今回は、京都市南区にある石窯ピッツァのお店「ゴリーズ・キッチン」から番組をお届けします。
たまたま始めた飲食店での仕事で、その面白さ、奥深さにハマってしまい、大阪をはじめ各地のイタリアンの名店で修行。ナポリでも星付きレストランで修行を重ねた上、自らの城を築いた代表の足立さん。他店とは違う色を出したいと、京都産にこだわった独自のメニューを開発したり、宇治茶をふんだんに使ったボトルスイーツ を通販するなど、日々メニューやお店づくりに工夫を凝らしています。
「よりよいものを」と思い悩むことが、技を鍛え上げていくのは、農業の世界も同じ。今回は、あれこれと思い悩み、その上で自らの卓越した「ものづくりの技」を極めた名人が作る「ほうれんそう」「京たけのこ」をお店に持ち込み、「すご技」が発揮された料理を作って頂きます。
新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、いつもより席を離しての番組収録。でも、自粛続きの閉そく感を吹き飛ばす、楽しいトークで盛り上がりました。
今回の番組の舞台となった石窯ピッツァのお店「ゴリーズ・キッチン」(京都市南区上鳥羽菅田町65-1 075-200-9304)
本場ナポリで鍛え上げた見事な技で、ピッツァを焼く足立さん。知人の陶芸家に作ってもらい、自身が塗装を施した自慢の窯を使い手際よく焼き上げます。何より、厨房での楽しそうな笑顔が一番の魅力。
17年前にサラリーマンから転職して以来、ハウスで小松菜やほうれんそうを栽培、直売所一本で勝負してきたという松波さん。ビニールハウスの中では同じ土を何度も使って野菜を作るため、一番重視しているのが「土壌検査」のデータ。育てる野菜毎にpHや肥料成分など、最適な状態になるまで水や石灰分を与えるなどして調整。ベストな数値になったら種まきをするという「こだわり」を徹底しています。
最適な状態で種まきをすると、生育も良く、病気も発生しないので、消毒等の必要もありません。せっかく直売所まで足を運んでもらったお客さんに「ここまで来て良かった」と感じる「特別な野菜」をこれからも作っていきたいのだそう。
京都市西部、亀岡市との境に広がる大枝地区は、昔から最高品質のブランド「京たけのこ」の産地として知られています。若い時から6反半もの竹林を整備し、「京たけのこ」を生産する内藤さん。いい状態で収穫できる時期はわずかなため、一突きでたけのこを掘る「すご技」に磨きをかけてきました。なんと、「耳で音を聞き分けて掘る」のだそうですが??
竹は土の中で、地下茎を伸ばしますが、その節についている芽が「たけのこの赤ちゃん」。1年かけて大切にその芽を育て、立派な「京たけのこ」に育てます。収穫後や夏に肥料を与え、雑草を刈り日当たりをよくします。7年ほどたった親竹はたけのこを生む力が弱るので伐採し、新しい親竹を伸ばします。秋から冬にかけて、敷き藁の上から厚く土をかぶせ、保温するとともに、柔らかな「京たけのこ」が育つように。本当に苦労の連続でようやく収穫の春を迎えるのです。
松波さんの「ほうれんそう」と内藤さんの「京たけのこ」を使って特別に焼いて頂いたピッツァ。「ほうれんそう」の緑も鮮やかに、「京たけのこ」独特の香りと歯ざわりが、もちもちの生地とマッチした絶妙な味わい!