今回は、京都市中京区に昨年11月、オープンしたイタリアンとスペシャリティーコーヒーのお店「MIZO(みぞ)」から番組をお届けします。
二条駅近くで生まれ育ち、実家の隣に自らの店を構えた溝シェフ。開店早々、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言で、営業自粛を余儀なくされたものの、逆境を越えて、生まれ育った京都の食の魅力を発信し、ふるさとでもある二条駅界隈の活性化に貢献したいと夢をふくらませています。
農業の現場も、新型コロナの関係で料理店が自粛したため、特に高級食材として人気の「賀茂なす」や「万願寺甘とう」などが苦戦を強いられています。でも、生産者のみなさんは、状況に屈することなく「よりよいものづくり」を続け、JAと共に新たな販路開拓をめざすなど、一歩二歩、さらにその先を見据えた取り組みを展開しています。
今回は「逆境をチャンスに変え、未来を切り拓いていこう」という、農業現場と料理人の想いにスポットを当てる30分です。
アフターコロナ、さらにその先を見据えて「よりよい農産物」「よりよい料理」を届け続ける!強い想いを、語り合う出演陣。
今回の番組の舞台となったイタリアンとスペシャリティーコーヒーのお店「MIZO」(京都市中京区西ノ京小堀町1-7 075-841-7985)
学生時代のアルバイトがきっかけで、料理の世界に入ったという溝シェフ。当初はフレンチで修行し、その後、イタリアンへ。プレートにはその双方の技が活かされ、新しい世界観を創りだしています。
高級料理店で大人気の食材「賀茂なす」。それだけに、今年は販売が苦戦していますが、逆にこの機会に、より多くの人に食材としての魅力を知ってもらおうと、首都圏での新たな販路拡大にも乗り出しています。
京都市内から綾部市内へと移住し、10年前から農業に携わる西岡さん。最初に勤めた農業生産法人で「賀茂なす」と出会い、4年前から自ら2棟のハウスで栽培を続けています。難しい野菜ですが、それだけに「いいもの」が出来た時の喜びは大きいと、日々、栽培技術に磨きをかけています。
京都府内の農産物で唯一GI(地理的表示)を取得し、強いブランド力で、全国にファンを広げている「万願寺甘とう」。JA京都にのくに管内で生産され、厳しい基準をクリアした「万願寺とうがらし」だけが、「万願寺甘とう」のブランド名を名乗ることができます。年々、販売高が伸び、昨年は4億円もの売り上げを記録。料理屋向けは、今年、苦戦するものの、ネット販売などにも力を入れその魅力をより多くの人に届けようと頑張っています。
東日本大震災で被災後、縁あって福知山市で農業を始めた北山さん。見知らぬ土地で不安いっぱいの中、暮らしを支えてくれたのが、「万願寺甘とう」のブランド力と、多くの生産者仲間たち。今では福知山の「万願寺甘とう」の部会長となり、一歩も二歩も先を読みながら世話をすることで、高品質な「万願寺甘とう」を安定的に生産。JAと一緒になって、コロナ禍で苦しむ料理屋さんに「万願寺甘とう」を使ってもらったり、販路拡大のための活動にも力を入れています。
溝シェフに作って頂いた「万願寺甘とう」を使ったラグーソースのパスタ。降り積もる雪のようなチーズが、ほどよく溶けて素材にからみ、奥深い味の調和を生み出しています。