ラジオ番組『70周年ラジオオムニバス　Sonosaki70～夢は叶う～』について合評

2月例会は新型コロナウイルス感染状況が改善されないことから、番組を視聴しての感想や意見を各委員から文書で提出していただく形で実施しました。

番組の合評では、今月の合評対象番組であるラジオ番組『70周年ラジオオムニバス　Sonosaki70～夢は叶う～』について、各委員が意見を提出しました。

まず制作担当者から文書により「新型コロナウイルスの感染拡大による未曾有の事態に直面し、当たり前だった日常は様々な制約にさらされ、変わるべきもの・変わってはいけないものなど、様々なことを考えさせられる機会にもなりました。そんな中でKBS京都ラジオは開局70周年を迎え、地域・リスナーの皆様に改めて深い感謝の思いを表したい。古くから歴史を守りつつ・時代に合った変化を遂げてきた"京都"から、今こそ、あらたな夢や希望～未来＝"Sonosaki"(その先)を指し示すようなコンテンツを発信していきたいと、この番組を企画しました。」との説明がありました。

委員からは「41回のゲストの方々の多岐にわたる活動を全て放送出来たことがラジオの力かと思います。」「41人に共通する大テーマを掲げてインタビューしたことは、70周年記念事業として、大いに意義のあることだと思う。」「いずれの回も含蓄のあるお話で最後まで飽きずに興味深く聞くことができました。」「スポンサードに配慮して企業や法人などの関係者のゲストが三分の一以上含まれるのには違和感がある。」「聞き手のアナウンサーが自分自身を前に出さず、相手の方のお話を引き出されていたのも聞きやすかったです」「MCを務めるKBS京都現役アナウンサー5人のキャスティングは、ゲストとの相性なども考慮しているからか、うまく組み合わせられている。」「ラジオの大きな変化、そのなかで変わらぬ、ラジオならではの役割はなんなのかを追うことはできなかったか。」「ラジオ開局70周年なので、その歴史を感じさせるものが欲しい感じがある。」「古い番組を紹介・解説してもよかったのではないか。」「佐渡裕さん出演の回にも出て来た懐かしい番組の入りの音楽とパーソナリティーの声を少しだけでも流してもらったら、聞き手にぐっと番組が入ってきたのではないでしょうか。」「佐渡裕さん出演の回は、こんなに親しく、こんなに優しく、こんなに楽しく京都愛を語って下さったことはなかったのではないかと思えるような、インタビューであった。」「ヨーロッパ企画の上田さんの回は、インタビューとして中身のあるもので興味深かった。」「山崎弘士、高石ともやさんの回は、作り手ならではのエピソードも入っていて聴かせる内容でしたが、半世紀ほど前の出来事の話もあり、いまを生きる人とは少し距離があるので、進行役が背景説明的な話を補うなりしないと理解できないかも、と残念に思いました。」「10代から20代でリアルタイムにラジオを聞いている若者の視点がなく、全体として回顧的なスタンスに終始している」「高石ともやさんによる沈黙の意味とその使用についての話は、言葉のプロである放送関係者が今後にむけて考えるべきヒントがあるように思われる。」「高石さんならではの含蓄のある話を、聞き手の森谷アナが引き出していた。」「一番ラジオの歴史を感じ、面白かったのは山崎アナウンサーの話だった。」「本来は話を聞く側の人が、聞かれる方に回っているのも、今回の企画のよいところ。」「山崎弘士さんの話は、とにかくKBSラジオ、またラジオそのものについての思い出と愛が溢れていて、締めくくりの人として大変相応しかったように思う。」「ラジオが始まってからの70年間をずっと知っている人がいて、さらにこれから先を繋いでいこうとする人が居る。そこがよく伝わりました。」などのご意見をいただきました。

(番組審議会事務局)

令和3年度　株式会社京都放送　番組審議会委員(2月例会意見提出者)