今回は、予約の取れない人気店として評判の、京都市中京区「リストランテ野呂」から番組をお届けします。

青森県の出身で、東京、イタリアの名だたる名店で修行を重ねてこられた野呂シェフ。帰国後、京都のホテルレストランに務めたことが縁で、以来、京都に腰を据え、地元産の食材を豊富に使ったひと皿で、多くの食通を虜にしています。

本場仕込みのイタリアンの知識、技術をベースにしながらも、提供する料理は、それぞれのお客さんの好みにアレンジされた「洋食」。京都の個性豊かな食材を季節ごとにどう活かすか、常に勉強と挑戦の毎日なのだそう。

伝統を大切にしながらも、日々、新しいことに挑戦し続けるのは農業の現場も同じ。今回は、京都では伝統的な農産物である「丹波くり」の現場を訪ね、栽培法や剪定法など新たな手法に取り組んでいる状況をリポートするほか、伝統の「丹波黒大豆」を新たに改良して生み出された新ブランド「紫ずきん」の生産現場の様子も紹介します。

語り合う出演陣

伝統を大切にしながらも、日々、新たなことに挑戦することによって次の時代につながる「本物」を生み出すことができる、と熱く語り合う出演陣。


リストランテ野呂

今回の番組の舞台となった「リストランテ野呂」(京都市中京区西ノ京職司町67-14 075-823-8100)

野呂シェフ

1階のオープンキッチンでスタッフと共に腕を振るう野呂シェフ。伝統的なイタリアンの確かな技術を礎に、常に食材を最大限に活かす、斬新なアイデアが盛り込まれています。

丹波くり

全国的にも名高い「丹波くり」。京都では京丹波町を中心に生産が行われていますが、菓子業界等からの需要が高く、供給が追いつかない状況が続いています。

今川さん

若い頃から地域を代表するブランド品でもある「丹波くり」に関わりたいと、勤めの傍ら、栽培を続け、すでに半世紀以上の経験を誇る今川さん。伝統的な農産物ですが、近年、「よりよい栗づくり」に向けた研究が進み、栽培方法も大きく変わってきているのだとか。

大粒の丹波くり

収穫した栗を作業場で選別し、3.5cm以上の大粒のものだけをブランド品として出荷します。JAグループでは、自治体などと一緒に「1億円産地化プロジェクト」を進めており、毎年3千本近い栗の木を植樹。休耕田などを活用した新たな産地づくりが進んでいます。

紫ずきん

正月用品として知られる大粒の黒豆「丹波黒大豆」を枝豆用に改良して生まれた、新しいブランド農産物「紫ずきん」。黒豆特有のもちもち感と深いコクで、すでに市場でも大人気!9月から10月にかけて出荷されます。

下間さん

脱サラして、地元の南丹市園部町で稲作を始めた父に影響され、自身も20年程前から農業に携わるようになったという下間さん。新規就農してすぐ、「紫ずきん」の収益性の高さに注目。今では2町4反もの広さの田んぼを、「紫ずきん」用の圃場にしています。

出荷作業

収穫シーズンともなると、常時10名以上のパートを雇い入れ、収穫や選別、出荷作業を行っているそうで、この時期の下間さん宅の作業場は連日大盛況!高齢のため作業できなくなった集落の人の田んぼも借り受けて、「紫ずきん」と「米」をうまく輪作。集落の田畑を守りながら、地元に雇用も生み出す「新しい農業の形」に挑戦し続けています。

丹波くりを使ったリゾット

今回は「丹波くり」を使って野呂シェフにリゾットを作って頂きました。昔ながらの「丹波くり」のほくほく感や甘さを存分に楽しみつつ、チーズやオリーブオイルとの新しいマッチングも味わえる一皿に。