15世紀の朝鮮王朝。町のならず者ホン・ギルドンは、父を父と呼ぶことすら許されない奴卑の生活に嫌気が差し、清へ行くことを決意する。清から帰国した薬商人イノクと出会い、言葉を習うために行動を共にし始める。だが、イノクが鳳凰のかんざしを拾ったことで、2人は官軍に追われる羽目に。無事、麻谷寺に逃げ込んだ2人の間には、妙な連帯感が生まれる。一方、かんざしの落とし主チャンフィは、こっそりイノクを尾行するが、イノクはチャンフィが自分に気があると勘違いして…。
時は朝鮮時代。王クァンフィの暴政の下、庶民は貧困と厳格な身分制度に苦しんでいた。町のならず者ホン・ギルドンもまた、両班の父を持ちながら本妻の子どもでないために奴卑として暮らしていた。ある日、ギルドンは、自由な生活を求めて清へ渡ることを決意。町で見掛けた薬商人ホ・イノクから強引に言葉を習おうとする。一方、イノクは、清から同じ船で帰国したなぞめいた青年チャンフィと町で再会するも、冷たくあしらわれてしまう。
イノクは、偶然拾ったチャンフィの鳳凰のかんざしを身に着けていたために、ギルドンと共に官軍に追われる羽目に。チャンフィの助けで2人は何とか城外へ逃れ、麻谷寺に身を隠す。その晩、ギルドンは寺の近くで瀕死状態の盗賊団の党首を発見。党首はギルドンに夜明棒を託し、仲間を救うよう頼んで息を引き取る。翌日、チャンフィはかんざしを取り戻すためにイノクを尾行するが、イノクは自分が好意を持たれていると勘違いする。
清行きをあきらめて盗賊団を救いに行ったギルドン。官軍に囲まれた盗賊団はギルドンの奇策で何とか逃れる。一方、ヨンムン商団のノ客主は、チャンフィの王位奪還を計画。チャンフィは手下と共に爆薬を城内に運び込もうとするが失敗し、官軍の注意を引くため自らおとりとなって逃走。それを見ていたギルドンは、商団が武器を大量に隠し持っていることを突き止める。追っ手をまきたいチャンフィは、町でイノクと行動を共にすることに。
川で溺れたイノクは、ギルドンに人工呼吸されて恥ずかしがる。科挙に使う裏金を工面したいイニョンは、母の悪知恵で、泥棒トゥクチェを雇って自宅から金を盗ませ、その罪をギルドンに着せることに。ギルドンが清行きを翌日に控えた晩、トゥクチェはホン判書宅に押し入るが、四寅剣を奪いに来たヨンムン商団の襲撃に遭う。義母から呼び出されたギルドンは、庭で自分の服を着て死んでいるトゥクチェを発見。そこに官軍がやって来る。
ギルドンは、窃盗と殺人のぬれ衣を着せられて追われる身に。ホン判書の家で深い傷を負ったチャンフィは、イノクの必死の介抱で命拾い。一方、真犯人を探すギルドンは、娼館でばったりウネに会う。そこへイニョンが現れ、あわてて隠れる2人。ギルドンは、事件を仕組んだのがイニョンだったことを知り、自分の無実を証明するよう頼む。しかし、イニョンは逃げ去ってしまう。四寅剣を奪われたホン判書は、犯人はギルドンでないと察知。
自力でトゥクチェ殺しの真犯人がチャンフィだと突き止めたギルドン。スングら盗賊団と協力してヨンムン商団を討つことに。イノクは、ギルドンの疑いを晴らそうと必死。ノ客主に抹殺されかけるが、危機一髪をチャンフィに救われる。そのチャンフィは、科挙の試験日に王宮を爆撃して王座を奪う計画を進めていた。だが決行日、ギルドンが爆薬を強奪。ヨンムン商団を爆破するつもりだったギルドンは、宮殿内で騒ぎを起こしてしまう。
宮殿の爆破事件で科挙は中止に。ホン判書は受験者を調査するが、ノ客主から爆破の犯人もギルドンだと告げられる。一方、ヨンムン商団の謀反を知ったギルドンは、父に知らせようとするが、父が自分を陥れようとしていた事実を知ってショック。すべてを捨ててイノクと共に清へ行こうとする。だが、ホン判書は、ギルドンをおびきだすべく無実の役夫を処刑。犠牲者を見殺しにできないギルドンは、チャンフィと取引し、四寅剣を受け取る。
ギルドンは、四寅剣と引き替えに処刑をやめるようホン判書に懇願。官軍の矢を胸に受けて海に転落したギルドン。人々はギルドンの死と英雄伝を語るようになる。スングらに助けられたギルドンは、依然処刑が続くことに激怒。盗賊団を率い、官僚たちをこらしめ始める。ある晩、左議政の家に押し入ったギルドンは、ウネに生存を知られてしまう。また、イノクが自分を探し回っていると知り、和尚に、イノクに自分の死を伝えるよう頼む。
ヨンムン商団で働くイノクは、チャンフィからコブラをもらって大喜び。ヨンムン商団は、反乱に必要な爆薬を調達するため、悪徳高利貸しチョルチュと取引。代わりに倉庫と船を貸し出すことに。四寅剣を入手した王は、チャンフィへの憎悪を募らせていた。ある日、ギルドンは、スグンの妹によく似た少女がチョルチュの取り立てに苦しむのを目撃。また、ある少女の遺体に付いていた鈴がチョルチュのものと知り、チョルチュを調べ始める。
ヨンムン商団の倉庫で監禁されている少女たちを見つけたイノク。果敢にチョルチュに立ち向かうがかなわず、チャンフィの協力も得られない。少女のために1人奔走するイノク。何もできないチャンフィは自分を責める。その姿を見たノ客主は、イノクを清に連れ去るよう手配。一方、ギルドンは、人参商人に成り済ましてチョルチュに接近。高額な利子を付けて人参を売りつけ、少女たちの両親と共にあの手この手で船の出航を遅らせていた。
イノクはチョルチュに追われ、あわやのところをギルドンに救われる。だがギルドンは正体を隠し通してイノクの元を去る。村で1人の少女の葬列を見たチャンフィは、ますます苦悩。人参の利子がふくらんだチョルチュは、ギルドンを不信に思い、船に呼び出す。ギルドンはピンチに陥るが、たまたま居合わせたチャンフィの機転で事なきを得る。ついに川が凍結。あせったチョルチュは氷を割るために爆薬を使用。官軍が港へ駆け付ける。
ギルドンとチャンフィの協力で少女たちは無事解放。イニョンに刀を向けられたギルドンはウネに助けられる。チャンフィはイノクと仲直りし、特別に自分の名前を明かす。その晩、イノクはスングを訪ね、いまだにギルドンを忘れられないと打ち明ける。そのイノクをただ切なく見守るギルドン。ギルドンに思いを寄せるウネは、父からイニョンとの婚礼を急ぐと告げられて複雑。また、ホ老人は、ホン判書がイノクの実母を殺したと確信する。
ギルドンとイノクはついに再会。だがギルドンは、泣いて喜ぶイノクを抱きしめてやることができない。ギルドンが義賊だと知ったイノクは、なぜ秘密にされていたのかが気掛かり。落ち込むイノクをチャンフィが優しく励ます。満月の晩、ウネはうきうきしながらギルドンに会いに行くが、彼が現れず傷つく。ギルドンから別れを告げられたイノクは、納得がいかず根城を訪ねることに。そのころ、ヨンシとコムがホン判書に捕まってしまう。
ホン判書は、活貧党はただの盗賊だと発表。怒ったギルドンは、チャンフィに協力を求め、代わりに王から四寅剣を盗むと約束。ギルドンを捕らえたいホン判書は、ヨンシとコムを処刑場へ。活貧党を慕う民衆が大勢集まり、周囲は暴動寸前。そこへギルドンが登場、2人の身代わりとなる。ホン判書は自らギルドンを尋問するが、ギルドンは何も語らず王への謁見を要求。活貧党ではマルニョが負傷。急きょ、イノクが王の密室へ向かう。
ギルドンは、王の密室でイノクを見て驚く。イノクは、王とギルドンが話しているすきに四寅剣を発見。2人は命懸けで王宮を脱出する。途中、ギルドンはイノクの無茶ぶりを激怒するが、妓生姿をほめられたイノクはただ舞い上がる。チャンフィは、正面きって王に宣戦布告。自分が王子と知って戸惑うイノクには、普段通り接するよう頼む。後日、ギルドンとチャンフィは共に行動することを約束。王は、イニョンにギルドン逮捕を命じる。
ある日、清の使臣団が王宮に到着。アヘン中毒者が急増した理由を探っていたギルドンは、活貧党に合流したイノクと共に密売人に接触。アヘン窟の所在を突き止めていくうち、密輸の黒幕が使臣団だと発覚する。ギルドンはチャンフィに相談し、使臣団の接待を担当するヨンムン商団もギルドンに協力することに。使臣団の倉庫に潜入したギルドンは、巨人との激闘の末、証拠のアヘンを奪取。そのまま使臣団と官僚の集まる宴会場に乗り込む。
ノ客主が放たせた毒矢は、ギルドンでなくチャンフィに命中。ギルドンたちはあわてて宴会場から撤収する。ホン判書は、イノクが活貧党の仲間と知り、ヨンムン商団を調査。官軍の監視下に置かれたノ客主は、チャンフィに解毒剤を渡せずあせる。チャンフィの容態は悪化。困ったギルドンは、ウネを使ってノ客主から解毒剤を入手。ノ客主にチャンフィを信頼するよう警告。町では活貧党と王子への期待が高まり、貴族は王子を警戒し始める。
女の幽霊による貴族の連続殺人が発生。活貧党に疑いがかかるが、ある晩、間違って幽霊に襲われたギルドンは、クッパ屋のおばさんたちが真犯人と知って驚く。ギルドンとイノクは、復讐のための殺人をやめるよう説得を始める。チャンフィは、大妃の死因再調査を上訴したリュ大監と対面。王位奪還に向けて儒生の擁護を約束される。ある晩、おばさんたちはギルドンを振り切って最後の復讐に向かうが、イニョン率いる官軍の奇襲に遭う。
ギルドンとイノクは互いの思いを確認し合い、幸せいっぱい。活貧党もさらに勢力を拡大する。チャンフィは、イノクがリュ大監の孫娘だと確信するが、イノクに事実を告げられずにいた。リュ元兵曹判書の娘が生きていることに危機を覚えたホン判書は、イノクを生け捕りにしようとする。官軍に囲まれたイノクを、ホ老人が命に代えて救出。祖父を失って悲しむイノク。チャンフィはついに、ホン判書がイノクの本当の家族を殺したと明かす。
イノクは、怒りのままホン判書を斬りつけ、父をかばうギルドンの胸に剣を刺す。チャンフィは、ショックで倒れたイノクをヨンムン商団へ連れ帰る。1人涙するギルドン。イノクはリュ・イノクとして生きることを決意。活貧党を憎む王は、馬春山の焼き討ちを命令。ギルドンは村人と共に王に真っ向勝負を挑む。だが王宮には、四寅剣の事実究明を求める上訴が殺到。ホン判書は、事態を収拾するために自分を処刑するよう王に進言する。
必死にイノクを忘れようとするギルドン。一方、チャンフィは、母の形見をイノクに贈る。ある日、王が新年に魔よけの祭祀を開くと発表。チャンフィと活貧党は祭祀場で蜂起することに。準備を進めるギルドンは、1人の鍛冶から、刻印の入った四寅剣はリュ判書と大妃が作った偽物だと聞く。真実を知ったノ客主はショック。同じころ、王も四寅剣の真実を知ってしまう。祭祀の日を迎え、ギルドンらは官僚や芸人に扮装して王宮へ潜入する。
ギルドンは王の暴挙を阻止。そこへチャンフィの軍が押し寄せ、王と官僚、イニョンを捕らえる。ついにチャンフィが新しい王となる。だが、ギルドンを要職に就けたいチャンフィは、官僚任命をめぐってリュ大監と対立。さらに、廃王から四寅剣の真実を聞かされ、大きな虚無感に襲われる。王宮入りしたイノクは、改めてギルドンに別れを告げ、ギルドンもイノクの意思を尊重。一方、ギルドンに振られたウネは、愛情を復讐心に変える。
四寅剣の名分を失ったチャンフィは、即位後、官僚任命をリュ大監に一任。イノクは、傷ついたチャンフィのために王妃になることを決心。ギルドンもチャンフィを援護する。だが、左議政が官職に返り咲き、ギルドンは激怒。チャンフィの申し出を受けて自ら兵曹判書に就く。容赦なく不正を正していくギルドンに貴族は反発。町では、ギルドンが王になる物語が流行。見かねたリュ大監は、ギルドンを討つようチャンフィに圧力をかける。
チャンフィとギルドンはついに決裂。チャンフィは活貧党への攻撃を開始。戦を止めたいイノクは根城へ急ぐ。イノクが戦場に来たため、チャンフィは、ギルドンに降伏を呼び掛ける。だがギルドンは、最後まで戦うことを選ぶ。イノクもまた、ギルドンの元に留まると決意。根城は完全包囲され、活貧党はけが人が続出。そんな中、ギルドンとイノクは夫婦となり、つかの間の幸せをかみしめる。だがやがて、官軍との最後の決戦が始まる。
快刀ホン・ギルドン