砂糖と果物を煮詰めて作る保存食コンフィチュールを作る職人。出身は岡山県倉敷市。子供の頃、誕生日に親戚中が集まって祝ってくれた。楽しい思い出の中心にあったケーキの職人になりたい思うように。全国の洋菓子店で修業した後、40歳の時に自身のお店を倉敷で開く。岡山は果物の産地でどれも生で食べた時に美味しいように品種改良されている。しかしムースやジャムなどケーキに使う材料に加工すると、酸味や味が薄くなってしまう。そんな時に出会ったのが「ジェネバ」という種類のりんご。生で食べると、強烈な酸味と渋味があって美味しくないが、砂糖を加えて加工すると途端に美味しくなる。その経験から本来の果物の魅力を加工品のコンフィチュールを通して伝えたいと、ものづくりのまち京都でコンフィチュールとシロップの専門店「北野ラボ」を開業した。吉水さんが今復活させようとしているのが「天津水蜜桃(てんしんすいみつとう)」といいう桃。尖ったその形は桃太郎に出てくる桃そのもの。120年前頃までは日本で普通に栽培されていた品種で、この桃も生で食べると美味しくないが、加工すると美味しく化ける。農家さんに協力してもらって自らもこの桃を育て、加工専用の果物としての価値を広めようとしている。