今回のゲストは池坊専宗(せんしゅう)さんです。
華道家元池坊 次期家元池坊専好さんの長男として京都に生まれ、
高校を卒業したのち慶應大学理工学部に入学、その後東京大学法学部に入学、卒業という理系文系を横断する学歴の持ち主。
花を生けることは好きでも嫌いでもなかったという専宗さん。
それでも子どもの頃から長男である自分は生け花の未来を託される象徴であり希望なのだろうということを感じていたそうです。
池坊のいけばなに携わることに情熱を感じるようになったのは
大学を卒業してから出会った先生とのお稽古を通して。
自分の花を信じることができるようになったといいます。
華道家である専宗さんにはもうひとつ写真家という顔があります。
いけばなの記録として撮り始めた写真も彼にとっては花をいけることと同じ。
植物と向き合いその命のありようや、時間の流れ、花のある空気感など
彼が感じたものそのものです。
将来を担っていく専宗さんと米團治の対談、どうぞお楽しみください。
今回のゲストは祇園甲部より芸妓の豆六さんをお迎えします。
祇園と言えば「都をどり」。京都に春を呼ぶ風物詩です。
明治5年に始まり今年は数えて150回目の開催です。
都をどりはもとは京都博覧会の余興的な催しとして始まりました。
天皇が東京へ向かい、火が消えたようになった京都の街を活気づけるために
京都博覧会が開催され、祇園の花街もその役割を担ったのです。
座敷舞として舞われていた京舞が「総踊り」の様式をとったのは画期的でした。
舞妓、芸妓が勢揃いするまさに祇園レビューが人々の心をとらえたのです。
都をどりの魅力は井上流ならではの格式ある舞。
京都の宮廷文化を取り入れたという華やかで優雅な晴れ舞台です。
舞い手のせりふは一切なく、仕草や所作による感情表現と、
歌詞と演奏が相まって観客は舞台に引き込まれます。
豆六さんは2017年に舞妓から衿替えし芸妓になられました。
対談では都をどりについて、さらに花街に暮らす芸妓さん、舞妓さんのこと。
米團治がたっぷりとお話をお聞きします。
今回のゲストは落語家の桂すずめこと女優の三林京子さんです。
舞台のお仕事の他に、朝の連続ドラマや大河ドラマなどで活躍されている三林京子さんが
実は米朝一門の落語家というのはちょっと意外な気がします。
米朝一門との舞台での共演がきっかけで米朝に入門。
桂すずめの名前を許されました。
一門初の女性落語家として活躍されています。
お父様は文楽の人形遣い・故二世 桐竹勘十郎、
弟さんは三世 桐竹勘十郎。どちらも重要無形文化財保持者でいらっしゃいます。
幼い頃から伝統芸能に親しんだ三林さんは
日本舞踊、清元、笛、狂言、大太鼓、フラメンコなどを稽古。
子供時代にNHK大阪放送児童劇団に入団し、中学校在学中から東宝所属の大女優・山田五十鈴に師事されました。
1970年、高校卒業後東宝演劇部から女優デビューを果たします。
1997年、桂米朝に落語家として正式に入門。1998年には初高座を踏みました。
三林さんにとって女優とは。そして落語の魅力とは。
米團治相手に大いに語っていただきましょう。
今回のゲストは落語家の桂慶治朗さんです。
慶治朗さんは桂米朝一門 米團治門下三番弟子。
米團治師匠の落語「親子茶屋」にほれ込んで弟子入りを志願しました。
大阪生まれの慶治朗さんは
甲南大学を卒業後、不動産会社に就職し営業を担当するも、
落語家を目指して退職。
2012年に桂米團治に入門し、同じ年に初舞台を踏みました。
大学を卒業し就職してから
それまで全く興味のなかった落語家を目指したわけは?
何故米朝一門、米團治門下だったのか。
修行時代に学んだこと、やらかしたことなど思い出やエピソード。
師匠を前にさまざま語っていただきましょう。
さらに昨年令和5年度のNHK新人落語大賞ではみごと大賞を受賞。
3月23日の土曜日には記念の独演会が開催されます。
師匠に今後の意気込みを語るのもよし、師匠から叱咤激励を受けるのもよし。
番組初の師匠と直弟子1対1の真剣対談です。
どんなお話になるのかはお二人次第、どうぞお聴きください。
NHK大河ドラマ「光る君へ」によって、今年は「源氏物語」に再びスポットが当たる様です。
永遠の名作「源氏物語」の魅力は語りつくせませんが、
読んで楽しむだけでは飽き足らず、独自の解釈で脚本を制作、
本格的な平安装束をまとって演じてしまう女性たちがおられます。
今回のゲストはそんな源氏物語を愛する女性たちのグループ
朗読アンサンブル 京・Genji 。
代表の古阪繁子さんと、高橋雅美さん、岡村玲子さんをお招きします。
朗読アンサンブル 京・Genjiは
「源氏物語」の底に流れる人の心と自然との融合、命あるものへのいとおしさを美しいことばで届けたいと、オリジナルの脚本を制作、
朗読と所作、音楽と照明による斬新な表現方法で朗読の可能性を広げることを目指されています。
公演は京都を拠点に全国各地で、さらに海外でも好評を博しています。
源氏物語の魅力はもちろん、演じる楽しさを大いに語っていただきます。
また米團治との光源氏談義もお楽しみいただきましょう。
今回は石川県人会より副会長の辰野六雄さん、中西いつ子さんをお招きしました。
風光明媚な自然と豊かな海の幸に恵まれ
京都と同様の伝統の技、文化が育まれている石川県。
そんな石川県が大災害に見舞われました。
久しぶりに帰省した家族と新年を祝った矢先の大地震で
だんらんは一瞬にして破壊されました。
各地からの支援は行われていても
先の見えない不安はいかばかりかと心が痛みます。
辰野さんには
この度の能登半島地震について現地の様子、人々の現状や支援の状況など
をお聞きするとともに石川県の本来の魅力を語っていただきます。
「里山里海の能登 穀倉地帯の加賀 城下町の金沢」
石川県のすばらしさ、県人会の活動とともに
復興への希望、さらに私たちにできることについても米團治とともに考えていきましょう。
今回のゲストは壬生寺貫主(みぶでらかんす)・松浦俊昭(まつうらしゅんしょう)さんです。
鑑真和上ゆかりの律宗(りっしゅう)・壬生寺は正暦2年(991)、快賢僧都(かいけんそうず)によって創建されました。本尊は延命地蔵菩薩であり、古来より地蔵信仰とともに、厄除・開運の寺として庶民の信仰を集めています。
壬生寺は京都の裏鬼門を守る寺として、特に節分には1年の無病息災を願って多くの参拝客が訪れます。厄除け「節分会(せつぶんえ)」は、白河天皇の発願によって始められたと伝えられ900年以上の伝統があります。
この期間に上演される「厄除け鬼払い壬生狂言」は演じるすべての人が仮面を付け、鉦、太鼓、笛の拍子に合わせ、一切セリフを用いない無言劇で、壬生寺の春の風物詩としても知られています。
2024年の節分は2月3日、春が始まる節目に。
京都壬生寺に伝わる春迎えの行事を松浦貫主にご紹介いただきましょう。
今回のゲストは東映京都撮影所 スタジオ事業部長でいらっしゃいます高橋剣さんをお招きします。
東映京都撮影所は時代劇の聖地。
日本の映画の黎明期から100年にもわたる歴史を刻んでいます。
高橋さんは1964年東京都武蔵野市生まれ。
1987年の入社以来37年間 東映京都撮影所に勤務、
映画の歴史を見続けてきました。
今回の対談では1月23日から28日まで京都文化博物館で開催される「第15回京都ヒストリカ国際映画祭」を紹介していただきます。
高橋さんはプログラム・ディレクターを務められています。
日本が誇る時代劇はもちろん、世界中から集めた最新の歴史映画や、国内外の映画祭と連携した作品の上映など「歴史映画」に特化した世界に類を見ない映画祭。
時代劇やアニメが好きな人も、作り手を目指すクリエーターも楽しめそうです。
そのほか、東映の映画作りのスピリット、撮影所ならではのエピソードなども
大いに語っていただきましょう。
今回のゲストは俳優の藤山扇治郎さんです。
父は小唄白扇流の家元。祖父は喜劇王と称された藤山寛美さん。
母は寛美さんの娘で、女優の藤山直美さんは伯母にあたります。
幼少期から舞台稽古に励み、6歳の時には当時の5代目中村勘九郎さんに誘われて東京歌舞伎座で初舞台を踏みました。
以後歌舞伎や舞台、ドラマで子役として活躍し
大学卒業後に俳優として本格デビュー、
2013年には「藤山扇治郎」として松竹新喜劇に正式に入団しました。
2015年12月には、松竹新喜劇の新たな顔として次代の上方文化を牽引する存在との期待を受け、平成27年度咲くやこの花賞を受賞。
公演活動のほか、テレビドラマ、映画でも大活躍し、
2016年には若手俳優の勉強会「若藤会」を立ち上げ、10月に国立文楽劇場で自主公演を行うなど役者としての幅を広げています。
今回は来年1月の「初笑い! 松竹新喜劇 新春お年玉公演」のお話を中心に
俳優業、伝統芸能などについて米團治と盛り上がっていただきます。
今回のゲストは橋本関雪美術館 館長の橋本妙さんです。
ご主人は京都画壇に大きな功績を残した日本画家橋本関雪画伯の孫。
妙さんは現在三代目として画伯の遺した作品や邸宅の保存維持事業を行なっておられます。
橋本関雪画伯は、1883年、兵庫県神戸市に生まれました。
帝国美術院会員、帝室技芸員として活動、
京都画壇を席巻した四条派の写実的な動物の描写を取り入れた新南画、新古典と呼ばれる絵画を次々と発表し、大正・昭和期の京都画壇において中心的人物の一人となりました。
有名な白沙村荘は1945年に没した画伯が自身の制作を行うアトリエとして造営した邸宅です。
2014年には関雪画伯が晩年に抱いていた「展示棟建設計画」を現代の建築基準において実現した橋本関雪美術館が開館。
妙さんが館長に就任されました。
今年は橋本関雪画伯生誕140年。
京都画壇で輝きを放った画伯の作品や人となりについてお話をお聞きしましょう。