南海電鉄は関西では近鉄に次ぐ154,7kmの営業距離をもちます。
高野線・本線を筆頭に加太線・空港線・和歌山港線などありますが、
今回はそれより営業距離が短い超ミニ路線を2つ取り上げます。
多奈川線
「難波」から本線の特急で45分の大阪の最南端「みさき公園」と
「多奈川」の2,6kmを結ぶ路線。
みさき公園は4年前に閉園するまで63年間にわたって、
遊園地・水族館・動物園として親しまれてきました。
今年の10月20日までは日中30分毎の運行でしたが、
今は利用客の減少からなんと60分毎に減便されてしまいました。
最初の駅「深日町(ふけちょう)」は3連アーチをもつ駅舎。
古い街並みや歴史ある寺社がいくつもありました。
次の「深日港(ふけこう)」はかつては淡路島や徳島行のフェリーが行き交い、
難波からの直通急行「淡路号」も運行されていましたが、
いまはその航路のすべてが廃止されてしまいました。
レトロ感満載のホームから海に向けては、いくつかの飲食店が静かに佇んでいるだけ。
かつての船乗り場も、今はかっこうの釣り場となっています。
そしてわずか6分で終点「多奈川」に到着。
殺風景なだだっ広いホームには、かつて何があったのか?
実は戦時中ここには川崎重工潜水艦造船所があり、
その従業員輸送のため昭和19年に開業した路線でした。調べてみると面白いもんです。
高師浜線
こちらは「難波」から急行で15分の本線「羽衣」と
「高師浜」(たかしのはま)の1,4kmを結ぶ南海一のミニ路線です。
全線 高石市内を走ります。
「羽衣」の駅周辺には かつて大型旅館が数多くありましたが、
いまは高層マンションが立ち並んでいます。
2両編成の電車が昼間は20分おきに運行。
この路線、かつては海水浴場でも賑わい、なんばから直通電車も走っていたんです。
唯一の中間駅・伽羅橋(きゃらばし)は、大正時代に高級住宅地として開発されましたが、
今は駅前は閑散としています。
乗車わずか5分で終点「高師浜」に到着。
大正8年開業の趣のある洋館の駅舎。
ここはもともとロシア兵の捕虜収容所や陸軍の宿舎だった跡地を
高級住宅地として開発した場所ですが、
今は閑静な住宅地になっています。
近くには府立臨海スポーツセンターもあり、夜は冬空に映える工場夜景も絶景です。
そんな歴史を思い浮かべながら、これらの南海の超ミニ路線乗ってみると面白いかも入れません。