第20回:"いけず"に隠された古都で生きる知恵
たくさんの女性から好きだと言われる京都。一年を通して観光客の足が途絶えることのない京都。そんな嬉しいデータがある中、京都人はちょっと…と思われているのも事実。今回はゲストに京都人代表として市田ひろみさんを招き、そのあたりを探っていくお話です。
京都人をあらわすのによく上がるのが「お茶漬け」のお話。市田さんいわく、これは「貸し借りナシのお愛想」京都人の挨拶のようなものだとおっしゃいました。
客人が帰ろうとするする瞬間に、まだ帰らないで欲しいという意味の建前で
「まだ、よろしおすやんか。どうどす?お茶漬けでも?」
と引き止める。客人はこれを当たり前のように建前だと理解して、
「いやいや、お気遣いなく、また今度いただきます。」と帰る。
この間合いから生まれるお愛想がどうも関東の人にはわからないらしく、誤解を招いてしまうようです。
いけずはイジワルでもイジメでもありません。1200年も続く都で暮らしていくのに必要な知恵だったのです。角を立てずにやんわりと。それは京都に限らず、人間関係を円滑にするコツではないでしょうか?