ひいおじいちゃんが大正4年に創業した京焼・清水焼の窯元、岡山製陶所を親から引き継いだ4代目。高校卒業時、ずっとやるならやはり陶芸と改めて思い陶芸の道を志すことに。やるからには一番尊敬していたどんな注文にも応じられる技術力の高い両親を目指す。陶芸の専門校に進もうと考えていたが、近所のお世話になっていた絵描きに知見を広げるためにも大学進学を進められ、陶芸課のない成安造形大学に進学する。同じ陶芸でも固定概念にとらわれず型にはまらない自由な発想の重要性を学ぶ。基礎をひと通り学び、職人としての無名性を大切にする一方で、どうしても自分にしか表現できないうつわを目指したいと考えるようになる。経験からなんとかたどり着いた技法が「印花」。この技法のなかでも色の組み合わせに注目し、やわらかな白い陶肌に黒色で押した陶印の印花文様を自分の作風 としてそれを「黒印花」と名付ける。2013年初めての個展を行い作家としてのデビューを果たす。作家になることで儲けだけの話でなく名前が売れていかなくてはいけない使命感が生まれる。自身の唯一無二さを作品作りに生かしていきたいと考える。