5年前、交通事故で人を殺めてしまったチェジュンは、自分は幸せになってはいけないと信じて生きてきた。そんななか、航空会社に就職したチェジュンは整備課長のジニョンと出会い、互いに心に傷を持つものとして心を通わせるうちに愛し合うように。ところがジニョンこそ、かつて自分が殺した男の妻だったことが発覚する。ジニョンを傷つけまいと真実を知らせぬまま別れを選ぶチェジュンだが、あるきっかけでジニョンもその事実を知ってしまう。一度は憎みあいながら生きようと宣言するジニョンだが、チェジュンへの想いを断つことができず……。
2002年冬。露天商のチェジュンは恋人ミニの父が抱える借金返済のため、昼間は露天、夜は孤児院時代の友人チョンホの店で運転代行をしながら必死にお金を稼いでいた。一方、結婚を1週間後に控えていた整備士のジニョンは、婚約者ジェフンの親友ヒョンチョルが、自分を愛していると知り、戸惑いながらもまた友だちから始めようと約束する。
大晦日、居眠り運転をしたチェジュンがジニョンに会いに行く途中のジェフンを轢いてしまう。ジニョンの婚約者ジェフンが事故で亡くなった。葬儀を済ませ、ジェフンの両親と一緒に暮らすようになったジニョンは、ひたすら仕事に打ち込む。
このままでは、自分の気持ちを抑えられないと気づいたヒョンチョルは、両親の住む米国へ帰国。一方、服役後も日々罪の重さに眠れない日々を送るチェジュンは自分が殺した男の妻から「夫の命を奪ったあなたを、心底恨みます」という手紙を受け取る。それから5年の月日が経ち……。
ヒョンチョルが5年ぶりに帰国して現場に復帰した。違法な駐車代行業をするチェジュンに声をかけられたジニョンは、「合法的に稼ぎなさい」と意見する。
客室乗務員となったミニのために整備士試験を受けたチェジュンは見事合格するが、講義で再会したジニョンに合格を取り消すと言われ、最後のチャンスなんだと懇願。自分が彼に言った言葉を思い出したジニョンは猶予期間を与え、それに応えようとチェジュンは必死で働くのだった。
ジェフンの命日。遺骨をまいた海を訪れたジニョンは、偶然チェジュンと遭遇。辛そうに酒を飲むジニョンを笑わせて励ますチェジュンは、彼女が夫を失ったと知ると、自分の心の傷も打ち明けて互いに慰め合う。チェジュンの部屋で彼の帰りを待っていたミニは、過去を忘れられないチェジュンに、愛だけでは幸せになれないと別れを告げた。一方、ヒョンチョルはジニョンに友だちをやめて男と女の関係になりたいと告白し、彼女を怒らせる。
前歴者が怖くないのかと聞くチェジュンに「君はいい人。君を信じてる私を信じろ」と言われ、チェジュンは救われたような気分になる。一方、ミニはヒョンチョルに「他に好きな人がいても待つ」と告白。真っ直ぐなミニに自分を重ねるヒョンチョルは、冷たくできず複雑な気分になる。
ケガをしたチェジュンに薬を届けにきたジニョンは「お前は殺人者」というチョンホの言葉を思い出して涙する姿を見てしまう。一緒にラーメンを食べ、互いに孤児であると知り2人はさらに心を通わせるように。翌日、母の勧める見合いに行ったジニョンのもとへヒョンチョルが現れた。渋々デートをしたジニョンだが、「愛せない」ときっぱり拒絶する。
焦ったヒョンチョルは無理やりキスをする。その頃、チェジュンはジニョンへの恋心をミニに告げていた。
身分違いの恋に苦しむチェジュンだが、ヒョンチョルはジニョンがチェジュンにだけ笑顔を見せることに嫉妬していた。一方、チェジュンのためにと被害者の住所を調べていた食堂のボクチャおばさんは、驚愕の事実に気づいてしまう。
突然チェジュンに愛を告白されたジニョンは「夫がいる」と拒むものの自分の心に気づき戸惑いを隠せない。酒を飲み、涙ながらに心の内を語るジニョンに父オジュンは、「ジェフンを忘れよう」と告げるのだった。
チェジュンと付き合うことにしたジニョンは、ヒョンチョルを呼び出して報告。チェジュンもミニにその事実を告げる。
ヒョンチョルは似合わないと猛反対するが、ジニョンの心は頑なだった。チェジュンは携帯ストラップを、ジニョンは自分が使っていた工具をプレゼント。2人は幸せを実感するようになっていく。ところがその頃、ミニからチェジュンの前歴が死亡事故だと聞いたヒョンチョルは、彼が親友ジェフンの命を奪った男だったことを思い出す。
ジニョンから恋人ができたと知らされた母スクチャは、自分の誕生日に恋人を連れてくるように提案。ところがチェジュンの顔を見た瞬間、スクチャは気を失ってしまう。事態の収拾を図るヒョンチョルは、自分が悪者になってもジニョンには内密にしようと、母を案じるジニョンにウソをつき、チェジュンにはすぐ別れるように命じる。
チェジュンは辞表を提出、ジニョンとの恋愛はすべてミニを取り戻すためのウソだったと言い放つ。娘を奪わないでというオジュンらの言葉に、立ちつくしながら涙を流したチェジュン。彼はチョンホの店のリングで戦う格闘技選手となり、自分の身体を痛めつけていく。一方、ジニョンはチェジュンの部屋で、かつて自分が書いた手紙を見つけてしまう。
"夫を殺した男"を愛した事実を忘れるために必死で働くが、職場はチェジュンとの思い出が溢れており、一層苦しむのだった。ジニョンは、ケリをつけるためにチェジュンの職場へ向かい……。リングで戦うチェジュンは、ジニョンに「私の前で死ねばいい」と言われ、一切の防御をやめたため、さんざん殴られてKOされた。無理を続けるチェジュンを心配するボクチャおばさんは籍を入れて親子になろうと提案する。
一方、オジュンはチェジュンを呼び出し、ずっと昔に許していること、幸せも願うが、ジニョンだけは手離してほしいことを告げる。チェジュンは、許されたとこに感謝しつつもジニョンに会いたいと泣き続けるのだった。
ジニョンはチェジュンと会い、「君を愛した自分を憎んで生きる」と言って去った。そして、友情でしかないと言いながらもヒョンチョルの提案を受け入れたため、ヒョンチョルはオジュンらと婚約式の準備を開始する。
ボクチャはジニョンを店に招き、チェジュンと暮らすことを伝えた。夫や祖母、大切なものをチェジュンに奪われ続けていると感じたジニョンは、たまたま現れたチェジュンに再び憎しみの言葉を投げかけてしまう。
発熱して寝込んでいたジニョンが出社すると、自分の婚約式が週末にあると知らされる。周りの性急さに息が詰まりそうなジニョンの足は自然とボクチャの食堂へ。チェジュンの姿を見ると自然と笑みが甦るジニョン。彼女の姿に気づいたチェジュンが後を追うと、彼女もまたチェジュンのもとへと向かっていた。「ずっと前から許していた」と言うジニョンに、「出会った瞬間から今までありがとう」と告げ、2人はようやく笑顔で別れるのだが、ジニョンは婚約式に現れなかった。ミニはチェジュンの行き先が勺薬島と知り、ヒョンチョルとともに後を追う。チェジュンは冷静になれと追い返そうとするが、ジニョンは「すべてを捨てて来た」と帰ろうとしない。「自分が許せない」と言ってチェジュンは去る。
一度は去ったチェジュンだが、心は偽れないと再びジニョンの元へ、そして2人は結ばれる。翌朝、到着したヒョンチョルらとソウルに戻るが、2人の関係を認める人は誰もいなかった。チェジュンを選ぶなら、親子の縁を切ると言われたジニョンは家を出た。
ある日、オジュンの店を訪れたあと、空港にジニョンを迎えに向かったチェジュンにチョンホがタイマン勝負を求めてきた。絡まれてもみ合ううちに、気を失ったチェジュンは、担ぎ込まれた病院で脳内出血が発覚。手術が必要だと言われる。
手術をしても記憶障害が治る保証がないと言われたチェジュンは手術を拒んでいた。自責の念に駆られるチョンホから容態を聞いたミニは、周囲が止めるのも聞かずジニョンに病状を教えてしまう。そんななか、ジニョンを「ソ課長」と呼んだり、ミニを恋人と思ったりと、チェジュンの記憶障害は確実に進行を続けていた。
愛に狂う