「箔画」とは、漆の上に金箔や銀箔などを施してと表現する絵画。俯瞰でみた街を抽象的に表現した「Landscape」シリーズや、海と空、夜明けや星空などの風景を題材にした作品などを手掛ける。家業の箔屋野口は明治10年創業。代々、西陣の帯に織り込まれる金糸、引箔を製造してきた老舗。家業に入った時に西陣織の未来に不安を感じ、思いついたのが、伝統技法を使った絵画表現「箔画」だった。若手芸術家発掘のコンペディション「アミューズ・アーティスト・オーディション」でグランプリに選ばれたことをきっかけに、作家の道を歩むことに。ロームシアター京都に展示される「Landscape#35 -洛中洛外図−」や、岐阜市役所に納品した「Landscape#50‐岐阜楽市楽座図‐」など大作を創作してきた。形は異なるが、箔画作家になることで家業の伝統技術は守ることができた。これからは「箔画」で未来を切り開いていこうと考えている。