第102回:日本人の感性が産み出した檜皮葺
京都にある歴史的建造物に一際目立つ優美な屋根。
日本独自の技術で作られる檜皮葺です。
檜皮葺とはヒノキの樹皮で建物の屋根を葺くことをいいます。
世界文化遺産登録の上賀茂神社では檜皮屋根の葺き替え工事が行われています。
「葺師」と呼ばれる職人たちの熟練の技術によって優美な檜皮屋根の造形をつくりあげていくのです。
檜皮葺の材料となる檜皮は、独特の方法で採取されます。
専用の木のへらでロープを巧みに使って徐々に木を登りながら樹皮を剥いていきます。
こうしてはがされた皮は、10年ほど経つと再生し
2度目からはさらに質のよい皮が採れるといいます。
この檜皮を加工し屋根に使うのです。
上賀茂神社では減少するヒノキを守り育てようと2010年から
市民に応援を求めてヒノキの里親募集を行い境内で育てることにしました。
植えられたヒノキは100年後の未来、はれて神社の屋根にのぼるといいます。
日本独自の文化「檜皮葺」。その美しさの裏側には自然と共に寄りそってきた日本人の心が息づいています。
上賀茂神社
住 所:京都市北区上賀茂本山339
連絡先:tel.075-781-0011