幼少期から父・金剛流能楽師・宇髙通成の元で能面制作に励む。高校時代は好きなロックバンドにハマり派手な服装をするようになる。当時は、父と娘、お互い距離を置くようになっていった。能面にしっかりと向き合うきっかけは、2007年に行われた、父親主催の能の海外公演と能面の展示を手伝ったこと。海外の人は能の文化に素直に感動し、真正面から聞いてくるが、能面の歴史や知識を答えられなかった。その経験から能面の歴史や文化を深く調べるようになり、知れば知るほど、奥深い能面の世界にのめり込むようになる。33歳の時、父親との親子喧嘩から破門にすると言われ、一時は能面から離れた時期があった。その際に宇髙景子に鬼の面「しかみ」を作って欲しいという依頼が舞い込む。父親の指導をいっさい受けずに、文献を調べたり、考えたりして、初めて自分一人で能面を作り上げことが自信につながった。現在は2020年に亡くなった父親のあとを引き継ぎ、能と能面の普及に努めている。