血のにじむ様な努力の末、今シーズン、関西学生リーグ1部に復帰を果たした同志社大学アメリカンフットボール部。
３年前、部員４人による暴行事件が起こり、チームはリーグ戦を辞退しました。
一時、クラブの存続すら危ぶまれていましたが、翌年、２部から再出発を果たし、去年、１部へ昇格を決めました。
去年、圧倒的な強さを誇った同志社大学は、関西学生リーグの２部を無敗で優勝しました。
そして１２月、１部と２部の入れ替え戦で、大阪大学と戦いました。
同志社は、これまでの鬱憤を晴らすかの様に大阪大学を大差で退け、１部昇格を決めました。
最後までチームを鼓舞し続けたＱＢの佐々木キャプテンの言葉です。

【最後の挨拶】同志社大学　ＱＢ　１５　佐々木康成 主将（当時４年）
「このチームは間違いなく２部にいるチームではない。
これまでたくさんの事を乗り越えて、ここまで来ました。
来年は本当の日本一を取りにいきます。１年間、ご声援ありがとうございました」

絶対的エースだった司令塔、佐々木選手の不在を埋めなければならない。
新チームで大きな課題に向き合っているのが、３年のＱＢ 原田選手です。

【声】同志社大学　ＱＢ　１７　原田裕次郎 選手（３年・同志社国際高校出身）
「同志社のどこが変わったかといえば、みんなＱＢが代わったと。
そこが穴というか一番（戦力が）落ちるのではと思われている。
そこは自分も自覚している」

去年の主力選手の多くが新チームに残りました。
自分が成長すれば、去年の同志社よりも強くなれると原田選手は考えます。

【声】同志社大学　ＱＢ　１７　原田裕次郎 選手（３年・同志社国際高校出身）
「周りの評判はあまり気にせず、自分がやるべき事をやる。
自分が一番成長しないといけないという思いでやっています」

チームを率いるのは、１年の頃から誰よりも声を出してきたと、みんなが認める竹島選手です。
４年生・全員で決めたキャプテンです。

【声】同志社大学　ＬＢ　５　竹島琳太郎 主将（４年・同志社国際高校出身）
「１年のとき不祥事が起きてしまって、すぐに１部という舞台が終わり、２年、３年はずっと２部でプレーしてきて、１部でプレーするのは初めてなのですが、全員ワクワク、ドキドキの気持ちで毎日、取り組んでいます。
めちゃくちゃうれしいという言葉しかない」

本番の秋のリーグ戦に向け、チームは走り出しました。
４月２０日、関西学生リーグ１部で対戦することになる京都大学との定期戦「今出川ボウル」に臨みました。
前半から司令塔ＱＢ１７番、原田選手が試合巧者ぶりを発揮し、京大を翻弄します！
ランプレーを重ね、相手陣地深くに攻め込むと、３年・ランニングバックの小林選手がタッチダウンを決め、前半１０対０とリードします。
後半、同志社にビッグプレーが飛び出します。
京大の攻撃を３年、ディフェンシブバックの鈴木選手がインターセプト！
そのままエンドゾーンまで走り切り、タッチダウンを奪います。
同志社が京大に１７対０で快勝しました。
就任４年目の橋詰ヘッドコーチも今シーズンの抱負を語ってくれました。

【声】同志社大学　橋詰功ヘッドコーチ
「あの事件はチームとして受け取らなければならなかった。
そこから、ここまで少しずつ進んでいることが大事。
しっかりしゃがみ込んだ分、（今シーズン）ジャンプできたらいいと思う」

ＱＢの原田選手は、春の大一番の勝利をかみしめました。

【声】同志社大学　ＱＢ　１７　原田裕次郎 選手（３年）
「始まる前は緊張もあったが、今までやってきた事を信じて、自分たちのプレーをするだけだと思った。
今までやってきた事が実った試合だった。
ケガ無くチームを最後まで引っ張って、成長した姿を（去年のＱＢ）佐々木さんに見てもらいたい」

【最後の挨拶】「本日は応援ありがとうございました（一同礼）」

【声】同志社大学　ＬＢ　５　竹島琳太郎 主将（４年）
「まだまだ課題が残る試合ですが、結果として勝てて良かった。
本当に最後"ラストイヤーで暴れまわろう"と４年で話している。
自分たちを筆頭にやっていこうと思う」

試合後、入部する新入生の姿もありました。

【声】１年生の女性
「目の前でかっこいいトライが見られて・・・（選手たちのタッチダウンですよ！という修正があって）・・・入部します！」

【声】１年生の男性
「ハーフタイムからでしたが、それでも試合の雰囲気を感じられて良かったです。
入部します！」→選手「歓喜」

【声】全員
「同志社、日本一取るぞ！」