明治24年より続く,日本で唯一、木版印刷の書籍を刊行する出版社芸艸堂の代表。親は仕事について一切教えてくれず、家業が何をしているのか一切知らなかったが、親からは「家は継げ」とは言われ続けていた。結局家のことはほぼわからないまま、普通に大学まで卒業してしまう。大学卒業後、芸艸堂に入社。入社して初めて、自分の家が、木版画で、着物や美術書などの専門書の出版社だということがわかった。触れることのなかった分野、出版物ばかりでとても新鮮だった。しかし、世の中は、バブルが弾けた直後で、取引先がどんどん倒産していく。そんななかで、画家としては無名だが、着物や帯などのデザイナーとしては、業界で知られていた神坂雪佳の版木が大量にあることを知った。展覧会を機に雑貨作ると、評判がよく、一般向けの商品として小物などが販売されるようになった。2010年ごろ芸艸堂社長に就任。入社当初会社に転がっていた版木が、今では稼ぎ頭で、版画を多くの人に楽しんでもらい、版木も版画の技術も残していかないといけないと、活動している。