第14回:料理人の知恵の結晶~鱧料理~
京都の夏と言えば祇園祭。このころに旬を迎えるのが鱧。
料理になると上品な魚ですが、その姿は歯が鋭く性格は獰猛です。
京都では古くからこの鱧が珍重されてきました。
その理由が生命力の強さ。生きたまま海から京都まで運べる魚が鱧だったのです。
この鱧の特徴が細かな骨の多さ。この鱧の骨を包丁で細かく切るという技が「骨切り」。
京都で編み出された骨切りのアイデアが、扱いにくい鱧を雅な京料理へと仕立て上げました。
料理人の知恵の結晶こそが鱧料理なのです。
料理人の食への探究心と執念が生み出した鱧料理。
その技は時代を越えて、これからも受け継がれていくことでしょう。
丸弥太
住 所:京都市中京区錦小路麸屋町東入
堺萬
住 所:京都市中京区二条通室町西入