番組審議会
5月番組審議委員会
- 開催年月日
- 令和5年5月22日(月) 午後4時~5時30分
- 開催場所
- KBS京都放送会館 3階 第3会議室
- 委員の出席
- 若林卯兵衛、平林幸子、松本和加子、松本邦子、寺脇研、鈴鹿可奈子、新村恭、森本淳
テレビ番組『京都夜桜中継2023~歴史薫る春の旅~』について合評
番組の合評では、今月の合評対象番組であるテレビ番組「京都夜桜中継2023~歴史薫る春の旅~」について各委員が意見を述べました。
制作担当者からは「この夜桜中継は、2016年から毎年BSイレブンと共同で制作をしている番組になります。KBS京都に加えてBSイレブンで全国の方にも見ていただいており、毎年、夜桜を主にしながら、番組のサブのテーマをサブタイトルに込める形をとっておりまして、今年はサブタイトルに「歴史」と「旅」という言葉を入れさせていただきました。思いとして、コロナ禍で過去2年、自由に旅行することができなかったという状況を受けて、京都の桜を見に行きたいという、視聴者の方々のお気持ちが膨らんでいる時季ではないかというふうに考え、そういった思いを番組として形にできればという趣旨でこのテーマを設定しました。メインの放送席は歴史があって、桜でも全国的に知られている世界遺産の醍醐寺です。非常に広い境内で、メインの放送席を設置した場所以外にも桜がたくさんあり、境内の他のところをいろいろと見せられる形でいくつか企画を考えました。その分、例年ですと複数箇所での中継を入れたり、VTRを多めに入れたりという形になるのですが、今年は少なくなりました。今回一番大きく変わったことは、進行役を片岡愛之助さんにお願いしたことです。これまでは、アナウンサーが司会を行っていましたが、アナウンサーがどうしても中心に見えてしまうところがありましたので、新しい挑戦としてタレントさんをMCに起用する形になりました。知名度がある片岡愛之助さんがメインをしてくださったので、放送前からの告知段階で良い反応をたくさんいただいていたので、一定の手応えがありました。一方で、我々が不慣れなところがあり、片岡愛之助さんを十分に活かしきれなかったのではないかという反省もしております。もう一つ、橋本マナミさんの着物が乱れてしまっていたことを、放送中に直せなかったという大きな反省があります。これは部署内で話し合っておりまして、十分な対策をこれから行っていきたいと思っております。番組は京都だけではなく、全国で放送されますので紹介する場所も有名な場所と、少しマイナーな場所と両方伝えられるように心がけました。また、VTRも桜の場所を羅列するのではなく、ナレーションで散歩コースにしてみたり、京都新聞さんに同行で取材させていただいたり、リポーターが案内をしてみたりと、パターンをいくつか変えて工夫をしました。中継の場所ですが、メインの醍醐寺がとても有名な場所だったため、渉成園が今年はじめて桜をライトアップするということで渉成園にさせていただきました。ただ、実際ライトの色合いが皆さん気になられたかもしれませんが、番組の趣旨とは合わなかったというところもあり、場所の選定については次回以降慎重に詰めたいと思っております。最後に、今年は桜が例年以上に咲くのが早く、放送席自体は早咲きの場所だったので、正直ギリギリ危ないというタイミングでしたが、技術の皆さんのライトとかカメラワークで散りかけていましたが、それを感じさせない形で撮影していただけたので、制作としては一番ひと安心しているところです」との説明がありました。
委員からは「全体的にメリハリのついた良い番組」「六角堂と京都府庁の桜をドローンで上からみせた映像が面白く良かった」「着物が乱れていたとのことですが、過去にも同じようなことがあり教訓はいかされていたのか」「桜中継でありながら、桜の方が背景になっていて人間の話がメインになっている感じでちょっと残念だった」「片岡愛之助さんは歴史を語るには少し軽い印象を受ける」「番組内での醍醐寺の方の説明が丁寧で知らない人でもわかるようになっていた」「徳川家康が愛した鯛の天ぷらを時代考証をもとに当時の料理法を再現し供されたのは見ごたえがあった」「秀吉が聴いたとされるリュートの演奏と桜が非常に合っていた」「歴史の説明は大事なので年表や字幕があれば良かった」「世界遺産醍醐寺を舞台にし桜が見ごたえのある贅沢な番組だった」「片岡愛之助さんに歌舞伎と桜の関連の話を聞くなどもっと活かす演出があったのではないか」「今後の放送を考えれば、マンネリ化は避けられないので、次世代の桜中継を今から考えておくのが大切だ」「2時間は長いのでもう少し整理をして濃密な内容にした方がよい」「秀吉の花見だけでなく家康の花見の場所があってもよかった」「自然の中で自然を鑑賞するのが基本なので夜の放送である必要はない」などのご意見をいただきました。
(番組審議会事務局)
令和4年度 株式会社京都放送 番組審議会委員(5月例会出席者)
若林 卯兵衛 | (株)若林佛具製作所 取締役相談役 |
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平林 幸子 | 京都中央信用金庫 相談役 |
松本 和加子 | 京都市文化観光資源保護財団 専務理事 |
松本 邦子 | 京都新聞社 編集局文化部長 |
雨宮 章 | 京都府立府民ホール及び文化芸術会館 館長 |
寺脇 研 | 京都芸術大学 理事 |
鈴鹿 可奈子 | 聖護院八ッ橋総本店 専務取締役 |
新村 恭 | 一般財団法人 新村出記念財団 嘱託 |
森本 淳生 | 京都大学人文科学研究所 教授 |