1971年に創業した前田珈琲の2代目。呉服店を改築した本店をはじめ閉校になった小学校、重要文化財に店を構え、特徴的な店舗展開を行っている。1971年に父親が喫茶店を開業し中学生から店を手伝い始める。当時、店を継ぐ気持ちはなかった。変化が訪れたのは大学卒業後。1996年にスターバックスが銀座に1号店をオープンした事をきっかけに「カフェ」という新しい業態が生まれた。新しい風に惹かれ、若者たちに受け入れられる喫茶店をオープンさせたいと考えるようになる。26歳。旧明倫小学校が改修し、京都芸術センターがオープン。この建物の雰囲気に喫茶店はマッチするのではないかと「明倫店」を出店。反響を呼びメディアで話題となった。さらに当時館長だった裏千家の家元と知り合い、茶道の稽古も始めるように。そこから狂言、日本舞踊など伝統芸能に携わる文化人とのネットワークが広がっていった。次第に「京都の文化と交わる会社」でありたいと考えようになる。2017年に中国北京に出店。日本文化の根っこには中国があるが、10年前まで中国には珈琲を飲む文化はなかっため、日本で独自に生まれた喫茶文化を中国に伝えている。