2016年9月25日(日)放送の内容
今回は、京都市役所近くにあって、小さな子供さん連れの女性客に人気のお店「レストランカフェ サラオ」から番組をお届けします。
アマゾン奥地で、昆虫から草食・肉食動物までが集うという不思議な沼「サラオ」を名前に冠したこの店には、肩肘張らず誰もが気軽にフレンチを楽しんでもらいたいという笹尾さん夫妻の想いが様々な形で散りばめられています。
新鮮さを第一に、地産地消にもこだわった食材を使って提供されるのは、フレンチの技がプラスされた洋食メニューの数々。そこには、シェフの職人技だけでなく、多くの人達の「見えざる努力や知恵」が、結集しています。「本物のものづくり」につながる、こうした「見えざるチカラ」について、農業の現場、食の現場からリポートします。
本物の味わいを届けるために、見えないところで多くの生産者や仕事人達が重ねる努力や工夫について語り合う出演陣。
今回の番組の舞台となった「レストランカフェ サラオ」(京都市中京区御幸町通御池上ル 075-213-0201)
新鮮な食材だけが持つ香りや味わいを独自の一皿に昇華させる笹尾シェフ
今回取り上げた食材「丹波くり」と「京みのり」。いずれも、丹波地域を代表する秋の味わいです。
「丹波くり」の産地の中でも、特に大粒で味のいい栗が獲れると昔から有名だったのが旧和知町。地元にある選果場では、ベテラン職員のみなさんが、栗をひとつずつ検品し、ブランドの名に恥じないものだけを出荷しています。
3年前に勤め先を定年退職したことをきっかけに、代々受け継ぐ栗園での仕事を始めた梅原さん。いい栗づくりのためには収穫後の施肥に始まり、冬場の剪定作業、夏の草刈りなど1年を通じての作業が必要なのだとか。
山地が多く、斜面地に栗園が設けられていることの多い和知では、栗園の管理も大変で、高齢化などもあって栗づくりをやめてしまう人も少なくありませんでした。京都を代表するブランド品をなんとか守り、生産量を上げていこうと、今、JAや行政が支援して水田を栗園に変えていく「1億円産地化プロジェクト」が進行中。ここは、梅原さんの新しい「夢の栗園」でもあります。
以前は「れんげ米」で知られた米どころのひとつ、南丹市園部町。8年前から新しく立ち上げられたブランド米が「京みのり」です。「減農薬・減化学肥料」にこだわって作られたコシヒカリは、米の一粒一粒が美しく、しかも香り高いのが特徴です。地元で米づくりをする農家が集まった水稲部会の部会長である森さんに、「京みのり」栽培の苦労を伺いました。
「特別栽培米」として出荷するためには、夏場の雑草取りも人手で行うなど様々な苦労が。有機肥料を中心にいかに安定した味わいの米づくりを行うか、長年、JA園部黒田支店が各地の田んぼを回って研究を重ね、共通の栽培指針を作成。それをもとに、130人程の農家が「京みのり」栽培に取り組んでいます。
「サラオ」の人気メニューのひとつが「チキンライス」。そのメニューにあった米をブレンドし、納品しているお米屋さん太田商店でも話を聞きました。同じ産地・同じ品種の米でも毎年の気候で作柄が違うため、新米の時期には現地に出向いて稲を確認。味も確かめた上で、翌年のブレンドの配合具合を決めているとか。ここにも「見えざる職人の技」が活かされています。
看板メニューのサラオオリジナルの「チキンライス」。今回は、京みのりを使って仕上げて頂きました!