JA京都「京の肉」和田さん (伊根町)
香り高い脂と細やかなサシ、味わい深い赤身で、国内外に認められるブランド「京の肉」。和牛生産の世界では、子牛を生産する「繁殖農家」と、子牛を大きく育てて立派な肉牛にする「肥育農家」が分業を行っています。伊根町で25頭の雌牛を飼う「繁殖農家」の和田さん。妊娠、出産、授乳期と各段階毎に、細かく飼料の量や配合を変えるなどして健康管理を徹底しています。肥育農家から「いい子牛だ」と評価してもらうことが、最大の喜び。自分が思い描く理想の子牛に育てるため、工夫と挑戦を続けています。
JA京都中央「しろ菜」齋藤さん (京都市)
関西では昔からよく食べられてきた「しろ菜」。柔らかく、傷みやすいことから、近年生産者が減少。京都市内で本格的に栽培しているのは、西京区の柴喜農園のみとなっています。伝統の味を守り継ぎたいと2反の畑と8棟のハウスで「しろ菜」をほぼ1年中、生産している齋藤さん。もともと田んぼだった土を、30年近くかけて改良。色々な工夫と挑戦を重ねてきました。齋藤さんの息子さんも他の産地の栽培法を研究するなど、より一層の「おいしさ」と「美しさ」を目指して作業に取り組んでいます。
今回は、京都市伏見区深草に、昨年春、オープンした「百歳牛肉麺」から番組をお届けします。オーナーの万さんは、中国出身で、大学留学で京都へ。卒業後は、大好きな麺料理の店を開きたいと、 在学中から、休みの度に本国に戻り、親戚が経営する麺料理の店で 修行を重ねてきました。
看板料理のひとつが、蘭州牛肉麺。中国の中でもイスラム教徒が多い蘭州市で食べられている麺料理で、通常のラーメンと違い、豚肉は一切使わず、スープもお肉も牛のみ!あっさりとして、それでいて滋味深く、まさに「医食同源」の国の奥深さを感じさせてくれます。
大学卒業と同時に自分の店を構え、来年2月中旬には、河原町三条西入の一等地に新装移転オープンするという、まさに挑戦続きの毎日ですが、一人でも多くの人に、自分の作った料理を味わってもらいたいと、希望に燃える万さんです。
今回は、そんな「百歳牛肉麺」に「しろ菜」と「京の肉」を持ち込み、料理を作って頂きます。いずれも生産者が、よりよいものづくりをと、工夫と挑戦を重ねて生み出した逸品です。万さんの手で、どんな料理に生まれ変わるのか、楽しみです。
工夫し、考え、挑戦し続けることで、よりよい「ものづくり」を行うことの大切さについて語り合う出演陣。
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「玉子」中丹ファーム (綾部市)
京都府内で最大の玉子生産の会社「山元産業」。そのグループ会社のひとつが、綾部市にある有限会社「中丹ファーム」です。野鳥などが入り、病気を広めることがないように考えられたセミウインドレス鶏舎では、快適な空調が施され、鶏達の健康第一の管理が行われています。産みたての新鮮な玉子は、すぐに洗浄され、センサー等で割れや汚れがないか、徹底してチェック。プロの厳しい目も加わって安全でおいしい玉子が出荷されます。
東西800メートルに約180もの店舗が並ぶ、京都府内でも最大級のアーケード商店街、京都三条会商店街。老舗はもちろんモダンな新店舗もひしめく人気スポットに、5年前に誕生したのが「日本の料理」を看板に掲げる「碓屋(うすや)」。鰻と和食の専門店で15年、修行を重ねた碓井さんが、学生時代を過ごし、奥さんの実家にも近い場所で、自らの考える「日本の食」を提供しています。
コロナ禍にあっても、地元の人達が買い物帰りにだし巻きや総菜をテイクアウトし、店を休むことがなかったと、改めて「地域のつながり」の大切さを実感されているそう。
今回は、そんな「碓屋」さんに、京都府内産の玉子と新しいブランド米を持ち込ませて頂き、心温まる料理を作って頂きます。農業の現場もまた、「人のつながり」があって、はじめてうまく機能します。食と農業、両方の世界に通じる「人のつながり」の大切さについて、考えます。
どんな仕事でも、「人のつながり」が何より大切。コロナ禍だからこそ、一層、実感することができる「地域や家庭のぬくもり、人の絆」の重要性について、語り合う出演陣。
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JA京都「紫ずきん」下間さん (南丹市)
正月用品として知られる大粒の黒豆「丹波黒大豆」を枝豆用に改良して生まれたブランド農産物「紫ずきん」。黒豆特有のもちもち感と深いコクで、すでに市場でも大人気!20年程前から農業に携わるようになった下間さんは今、2町4反もの広さの田んぼを「紫ずきん」用の圃場にしています。高齢のため作業できなくなった集落の人の田んぼも借り受けて、「紫ずきん」と「米」をうまく輪作。集落の田畑を守りながら、地元に雇用も生み出す「新しい農業の形」に挑戦し続けています。
JA京都「丹波くり」今川さん (京丹波町)
全国的にも名高い「丹波くり」。京都では京丹波町を中心に生産が行われていますが、菓子業界等からの需要が高く、供給が追いつかない状況が続いています。若い頃から勤めの傍ら栽培を続け、すでに半世紀以上の経験を誇る今川さん。伝統的な農産物ですが、「よりよい栗づくり」に向けた研究が進み、栽培方法も大きく変わってきているのだとか。JAグループでは、自治体などと一緒に「1億円産地化プロジェクト」を進めており、毎年3千本近い栗の木を植樹。休耕田などを活用した新たな産地づくりが進んでいます。
今回は、予約の取れない人気店として評判の、京都市中京区「リストランテ野呂」から番組をお届けします。
青森県の出身で、東京、イタリアの名だたる名店で修行を重ねてこられた野呂シェフ。帰国後、京都のホテルレストランに務めたことが縁で、以来、京都に腰を据え、地元産の食材を豊富に使ったひと皿で、多くの食通を虜にしています。
本場仕込みのイタリアンの知識、技術をベースにしながらも、提供する料理は、それぞれのお客さんの好みにアレンジされた「洋食」。京都の個性豊かな食材を季節ごとにどう活かすか、常に勉強と挑戦の毎日なのだそう。
伝統を大切にしながらも、日々、新しいことに挑戦し続けるのは農業の現場も同じ。今回は、京都では伝統的な農産物である「丹波くり」の現場を訪ね、栽培法や剪定法など新たな手法に取り組んでいる状況をリポートするほか、伝統の「丹波黒大豆」を新たに改良して生み出された新ブランド「紫ずきん」の生産現場の様子も紹介します。
伝統を大切にしながらも、日々、新たなことに挑戦することによって次の時代につながる「本物」を生み出すことができる、と熱く語り合う出演陣。
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JA京都「小松菜」中野さん (亀岡市)
今ではほぼ1年中、生産されている小松菜。京都府内では亀岡市が高品質な小松菜の産地として、知られています。昭和60年頃に栽培が広まると同時に、生産者が集まって部会を作り、直売を推進したり、技術の研鑽に務めてきました。25年前に会社勤めから転身して農業を継いだ中野さんも小松菜栽培に力を入れているひとり。5年程前から、地元の直売部会に参加。消費者からの声がダイレクトに届き、仲間と一緒に産地見学に出向くなど、栽培技術の向上に大きく役立っているのだそう。
JA京都「丹波キヌヒカリ」中川さん (南丹市)
去年の大嘗祭で主基地方の献上米となった南丹市八木町氷所の「丹波キヌヒカリ」。炊き上げた時の美しいつやと香りが特徴で、今では全国区のブランド米に。大田主として献上米の生産を担った中川久夫さん。献上米は、化学肥料や農薬等は使えないので、集落全体で、細かな水管理や草刈りなどを行いました。集落の強い絆があればこそ、やり遂げられたと、振り返ります。氷所地区では、集落全体で農業を行う「集落営農」に力を入れてきました。「生産組合」を中心に、田植えや稲刈り、その後の乾燥調製まで、手分けして行っています。集落の絆が、持続可能な農業を実現し、美しい農村の景観も守り継いでいます。