大阪難波と近鉄奈良を結ぶ近鉄奈良線。
今回の全編では「大阪難波」から中間拠点の「生駒」までのリポートです。
始発「大阪難波」では名古屋行特急「ひのとり」や、
賢島行特急もホームから発車していきます。
区間準急に乗ってしばらくは地下区間を走り「大阪上本町」へ。
1970年までは奈良線もここが始発でした。
奈良線は地下ホームですが、地上には6面5線をもつ大阪線のホームが広がり、
近鉄百貨店やシエラトン都ホテルに新歌舞伎座も隣接しています。
地上に姿を現すと「鶴橋」。
JR大阪環状線と接続するため、乗降客は沿線最大。
夕方以降ホームに立っていると焼き肉のいい匂いが漂ってきます。
しばらくは方向別複々線で走り、
「布施」では奈良線と大阪線のホームが上下に分かれて、
ここで大阪線に別れを告げます。
「河内小阪」は大阪樟蔭女子大学や大阪商業大学があるため学生の利用の多い駅。
またハウス食品大阪本社もあるため、
昔はホームにカレーのほのかな香りも漂ってきたようです。
「東花園」は言わずと知れた「ラグビーの聖地」で、
先日まで高校ラグビー選手権が行われていました。
スタジアム前の老舗和菓子店・絹屋の花ラグ饅頭も名物となっています。
「瓢箪山」は区間準急と各停しか停まらないのに利用客のとっても多い駅。
駅から北に延びる「サンロード瓢箪山」では、
各店の看板の位置が地上4mと高くなっていることに気づきます。
ここはなんと旧国道170号の道路が、そっくりアーケード商店街に変身したんです。
全国でも極めて珍しいケースですが、言われてみないと気づきませんでした。
「瓢箪山」を出ると、左に大きくカーブしながら30パーミル超えの坂を上り始めます。
「枚岡」を過ぎると左手眼下に大阪平野が一望できるダイナミックな風景が広がり、
遠くにあべのハルカスを臨むこともできます。
生駒山が迫り勾配を登り切ったところが東大阪市最後の駅「石切」です。
駅から狭い下り坂の1kmほどに、古き良き石切参道商店街が広がります。
ここの石切釼谷神社は「でんぼの神様」としても名高く、
本殿前では多くの人が毎日お百度まいりを行っています。
石切を出るとすぐに1964年に完成の長さ3494mの生駒トンネルに入ります。
長いトンネルを抜けると奈良線の中間拠点「生駒」。
けいはんな線と生駒線、生駒ケーブル線はお乗り換えです。
今回は大阪難波から生駒までの約20kmをリポートしましたが、
次回の後編では生駒~奈良間を新車両8Aや観光特急あをによしとともにとりあげる予定です。
鉄アナ・羽川英樹の出発進行
#99 近鉄奈良線前編(大阪難波~生駒)
~通勤通学と観光の2つの顔をもつ近鉄のドル箱路線のいま~は↓からご覧ください。