今回は、京都市中京区に去年の11月にオープンしたお店、「香港飲茶 星街」から番組をお届けします。
店舗の経営を行う 会社の代表を務める郭さんは、中国出身で、留学のため来日。立命館大学を卒業後、貿易関係の仕事をしながら、新事業として会社を立ち上げました。厨房を担うのは、香港出身、点心師として中国・日本で40年以上、活躍を続ける何シェフ。親子程、年齢差のある二人ですが、10年近くにわたる交流の中で築き上げた強い絆で、京都ではまだ数少ない本格的な点心を味わえる店にしたいと日々、奮闘を重ねています。
強い絆が本物を生み出すのは、農業の世界も同じ。去年、大嘗祭の主基地方(西日本)献上米となった「丹波キヌヒカリ」を育てた南丹市八木町氷所地区も、集落ぐるみの強い絆で、農業を推進。多くの特産野菜を生み出す亀岡市内でも、直売を行う生産者のつながりが、「よりよい野菜を生み出す」ための技術研鑽に大きく貢献しています。
強い絆こそが本物を守り継ぐ技を育てる。食と農業に共通するテーマを、取材映像を交えつつ、掘り下げていきます。
人とのつながり、絆こそが、本物を生み出す智恵や技を育てる。食と農業、両方の世界に共通する話題について、語り合う出演陣。
今回の番組の舞台となった「香港飲茶 星街」 (京都市中京区室町蛸薬師上ル東側 075-708-8885)
星街の厨房を担うのは、何鋭敬シェフ。本場の点心は、素材の味や香りを最大限に活かすのが特徴。仕入れた食材の状態を常に見極めながら、繊細な手仕事で、一皿一皿を仕上げています。
去年の大嘗祭で主基地方の献上米となった南丹市八木町氷所の「丹波キヌヒカリ」。炊き上げた時の美しいつやと香りが特徴で、今では全国区のブランド米に。
大田主として、献上米の生産を担った中川久夫さん。半世紀以上、農業を営む米づくり名人です。献上米は、化学肥料や農薬等は使えないので、集落全体で、細かな水管理や草刈りなどを行いました。大変な作業だったそうですが、集落の強い絆があればこそ、やり遂げられたと、振り返ります。
氷所地区では、圃場整備を機に、集落全体で農業を行う「集落営農」に力を入れてきました。中心的に農作業を行う組織として「生産組合」を立ち上げ、田植えや稲刈り、その後の乾燥調製まで、手分けして行っています。集落の絆が、持続可能な農業を実現し、美しい農村の景観も守り継いでいます。
今ではほぼ1年中、生産されている小松菜。京都府内では、亀岡市が高品質な小松菜の産地として、知られています。昭和60年頃に栽培が広まると同時に、生産者が集まって部会を作り、直売を推進したり、技術の研鑽に務めてきました。
25年前に、会社勤めから転身して農業を継いだ中野さんも、小松菜栽培に力を入れているひとり。5年程前から、地元の直売部会に参加。消費者からの声がダイレクトに届き、仲間と一緒に産地見学に出向くなど、栽培技術の向上に大きく役立っているのだそう。
中野さん自慢の小松菜を使って、何シェフに番組用に作って頂いた点心。もちもち感のある薄皮いっぱいに、小松菜とエビが詰まり、出汁のうまみで、小松菜の風味と甘味が引き立てられています。