第79回:老舗料亭に受け継がれる伝統の味
400年変わらぬ佇まいで老舗料亭としてお客様を迎える瓢亭。
表の通りは近くの南禅寺への参道と東海道の裏街道で一軒の腰掛茶屋が始まりといわれています。
1864年刊行の「花洛名勝図会」、今で言う京都のガイドブックにもその名は記され、一歩玄関をくぐれば、そこは別世界のように和の風景が広がります。
多くの文人墨客が愛したことで有名な瓢亭の料理。
中でも有名なのが、瓢亭玉子と朝がゆです。
茶店時代にお客さんに所望され、飼っていた鶏の玉子を半熟にして出した、瓢亭玉子。
そして、明治はじめごろにお得意の旦那衆に早朝叩き起こされ、何か食べさせて欲しいという希望に答えた朝がゆ。
どちらもお客の要望から生まれた料理は、シンプルさの中に食の旨味が詰まった、長年受け継がれる瓢亭の名物料理です。
名物料理だけでなく、懐石料理を得意とする瓢亭。
厨房では14代目の髙橋英一さんと15代目の髙橋義弘さん親子、そして15名からなる料理人たちと一緒に
長年変わらず瓢亭らしい伝統の味を守りつづけています。
そこには、目に見えない信頼と絆、そして大きな責任を背負った料理人の想いがありました。
瓢亭
住 所:京都市左京区南禅寺草川町
連絡先:tel.075-771-4116