第43回：京の仕出し文化～自転車とともに50年～
荷台にたくさんの食べ物を積み街をゆく配達の自転車。
京都の町には、古くから商いを営む家が多く、忙しい商家の奥さんに替わって食材やできあいのおかずなどを届ける、独特の仕出し文化が発展してきました。
錦市場の賑わいを背に、北へ数十メートルのところ。
思わず見落としてしまいそうな路地の奥に京料理、仕出し「山じゅう」があります。
ご主人、山岸賢治さんはこの道５０年。弟の和夫さんと２人で同じ厨房に立ち続けています。
出来上がった料理やお惣菜をカジキによく詰めて、自転車でお得意さんのもとへ出発です！
昔から変わらぬこのスタイル。
40軒くらいのどの家も馴染みのお得意先でもう４代にわたる家庭もあるとか。
料理の仕方を教えたり、お子さんの近況をうかがったり、一軒一軒言葉を交わしながら、急がず焦らずゆっくりと自転車は進みます。
時代と共に町並みは変わっていきますが、決まった時間にいつもの笑顔でやってくる山岸さんの姿は、この街に暮らす人々になくてはならないものになっています。
山じゅう
住 所：京都市中京区富小路通錦上る
連絡先：tel.075-231-4029
