密やかに、美しく。哀しく、強く。不思議に響く和の調べ。
雅楽の音色は、現代人の心を癒す、やさしい力があると思いませんか。
日本の古典音楽である雅楽は、日本人の自然観によって形作られてきました。
それは自然と融合し、宇宙を内包し、五体と五感を包み込む...
たとえば3管と呼ばれる笙、篳篥、龍笛。
それぞれの音色が表現するものはまさに宇宙。
笙の音色は天から差し込む光を表すとされる天の音。
篳篥は、地に満ちる人の声。地の音。
そして龍笛は天と地の間、空を舞う龍を表す空の音。
この3つの音が奏でられ合わさることで壮大な宇宙が表現されるのです。
今回は京都宙音(そらのね)雅楽会から溝脇操さん、門下の御姉妹をお招きし雅楽の奥深さ、面白さをお聞きしました。なかなか音の出ない楽器に挑戦する米團治さんの姿がとても微笑ましく、楽しい雅な時間でした。