第68回:夏の風物詩~鴨川納涼床の裏舞台~
鴨川の西に流れる「みそそぎ川」の上に張り出した床の上で涼をとりながら、各店自慢の味を楽しむのが醍醐味の納涼床。蒸し暑い京都の夏を快適に過ごすため、先人たちが生み出した知恵でもあります。
時代とともに幾多の変化を重ねてきた納涼床ですが、本来の楽しみ方を守るため、様々なルールが設けられています。
5月1日から9月30日まで開くことが許される床。設営工事が行えるのは4月15日から。
床の上では、明るさは新聞が読める程度にすること、看板や広告を出してはいけない、歌舞音曲の禁止など、床の材質や色目にも制限があります。
このような厳しいルールの上、昔ながらの景観を守っています。
そんな中、新しい床のスタイルも増えてきています。
スターバックスコーヒーでは、床の上でコーヒーを楽しむことができます。
また、仙鶴では、掘りごたつ式の床が採用されました。
京都ならではの美を体感することが出来る、鴨川の納涼床。
しかし、時代と共に変わり行くライフスタイルに合わせて床も様々な形へと変化しているのです。