御薗橋にある漬物店「林慎太郎商店」の代表。かつて松ヶ崎周辺で作られていた菜の花のぬか漬け「松ヶ崎漬」を復活させるなど、昔ながらの製法に、こだわった無添加の漬物を製造している。林さんは大学卒業後、不動産会社に営業として就職するが退職。京都の漬物店でアルバイトとして働くように。2年ほど働いた時に東日本大震災が起こる。震災から間もない頃に東京のスーパーの催事に漬物店として出店する。当時は原発事故による食の風評もあり、京都の漬物店と看板に掲げていたため、安心・安全なものを求める客に飛ぶように売れた。しかし、心が痛かった。「これは京都の野菜?」と聞かれるが、途中まで別の業者が作っていた商品も多く。使っている野菜がどこのものか答えられなかった。この経験をきっかけに顔が見える野菜を使った漬物店をやろう!と自ら会社を立ち上げた。独立をして商品の試作に励む日々。その頃、子供は3人、奥さんのお腹の中に4人目がいた。なかなか商品が売れず貯金を切り崩しながらの生活。資金が底をつきそうになった時に、京都のスーパーから商品を置いてもらえると連絡があり、安定して収入を得ることができるようになった。これからも安心・安全にこだわった漬物を届けたいと日々励んでいる。