設会社に売り込もうと奔走するがなかなか取り合ってもらえず、実演してみせてようやく契約を取る。噂を聞いた多くの建設会社が契約を求めて漢江建設に殺到し、会社は軌道に乗る。万宝建設の企画理事になったジョンヨンは道路建設の現場に出向いて工事の遅れを叱責し、自らの辞表を見せて下請けの職員たちを鼓舞。選挙演説会の日以来、支持率が急速に下がっていたピリョンは巻き返しを図る。それは、チンピラを雇って再開発に反対する住民を襲わせ、そこに駆けつけたピリョンが住民をかばって大ケガをするという自作自演の茶番劇だった。計画は功を奏し、ピリョンの支持率は再び上昇する。
漢江建設の新技術を求めて、ジョンヨンとミヌがそれぞれ連絡するがガンモは「万宝建設とは取引しない」と拒否。ガンモは万宝建設を潰すため、テソプと彼の後ろ盾になっているハン・ミョンソク都市開発局長の仲を裂こうと考える。さらに、光明建設のチョン会長に接触、共同経営を持ちかける。ジョンヨンの使いで漢江建設を訪ねたシドクはガンモが生きていたことを知って喜ぶが、ガンモは自分の存在をジョンヨンには知らせないよう口止めする。ソンモはピリョンの茶番劇を暴くため、部下のチャンソンとともにピリョンが雇ったチンピラ、テウクを追い逮捕する。ミヌは大検合格を目指すミジュの勉強を見るようになり、二人の仲は急接近していく。
自ら漢江建設に足を運んだジョンヨンを追い返させたガンモは、事務所の中からその姿を見つめて胸を痛める。間もなく、ガンモの計画通りテソプとハン局長は仲違いし、万宝建設は道路工事の権利を光明建設に譲渡する状況に陥る。一方、ソンモはピリョンを蹴落とすために、逮捕したテウクに住民への暴行はピリョンの指示だと自白させることに躍起になっていた。その最中、ピリョンは当選を果たすが、テウクが自白し、ガンモは新聞記者になった恩師の協力でピリョンの犯罪を紙面で暴く。当選の美酒に酔うピリョンは踏み込んだ警察に逮捕され、選挙法違反と暴行教唆の罪で刑務所送りとなる。ソンモは「これで再起できないだろう」と喜ぶが…。
テソプの前に姿を現したガンモは、ジョンシクとミヌが自分を三清教育隊に送ったことを話す。謝罪してジョンヨンと結婚させると言うテソプに対し、ガンモはさらに自分が親友だったデスの息子であることを明かす。驚愕の事実を知らされ、テソプは後悔の涙を流すのだった。そして、財産の半分をガンモに譲ることに決め、遺言状を書き換える。ユ社長はジョンヨンに万宝建設の株急落には、漢江建設の介入があると教え、ミヌはジョンシクに社長のジェームズ・リーの正体を探らせる。テソプは刑務所のピリョンに面会、デスの息子が現れたと話し、ピリョンの所業をいさめる。怒ったピリョンは部下のジェチュンにテソプの殺害を指示し…。
テソプに呼び出されたガンモが待ち合わせ場所に向かうと、テソプは血を流して倒れていた。一命は取り留めるが、昏睡状態に陥ってしまう。その姿を見て妻のナムスクは遺言状を書き直すよう弁護士に迫る。ガンモは自分が生きていることが明るみに出たと知り、刑務所のピリョンのもとに乗り込んで「父親の仇を討つ」と言い渡す。その後、テソプの入院先でジョンヨンと鉢合わせ。シドクからガンモの父の死のいきさつを聞かされ、ショックを受けたジョンヨンはピリョンに真相を問いただす。ピリョンは「ガンモがテソプを襲ったのでは」と囁く。その頃、ミジュはデート中にミヌの母に偶然会い、平手打ちされ身分の違いを思い知らされる。
ピリョンの思惑通り、ガンモが復讐のために父を襲ったと思い込んだジョンヨンはガンモに報復を誓う。ガンモはあえて誤解を解こうとしない。出所したピリョンはミヌに、ジョンヨンとガンモの対立を利用して万宝建設を奪うように指示。ミヌの母はミジュの部屋を訪ね「息子と別れろ」と怒鳴り、髪の毛をつかみ引きずり倒す。それを知ったミヌは激怒し家を出て、ミジュにダイヤの指輪を贈って求愛する。ジョンヨンはガンモの妨害を開始し、手始めにガンモの建設代表協会加入を阻止。マンション建設計画が暗礁に乗り上げ、ガンモはソンモの力を借りて、オ・ビョンタク議員に接触しいったんは建設許可を得るが、再びピリョンが立ちはだかる。
テソプは意識を回復したものの、体の自由が利かずしゃべることも出来ない状態だった。妻のナムスクはそんな夫を入院先から連れ出し、誰にも知られない場所に隠し、遺言状を改ざんしようとしていた。ピリョンはミヌがミジュに心を奪われていると知って、怒りにまかせて叩きのめす。ミジュが傷だらけになったミヌを介抱するうち、二人は一夜を共にする。開浦地区のマンション建設許可が下り会社の創立式を開いたガンモに、ジョンヨンはすぐ近くに自分もマンションを建設し、漢江建設の客を全部奪うと宣言。間もなく万宝建設のマンション基礎工事が始まり、百済時代の遺物が出土する。文化財庁に届けるという担当者を制したミヌは…。
ミヌはガンモに出土品のことを伝え、ジョンヨンを潰そうと考える。ガンモは悩むがジョンヨンの差し金で銀行の融資が受けられなくなり、出土の事実を公表。万宝建設の建設工事が中断されたのと同時に、漢江建設のマンション分譲は順調に進む。一方、ジョンヨンは株主やマンション購入者たちから責められ四面楚歌の状況に陥る。ジョンヨンを心配したガンモは「ピリョンが裏で糸を引いてミヌが万宝建設を奪おうとしている」と忠告するが、相手にされない。ミジュを父に紹介し認められたつもりのミヌは、会社も恋も思い通りになり有頂天に。そんなミヌの隙をついて、ガンモとソンモは彼の秘密資金を巧妙な手口で奪取することに成功する。
テソプが移送先から何者かに連れ去られ、ナムスクもジョンヨンもそれぞれ行方を捜すが居所はわからない。テソプは新たな療養先でリハビリに励んでいた。秘密資金を引き出しに銀行に行ったミヌはガンモが資金を奪ったと知り、内部に裏切り者がいると疑う。裏切り者を見つけるためピリョンが仕掛けた罠でソンモは窮地に陥るが、チャンソンの働きで危機を脱する。ピリョンはミジュの妊娠に気づき、ミヌに内緒で交際相手を処理するようソンモに指示。ソンモはミヌの相手がミジュだと知って愕然とする。憤ったガンモはピリョンが父の仇であることをぶちまけ、ミジュは泣く泣くミヌに別れの手紙を書く。そして、中絶手術を受けようとするのだが…。
病院を抜け出したミジュは兄たちの前から姿を消す。ミヌは方々捜し回るがミジュの行方はわからず自暴自棄になる。その頃、テソプの名前でジョンヨンやピリョンに手紙が届き万宝建設の株主総会はいったん延期に。ピリョンはテソプの手紙を筆跡鑑定させるかたわら、万宝建設の工事再開を阻む。ジョンヨンはようやくピリョンが自分を邪魔していることに気づくのだった。テソプをかくまっていたガンモはつらいリハビリに耐えるテソプを励ます。株主総会の日、ジョンシクは念願の会長に任命されて意気揚々と就任の挨拶をする。ところが、そこにジョンヨンに支えられたテソプが現れ、ナムスクが遺言状を改ざんしたと告発。ナムスクはその場にくずおれる。
ミヌは父に対抗出来る力をつけてミジュを取り戻すと心に誓う。ジョンヨンは私文書偽造と詐欺容疑で収監されたナムスクを警察に訪ねて、父からの離婚届を突きつける。テソプはアメリカで治療を続けることになり、ガンモが自分を助けてくれた事実をジョンヨンに伝え渡米の前にガンモに会いたいと言う。ジョンヨンは自分が誤解していたことを悟り、これまでのガンモへの仕打ちを後悔し涙を流す。ミヌは万宝建設を奪うため着々と裏で動いていた。ガンモはそれを阻止しようとするが、不渡りが出てしまい防ぐことができなくなる。ガンモの助言で会長の座を潔くミヌに明け渡し、会社から追われたジョンヨンはユ社長の助けで金融業界に足を踏み入れる。
時代は1986年となり、土地開発に伴うマンション建設ラッシュは続き、ガンモはミヌの妨害を受けながらも徐々に力をつけていく。ジョンヨンは貸金業を営み、いつか合法的な金融会社を作るという新たな目標に燃える。行方をくらましていたミジュは念願かなって歌手デビューするが、それはミヌとの再会を呼び、二人の愛は新たな局面を迎える。政界では大統領の直接選挙を求める声に押されて改憲の動きが生まれ、ピリョンは警戒を強める。
万宝建設がミヌのものになって4年。1986年となり、ジョンヨンはユ社長のもとで市場の金貸しから始めて、金融業を一から学んでいた。ガンモはミヌと水西地区宅地開発事業説明会で顔を合わせ、「弱小の会社に出る幕はない」と言われる。予想通り、6つの宅地のうち開発が困難な地区だけがガンモら中小の建設会社に割り当てられ、ガンモの闘争心に火が点く。ジョンヨンは働きぶりが評価され、ペクパから起業資金を渡されて金融会社を設立。ミジュは代理として立ったクラブのステージでユ社長に認められて契約を結び、歌手としての第一歩を踏み出す。ガンモは他の会社と共同戦線を張り、岩山だらけの地区の開発に臨むが、ミヌに横やりを入れられ…。
挑発を受けて記者の面前でミヌを殴ったガンモは警察に連行されてしまう。その間、ミヌはガンモが融資を受けられないよう画策。留置場から出たガンモは経済的に追いつめられた上、下請け業者から工事継続を拒否されてしまう。雨の中、一人で岩山を掘るガンモの姿を見て、ジョンヨンは顧客から担保として預かった削岩機を思い出し漢江建設に送る。その後、万宝建設の骨材買い占めによって市場が高騰。ガンモは崩した岩山が骨材として使えることに気づき反撃に出る。ペクパはジョンヨンを試そうと、評判の悪い取り立て業者のチャ・ブチョルを差し向ける。その頃、ソンモはピリョンが管理する大統領の秘密資金の帳簿を秘かに作成していた。
ブチョルはジョンヨンを陥れるため、自分が開く賭場に出入りするジョンシクを通してミヌに接触を図る。ミヌはブチョルに、かつて資金を都合した中小建設会社社長たちへの取り立てを命じ、ブチョルはミヌの信頼を得てピリョンに顔を売る。ミジュはウジュと名付けた息子と、亡くなったホン会長の妻のもとで暮らしていたが、そのことをユ社長にも隠して歌手デビューのためにレッスンを積む日々を送る。アメリカから一文無しで戻ったテソプはピリョンを殺そうとするが失敗。やがて、フランスのガスボイラー会社・ボーテの買収を巡って、ガンモとミヌの新たな闘いが始まる。買収に参加するというブチョルに、ジョンヨンが投資を持ちかける。
ピリョンはガンモがペクパから融資を受けてボーテ・ボイラーを買収すると聞いて、ブチョルを使ってガンモとジョンヨンを同時に破滅に追い込もうと計画。ブチョルは自分の賭場に入り浸っているソテから漢江建設の入札価格を聞き出せるだろうと考える。ソテが金に困って会社の骨材を横流ししていることを知ったヨンチュルは、心配してガンモに相談する。ミジュはチャ・スジョンの芸名でデビュー。ソウル市副市長になったハン・ミョンソクの後押しで、ラジオで曲が紹介される。ソテはブチョルに拘束され、借金返済の代わりに入札価格を教えるように迫られる。万宝建設はソテが明かした価格に合わせて入札額を設定。ミヌは勝利を確信するが…。
ガンモに裏をかかれボーテ・ボイラーの買収に失敗し屈辱感を味わったミヌは、ボーテの技術と設計図を盗むよう指示。詐欺容疑で警察に連行されたブチョルは釈放後、ペクパに見捨てられピリョンに命乞いをする。ピリョンはブチョルからペクパの死期が近いことを聞き、ペクパの莫大な財産を奪って、大きな影響力を持つ地下経済の組織を牛耳ろうと計画。ペクパの傘下の闇金業者に次々と税務調査員を送り込む。私欲のために政財界を混乱させるピリョンを放っておけないと考えたオ・ビョンタクとミン・ホンギの両議員に、テソプが「切り札がある」と持ちかける。それは、テソプがソンモから存在を知らされた、大統領の秘密資金の帳簿のことだった。
突然の税務調査に右往左往するペクパの傘下の社長たちに、ジョンヨンは「税金をきちんと納めた上で合法的に貸金業をしよう」と提案するが、ノ・ガプスらは不満を示す。ガンモはボーテを買収したものの、事故が相次ぎ原因を探るが一向にわからない。やがて、ペクパが息を引き取り、彼の遺言が公開され、財産はすべて社会に還元されることに。ピリョンは悔しさを噛み締める。ユ社長は、ペクパが過去に貸し付けた元金を半月以内に全額返済するよう、ノ・ガプスらに申し渡す。憤る彼らに接近したブチョルは返済額の1割と引換えに、ユ社長に借用証を破棄させると言い、ジョンシクを使ってジョンヨンをおびき出し、拉致すると郊外の家に軟禁する。
ブチョルからの脅迫電話を受けて心配するユ社長に、ガンモは言うことをきかないように言う。ジョンシクはユ社長がジョンヨンの生母だと知らされ、自分と母が父から裏切られていたと感じてショックを受ける。ガンモはそんなジョンシクを連れ出して痛めつけ、ジョンヨンの行方を吐かせようとするが、何も成果は得られない。ミジュの行方を突き止めたソンモは、ミジュがミヌの子供を出産していたことを知って胸を痛める。ミヌはある日、母の入院先でウジュと出会い、不思議な親しみを覚える。ジョンヨンはブチョルに言われビデオメッセージを録画させられる。送られてきたビデオを見て、場所の見当をつけたガンモは目当ての喫茶店に向かう。
ガンモはブチョルの手下を襲ってジョンヨンの居所を吐かせるが、一足先に別の場所に連れ去られてしまう。娘の命には代えられないと、借用証と権利放棄の覚書に捺印するユ社長。それを持ってガンモは一人でジョンヨンが監禁されている倉庫へと乗り込む。ガンモに発信機を渡したソンモは、表向きは借用証を横取りしようとしているピリョンの命令を受けて、チャンソンやジェチュンとガンモの後を追う。ブチョルと一騎打ちになったガンモは完膚なきまでに叩きのめされ、あわやというところにソンモが現れ危機を脱する。やがて、ミジュがテレビの生放送のステージに初出演する日。ミジュがチャ・スジョンだと知ったミヌはテレビ局に駆けつける。
先輩歌手から嫌がらせを受け衣装を切られてしまったミジュだが、無事にステージを務め観客を熱狂させる。ソンモとガンモ、そしてミヌが感無量でミジュのステージを見つめていた。ミヌは楽屋を訪ねて切ない思いを訴えるが、ミジュは「嫌いになった」と突き放す。ガンモはミジュにマンションをプレゼントし、兄妹3人は4年ぶりの再会の喜びに浸る。ミヌはその後、自社のマンションのCMモデルにミジュを指名し、名前を明かさず契約を交わす。その頃、大統領の直接選挙を求める声が高まり、改憲に向けて与野党が動き出していた。改憲反対派の議員を抱き込むため、ミン・ホンギとテソプは秘密資金の帳簿の存在を明かし、賛成派が増え始めるが…。
CMのクライアントがミヌだと知ってミジュは契約破棄を申し出るが、違約金は3倍だと言われてしまう。ジョンヨンは投資者を募るため、ハン副市長を訪ねて「オリンピック成功祈願イベントを仕切らせてほしい」と頼み込む。ミヌは記者を集めて「独自に開発した韓国式のボイラーで勝負する」と発表。ガンモの方は打つ手がない。ユ社長がジョンヨンの生母だと知ったナムスクは、怒りにまかせて車を走らせ事故死してしまう。ピリョンは改憲の動きに神経を尖らせ、ミン・ホンギの動向を探る。情報部のオ室長の協力を得て、帳簿の存在が広まっていることを知ったピリョンはソンモに疑いの目を向ける。連行されたソンモの取り調べが始まる。
オリンピックを2年後に控えた1986年、政財界は改憲の動きに揺れていた。大統領の秘密資金帳簿の存在に脅かされるピリョンはソンモへの疑惑を深めていく。ガンモとミヌはボイラーの開発を巡ってさらに激しい攻防を繰り広げる。ミヌは、ミジュが自分を捨てた本当の理由を知ることになり、さらに、ミジュの息子ウジュの存在が明らかに。やがて、ガンモたち兄妹が遂にピリョンへの復讐を遂げる時が訪れようとしていた…。
情報部に連行されたソンモは嘘発見器にかけられるが動じない。ガンモはソンモの部下チャンソンと盗聴・尾行をかいくぐって連絡を取り合い、兄の安否を気遣う。ピリョンは取調室を訪れてソンモをねぎらうふりをしながら、帳簿を渡すように言い聞かせるが、ソンモはあくまでもシラを切る。しびれを切らしたピリョンはソンモを拷問にかけるよう命令。だが、ソンモは不屈の精神で拷問に耐える。ミジュは製靴ブランドとライセンス契約を結んで、その契約金をミヌへの違約金支払いにあてようとするが、支払い前は契約を遂行する義務があると言われ、CMのコンセプト会議に出席させられる。ガンモはその頃、テソプにソンモが兄であることを明かす。
ミジュの心変わりを受け入れられないミヌは、4年の間にミジュに何があったのかを調べさせる一方、酒に酔ってミジュの部屋を訪ね、すがりつくが「警察を呼ぶ」と言われてしまう。ミジュはミヌに返す違約金をピリョンに渡しに行き、自分に会いに来させないようにと告げる。ピリョンはミジュの言動に怒り「世の中の恐ろしさを思い知らせる」と言い放つ。その直後、ピリョンの電話の会話からソンモの窮状を知ったミジュはガンモを呼び出す。母の死で目が醒めたジョンシクはノ・ガプスを訪ね、ジョンヨンを潰すために彼の下で働きたいと頼む。取調室から一軒家に移送されて軟禁状態に置かれたソンモは、隙をついて見張りの銃を取り上げ…。
駆けつけたピリョンに銃を突きつけるソンモ。「犯人でないなら銃を渡せ」と言うピリョンに従ったソンモは自分の手の中に取っておいた銃弾を見せて、ピリョンを撃つ意志はなかったことを示す。ミジュがガンモと会っている写真を見せられたミヌは二人の関係を疑う。その後、ロイヤルクラブで遭遇したミヌとガンモはミジュを巡って殴り合いになり、ガンモとミジュの関係を問いただしたミヌは二人が兄妹であること、さらに自分の父が二人の父を殺したと聞かされ衝撃を受ける。ガンモはソンモを救出するために偽の情報を流す。ジョンヨンはガンモを助けるため、オリンピック支援イベントを改憲派議員結束の足固めの場に利用しようと動いていた。
オリンピック支援イベントの当日、ジョンヨンの招待を受けた与野党の議員が集まる。彼らの動きを怪しむピリョンの目を盗んで、大統領の秘密資金帳簿の一部を目にした議員たちは改憲に向けて手を結ぶことに合意。偽の情報が漏れたことでソンモの疑いは晴れようやく解放されるが、ピリョンだけはまだ疑っていた。万宝建設に買収されたボーテ・ボイラーの元工場長の裏切りで、漢江建設のボイラー開発は思うように進まない。元工場長は息子の治療費を払っていたのがガンモだったと知って、罪の意識を感じていた。その頃、ミジュは記者に息子ウジュの存在を嗅ぎ付けられ、さらにピリョンの圧力で次々に仕事がキャンセルされてしまう。
ウジュが自分の息子だと知ったミヌは記者に圧力をかけて記事を差し止める。そして、幼稚園に足を運びウジュと楽しく遊んで過ごす。足しげく幼稚園に通う息子を見たピリョンはウジュがミヌとミジュの子供であることを知る。第二の金融会社設立に向けて投資者を募っていたジョンヨンは、ガンモの紹介で光明建設の会長令嬢から投資を受けることになり喜ぶが、二人の親しそうな様子を見て複雑な思いを抱く。漢江建設ではボイラー開発を指揮していたヤン理事が実験中に大ヤケドを負ってしまう。その後、ガンモはようやくボイラー事故の原因を突き止める。元工場長はガンモに万宝建設が開発した新しいボイラーの技術を秘かに伝える。
ウジュのDNA検査をアメリカに依頼したミヌは、ガンモに事業協力を申し出て「ミジュのためならなんでもする」と言うが、ガンモはそれをはねつける。その頃、経営難の企業を整理し廃業させるという案が大統領から出て、ピリョンはそれを利用して漢江建設を潰そうと目論む。そんな父の姿を見て、ミヌは「ガンモの父を誰が殺したか知っている。これ以上罪を犯さないでほしい」と言うが相手にされない。ピリョンはウジュを拉致してアメリカに送り、自分の孫に相応しい教育を受けさせようと考え、DNA検査の結果を改ざん。ウジュが自分の息子ではないという嘘の報告を見てショックを受けたミヌは、ピリョンの思惑通りガンモの工場への放火を思い立つ。
ミヌが警備員として送り込んだ前科者による放火で工場が焼け落ちるが、不注意による失火と報道され打撃を受けるガンモ。続いて、経営難企業のリストに漢江建設の名前が載っていることを新聞記者の恩師から知らされ、漢江建設の株価が急落。同じ頃、民主化を訴える活動家の学生が情報部の拷問に遭い死亡してしまう。それを知ったソンモは隠蔽されようとしていたその死を暴くよう、テソプに働きかける。保険金の支払いをさせないようミヌが保険会社に手を回したことから、ガンモはさらなる窮地に陥るが、ボイラーに警報装置を付けることを思いつき開発を急ぐ。ピリョンはガンモに帳簿を渡すよう迫り、拒否されると彼を脱税の疑いで連行させる。
ジョンヨンはガンモを助けようと金策に走って、漢江建設の株を必死で買い支える。釈放されたガンモは、ジョンヨンの存在そのものが自分の支えだと感謝する。ミジュからガンモを助けてほしいと懇願されたハン副市長は、親しいオ・ビョンタク議員に漢江建設を経営難企業のリストから外すか、せめてリストの発表を延期してほしいと頼み込む。ピリョンはソンモの下に配属された新人女性ヨンスの報告で、チャンソンが学生運動家の拷問死のレポートを書いていたことを知って彼の過去を調べさせる。ジェチュンの調べで、チャンソンは、かつて米軍基地で働いていてピリョンの作戦のために命を落とした軍医の弟だったことが明るみになり…。
オ・ビョンタク議員の計らいで10日間の猶予ができ、開発にいそしんだガンモたちはボイラープレゼンの席上、警報装置の効能を見せて見事に万宝建設に勝つ。間もなく、ガンモは甥ウジュの存在を知ると同時に、ピリョンがウジュをミジュから奪おうとする現場に出くわし、辛くも阻止。危険を感じたミジュはホン会長夫人に託してウジュをイギリスに送ることに。ミジュはオ議員にピリョンが自分の父を殺したことを告発する。ジョンヨンの助けで漢江建設の株価が急上昇し、組織の金を使い大損害を出したノ・ガプスは組織から追放される。光明建設会長から娘との結婚を打診されたガンモはきっぱり断り、ジョンヨンに「一生独身でいてくれ」と頼む。
ピリョンは、漢江建設を経営難企業から外したオ・ビョンタク議員を責め、逆にやり込められたため殺意を抱き、チャンソン共々自動車事故に見せかけ殺害してしまう。チャンソンの死を嘆くソンモは、死の直前のチャンソンの電話からピリョンが手を下したと確信し、ガンモの協力で彼の犯行を告発する記事を新聞に流す。ピリョンは情報部に連行され、ソンモが取り調べを担当。同時に、事件の背景を調べたソンモは、ピリョンが情報部の担当者に指示し、部下のヨンスを使って自分たちの行動を逐一報告させていたことを悟る。釈放されたピリョンはテソプを連行させる。さらにピリョンは、ジョンシクから渡された写真を見て、テソプとソンモの接触を知り…。
テソプを取り調べるソンモを別室で見ていたピリョンは、過去のことを思い出していた。そして、改めてソンモの背景を調べさせ、ソンモが自分がかつて殺したイ・デスの息子で、ガンモとミジュの兄だったことを知る。ピリョンの指示を受けたオ室長はソンモを拘束し、帳簿のありかを聞き出そうとする。二人の会話を隣の部屋で聞いていたヨンスは、自分の行動でチャンソンやオ議員が死んだと知ってショックを受け辞表を書く。一方、ガンモはジェチュンに拉致され、ピリョンと対峙する。「殺人の証拠は何もない」とうそぶくピリョンをソテが物陰からビデオカメラで撮影していた。ピリョンは警察に捕まり、ガンモは証拠のテープを提出しようとするが…。
負傷したジェチュンから証拠のテープの回収を頼まれたミヌは、隠し場所に赴きテープを燃やそうとするが、待っていたソンモに奪われる。テープを手にしたソンモは駆けつけたジェチュンと撃ち合いになるが、なんとか逃げおおせる。防弾チョッキを着けていて難を逃れたと思ったのも束の間、頭を撃たれていたソンモはそのまま意識を失ってしまう。結局、ピリョンは証拠不十分で釈放される。1987年、民主化宣言が出され、大統領の直接選挙制が決定するが、ソンモは行方不明のままだった。1992年になり、テソプはピリョンに大差をつけて国会議員に当選。その頃、ソンモは銃創により正気を失い、ヨンスの介抱を受けて地方に隠れ住んでいた。
ピリョンが首相に任命されることが内定。その前に開かれる人事聴聞会に秘密資金の帳簿と殺人の証拠を提出し、首相任命を阻止しようするガンモは、ソンモの行方を必死で追う。ソンモの存在が邪魔になるピリョンも血眼になって彼の行方を捜していた。港町・束草にいるという情報を得るがソンモは見つからない。秘かにミジュの出演映画に投資していたミヌは、父への政治献金で資金繰りが苦しくなり、建設中の大型ショッピング施設・万宝プラザの柱を細くして工事費を削減させる。ミン・ホンギ議員が議長を務める聴聞会が始まり、テソプが見守る中、ガンモが証人として出廷。その頃、束草で事業家となっていたジョンシクがソンモを見つける。
ガンモやテソプがピリョンの悪行を次々に暴き聴聞会は紛糾、会期が延長される。ジョンシクはソンモを拉致し、彼を取引に使うことを考えていた。ジョンヨンの助けでジョンシクの動きを察知したガンモは、ジョンシクを襲ってソンモを救い出す。ソンモが持っていた帳簿とテープによって、遂にピリョンの犯罪が立証される。同じ日、万宝プラザが華々しくオープンするが、主演映画の試写会のためにやってきたミジュはビルの異変に気づく。直後に万宝プラザは跡形もなく崩壊。大惨事となった事故現場で、ミヌは閉じ込められたミジュを助けに瓦礫の中へ向かう。追いつめられたピリョンはジェチュンとともに逃走。それでもピリョンはガンモを殺そうと…。
ジャイアント