西陣で手作りにこだわった味噌を製造販売する「加藤商店」の4代目。もともと家業を継ぐつもりはなく、行政書士を目指して龍谷大学の法学部へ進学。しかし、20歳の時に父親が脳内出血で倒れたことをきっかけに味噌作りの道へ。それまで一度も店を手伝ったことはなかったが、父親の仕込みノートを見ながら試行錯誤してなんとか作り方をマスターした。味噌の樽や工場のいたるところに「ありがとうございます」という文字が書いてあるのは「味噌も生きている。見えない菌を含めて全てのものに感謝の気持ちを持て」という父親の教え。味噌作りの仕事をするようになって、父親を始め支えてくれるすべての人に感謝するようになった。6年ほど前から、母校の二条城北小学校で味噌作りを一年かけて行う食育授業を担当している。今後は工場の2階を改装して、味噌作りを体験できる工房を作る予定。体験を通して京都で作る本物の味噌の味を知ってほしいと考えている。