2016年2月28日(日)放送の内容
この春には鉄道博物館がオープン、新駅も計画され、京都の新たな「賑わい創出拠点」として期待を集める七条千本界隈。日本最初の中央卸売市場として食文化を支えてきた京都市中央卸売市場第一市場も、「食の賑わい拠点」として、再整備が進んでいます。そんな京都市中央市場のすぐ隣にある店「権八」が、今回の番組の舞台です。18年間、休むことなく毎朝3時間かけてこだわりの「だし」を引き続けてきた店主の岸さんとともに、食を通じての地域の活性化、農業が果たす役割について考えます。
より安全でおいしいものを提供し、地域を元気にしたい~という想いは、飲食店も農家も同じ!店内で熱く語り合いました。
今回番組の舞台となった「権八」。うどん・そば・丼もののすべてに「こだわりのだし」が使われています。市場と共に歩む店。開店は毎朝午前5時半で、閉店は午後1時。(京都市下京区朱雀宝蔵町90 電話 075-322-0701)
店主の岸さん曰く「だしは生き物」!季節や日々の天候によって出方が違うとか。何度も味見をしながら火加減を整え、じっくりとひかれた絶品の「だし」が、一番の店の看板。
「権八」のすぐ隣には、京都市中央卸売市場第一市場があり、多くの「食の目利き人」達が集います。京都や滋賀の野菜を専門に扱う「近郷売場」があるのが大きな特色で、この売場を通じて伝統野菜の目利き人達が育ち、ブランド京野菜を国内外に広げる上で大きな役割を果たしてきました。
京野菜がブランド化していく上で、重要だったことのひとつが、常に安定した品質と生産量を保つこと。そんな中、生産現場のけん引役のひとつとなってきたのが、農業法人。京丹波町にある農業生産法人「みとけ」では、大規模なハウスで「京みず菜」栽培に取り組んでいます。
農業を法人化することで、一般の会社と同じように、若い人を安定的に雇用できるように。今では若い力が「みとけ」を支えています。
京丹波町にある別の農業法人「アグリチャンス京丹波」は、稲作の作業受託や、ライスセンターを使って刈り取った後の乾燥調整作業を行うなど、地域の農業を守る役割を担っています。
もともとは、家族経営で農業に取り組んできたという澤田さんが「アグリチャンス京丹波」を立ち上げる上で、心強いパートナーとなったのが、JAのTACとよばれる職員。頑張る農家を支え、二人三脚で地域の農業と安全な食を守るのが使命です。
「みとけ」の京みず菜、「アグリチャンス京丹波」のお米で岸さんに作って頂いた逸品。「権八」では、ランチタイムに丼とうどん・そばを一緒に味わえるセットメニューを提供しています。
< 京都・食への誘い>
「京都の食」を国内外に発信する拠点として、ますます注目度が高まっている京都市中央卸売市場。第一市場では、毎月第二土曜日に市民感謝デーと銘打って「食彩市」を開催しています。日頃は入ることのできない水産棟の仲卸店舗で、お店の人と話をしながら新鮮な魚介類の買物ができるほか、マグロの解体ショーの見学、京都を代表する料理人による料理のふるまいなど、「食で地域を元気にする企画」が満載です。ぜひ一度、訪ねてみてください。