岡崎にあるタルトタタンの名店「ラ・ヴァチュール」のオーナー。タルトタタンとは砂糖で煮詰めたリンゴの上からタルト生地をかぶせて焼き上げた菓子。若林さんの祖母、松永ユリさんがフランスで食べたタルトタタンの味が忘れられず、自分の店で出したいと作り始めたのがきっかけだ。若林さんは祖母が店をたたむと聞いた時に、このまま終わらせるのはあまりにもったいないと店を継ぐことを決意。タルトタタンは「りんご」と「砂糖」と「バター」だけで作るシンプルなお菓子だけに、その日のリンゴの水分量や気温によって火加減や火を通す時間が毎日変わる。同じレシピで作るのではなく、日々理想の味を求めてタルトタタンを作り続けている。夢は、タルトタタン専用のリンゴの品種を農家さんとともに開発すること。祖母がその魅力にとりつかれたように、自分も奥の深いタルトタタンの世界に魅了されていると語る。