忍者列車で訪ねる城下町の旅 ~伊賀鉄道~
忍者の里として知られる伊賀市。
大阪と名古屋のちょうど中間にあり、
どちらからも車で1時間半ほど来られる便利な観光都市です。
その伊賀市内を走り抜けるのが伊賀鉄道。
近鉄大阪線と接続する「伊賀神戸」から、
伊賀市の中心地を経て関西本線と接続する「伊賀上野」までの16,6kmを結んでいます。
起点となる「伊賀神戸」は1時間に1本
大阪難波~賢島を走る近鉄特急も停まる近鉄との共同使用駅です。
ここを出た2両編成の列車は、しばらくのどかな田園風景の中を走り抜けます。
伊賀鉄道の車両はすべて東急の1000系を改造したもの。
電車のイラストは、松本零士氏が担当しています。
車内も石畳風の床、手裏剣模様のつり革、
そして網棚の上にはひっそりと忍者が隠れているんです。
街中に入って、まずは古い街並みが残る「広小路」で降りましょう。
松尾芭蕉が29歳まで暮らした生家や、
古民家を生かしたイタリアンのお店やホテルも開業しています。
そしてその一角にあるのが、明治38年創業の「伊賀肉の金谷本店」。
昔ながらの佇まいの中で、松阪にも優るとも劣らない上質な伊賀肉をすき焼きで味わえます。
お値段は8470円と少し張りますが、値打ちは充分。
伊賀鉄道の拠点駅で本社と車庫もある「上野市」。
駅から10分で藤堂高虎・築城の3層の天守がある伊賀上野城へ。
春の桜は圧巻です。
隣接する伊賀流忍者博物館では、忍者ショーや忍者体験も楽しむことができます。
また手軽に伊賀牛を食べたい向きには、
駅前のビルに入る「ステーキハウス・グラツィエ」がおすすめ。
ステーキランチが3000円前後で手軽に楽しめます。
服部川を渡ると、ほどなくJR関西本線と接続する終点の「伊賀上野」。
かつては賑やかだった関西本線も、
今は1両の車両が亀山~加茂で1時間に1本だけ走るローカル線となっています。
伊賀神戸~伊賀上野を約40分で結ぶ伊賀鉄道。
1日フリー乗車券(740円)を手にして、
忍びの列車でお城と忍者と芭蕉のまちをゆっくり訪ねてみませんか。
もちろんおいしい伊賀牛も待ってますよ。