今回は、京都市中京区にある「昭和の洋食 弥生」を舞台に、番組をお届けします。実はこのお店、以前は烏丸五条近くにあり、「板前洋食彌生」の名前で長年、親しまれてきました。経営者の家族に御不幸があり、一度は閉店したものの、常連客からの熱いラブコールに応えて、見事に復活。高齢となった御主人のかわりに店の経営面を引き受けたのが、現在のオーナー、山本さんです。
もと京都府警の刑事さんで、退職後も調査会社や行政書士など、飲食業界とはまったく縁のない所で仕事をされてきたにも拘わらず、御主人が体調を崩されたことを契機に、一念発起して料理の世界へ。今では2世代にわたって守り継がれてきた味を、見事に再現し、昔からの常連客はもとより、新たなファンを呼び込んでいます。
「未来へと守り継ぎたいもの」を、新しい人材、人の輪で、継承し、発展させていこうという取り組みは、今、京都の農業現場でも広がっています。今回は、新しい絆で、未来へと「真価」を紡ぐ喜び、やりがいを、大いに語り合います。
「未来へと守り継ぎたいもの」を、新たな絆でどう継承していくか、語り合う出演陣。
今回の番組の舞台となった「昭和の洋食 弥生」(京都市中京区 四条坊城西入 075-823-0122)
2世代にわたって受け継がれてきた味を、厨房で見事に蘇らせた山本さんの手さばき。初代の頃から45年以上使ってきたフライパンはまさに「店の宝物」なのだとか。
今回、お店に持ち込ませて頂いたのは、福知山市三和町で生産された玉子と、平成30年産の「丹波キヌヒカリ」。日本穀物検定協会の食味ランキングで、3年連続特Aを獲得しています。
京都府内で最大級の養鶏事業者「山元産業グループ」の中核をなす「三和鶏園」。府内各地に農場を持っていますが、中でも三和農場では、セミウインドレスと呼ばれる鶏舎で、40万羽の鶏が飼育されています。空調や餌やり等すべてが機械化され、スタッフひとりで7万羽を担当。安全安心と省力化を実現しています。
機械化されているとはいえ、やはり人の目は重要。毎日朝昼晩と、7万羽にのぼる鶏達の様子を入念にチェックします。鶏達が喧嘩をしていたら止めに入り、食欲や体調にも気をつける等、まるで保育園の先生のように、一羽一羽に目を配っています。
三和農場で働くスタッフ約40名のうち、実に17名は外国人。技能実習生として来日したベトナム等の若者達をはじめ、今年からは、京都が特区指定を受けて導入した「外国人農業支援人材」であるカンボジア人女性も活躍しています。従来からある外国人技能実習制度と違って、すでに日本での農業実習経験のある若者が特定機関からの派遣という形で職場に入るので、即戦力になるほか、他のスタッフにも、いい意味で刺激を与えてくれているのだそう。
南丹市八木町船枝地区。1200年以上もの歴史を誇る京都帝釈天の御膝下であり、昔から高品質なお米や小豆のとれる場所として知られています。
地元で米作り名人として有名な、関岡さんに、おいしい米づくりの秘訣について、話を伺いました。一番重要なのは水加減で、夏場は中干しをすることで、根の張りをよくし、葉の色を確かめながら肥料のやり方なども加減するのだとか。
船枝地区でも、高齢化で農作業が出来なくなる人が増えてきました。そこで、3年前に地元の有志が集まり、「農事組合法人ふなえだ」を設立。農作業ができない人の農地を借り受けて米や小豆を生産することで、豊かな田園風景を未来へと守り継いでいこうと頑張っています。
「昭和の洋食 弥生」のメニューの中でも一、二を争う人気を集めているのが、秘伝のデミグラスソースたっぷりのオムライス。今回は、三和鶏園の玉子と、丹波キヌヒカリで作って頂きました。