JA京都「丹波キヌヒカリ」中川さん (南丹市)
去年の大嘗祭で主基地方の献上米となった南丹市八木町氷所の「丹波キヌヒカリ」。炊き上げた時の美しいつやと香りが特徴で、今では全国区のブランド米に。大田主として献上米の生産を担った中川久夫さん。献上米は、化学肥料や農薬等は使えないので、集落全体で、細かな水管理や草刈りなどを行いました。集落の強い絆があればこそ、やり遂げられたと、振り返ります。氷所地区では、集落全体で農業を行う「集落営農」に力を入れてきました。「生産組合」を中心に、田植えや稲刈り、その後の乾燥調製まで、手分けして行っています。集落の絆が、持続可能な農業を実現し、美しい農村の景観も守り継いでいます。
JA京都「九条ねぎ」高橋さん (京丹後市)
広大な国営農地で様々な農業が営まれる京丹後市。国や京都府の支援を受けて農業技術を学び、新規就農する人が増えています。九条ねぎをはじめ、常に10品目以上の農産物を生産する髙橋さんもそのひとり。中国ハルビン市の出身で、奥さんの母が日本人だったことから、20年前に来日し、日本国籍を取得。長年建設業界に勤めていましたが、子供の頃、実家で行っていたような農業をもう一度やりたいと、一念発起して農家に転身。11ヘクタールの土地で、見事な野菜を生産しています。
JA京都「チーズ」杉山さん (京丹波町)
京丹波町下山地区にある「ミルクファームすぎやま」。牛たちが自由に動けるフリーストール形式の牛舎で、のびのびと健康的に牛を育て、毎日3トン以上もの生乳を出荷しています。3代目として牧場を切り盛りする杉山さんは、常に1頭ごとの健康状態をしっかりチェック。安全でおいしいミルクづくりの技に磨きをかけています。杉山さんの妹の牧さんは、10年間、北海道で乳製品加工を学び、5年前からファームの加工部門を担い、こだわりのモッツアレラチーズを製造しています。兄妹の絆で、京丹波産ミルクの新たな魅力を発信しています。
JA京都「たわわ朝霧」中川さん(亀岡市)
先月でオープンから丸11年となったJA京都の農畜産物直売所「たわわ朝霧」。農産物を出荷する人の数も売上高も毎年増加。定年後の第二の人生として農業を始め、ここに出荷する人が増えています。9年前から「たわわ朝霧」に様々な農産物を出荷している中川さん。会社勤めを終え、第二の人生に農業を選んだ一人です。専業農家のように広い面積でひとつの農産物を大量に作るのは難しいけれど、家庭菜園の延長でいろいろなものを作って直売所に出すスタイルならできるかも、と思ってのチャレンジ。今は直売所仲間も増え、次は何を作ろうかと楽しみが増しているのだとか。
JA京都「きゅうり」高屋さん(南丹市)
南丹市園部町は、昔から高品質なお米や野菜の産地として知られてきました。冬場は特産の「しゅんぎく」でも有名ですが、「しゅんぎく」農家の多くが夏に生産しているのが「きゅうり」です。大都市圏に近いという強みで園部産の「きゅうり」は市場でも高評価を得ています。長年「しゅんぎく」を生産している高屋さんも、夏にはハウスで「きゅうり」を栽培。水や肥料が不足したり、枝や葉の剪定をおろそかにすると、すぐにストレスで曲がってしまう「きゅうり」。一定以上の品質のものを生産するためには、同じ生産者仲間との勉強会が欠かせません。
JA京都「山菜」須川さん(伊根町)
山地の多い京都府では、昔から「春から初夏の旬を楽しむ食材」として、山菜が重宝されてきました。JAでも6月の半ば過ぎ頃まで山菜類の出荷を行っています。子供の頃から山菜採りの技を鍛えぬいてきたという須川さん。中山間地の集落では、昔は農作業とともに山仕事をするのが当たり前で、薪拾いや山菜採りなど、1年を通じて山に入ることによって森の荒廃を防いできました。娘さんとふたり、自生する「ヤマブキ」を摘みながら、翌年の収穫のために、根を土に返すことも。自然とともに生きる智恵と技、その素晴らしさを教えて頂きました。
JA京都「ほうれんそう」松波さん(亀岡市)
17年前にサラリーマンから転職して以来、ハウスで小松菜やほうれんそうを栽培、直売所一本で勝負してきたという松波さん。ビニールハウスの中では同じ土を何度も使って野菜を作るため、一番重視しているのが「土壌検査」のデータ。育てる野菜毎にpHや肥料成分など、最適な状態になるまで水や石灰分を与えるなどして調整。ベストな数値になったら種まきをするという「こだわり」を徹底しています。
JA京都「聖護院だいこん」吉岡さん(京丹後市)
丹後では、良質な砂地を活かし、ブランド京野菜の生産も伸びてきています。網野の海岸近くの圃場で、聖護院だいこんや賀茂なす等のブランド京野菜を栽培する吉岡さん。父の代までは桃などの果樹を生産してきましたが、畑作に挑戦したいと、30年前から砂地での野菜づくりを続けてきました。砂地は水はけが良く、うまく管理すれば、糖度の高い野菜を作る事ができます。吉岡さんは、毎年肥料や水の管理を工夫。丹後の砂地でのブランド野菜栽培に道をつけた先駆者でもあります。
JA京都「にんじん」竹田さん(京丹後市)
丹後の国営農地では、新規就農者の多くが加工用のキャベツやにんじん、ごほう等の栽培に力を入れています。茨城の農業生産法人で修業した後、出身地の大阪の近くで広い農地を探していたという竹田さん。紹介を受けて入植した丹後はまさに自身が思い描いた理想の地だそう。現在は、にんじんを主にイモ類やキャベツの栽培に取り組んでいます。今後は3ヘクタールという農地のスケールメリットを活かし、耕作等の作業を機械化して「もうかる農業」を実践していきたいとのことです。
JA京都「京みず菜」花倉さん(京都市)
京北で現在、7棟のハウスで、「京のブランド産品」として人気の「京みず菜」を栽培している花倉さん。15年前、何か新しいことに挑戦したいと思った時、近所に京みず菜を栽培する先輩がいたことからブランド京野菜づくりを開始。少しずつ種まきの時期をずらすことで、1年中、途切れることなく京みず菜を出荷しています。夏と冬では、生育環境も大きく変わるため、ハウス内の温度管理や水管理には、細心の注意を払っているそうです。