創業100年をこえる老舗のはんこ店「田丸印房」の5代目。思わず笑顔になってしまうイラストスタンプ「京うふふスタンプ」は40年以上前に誕生し、その種類は3400をこえる。長男として生まれた琢さんは、大学卒業後に大手のIT系システム会社に入社。配属されたのが国のデジタル認証を推進するプロジェクトを担当する部所。ペーパーレス化を推す、家業とは全く逆の仕事をしていた。家業に戻ったのは29歳の時。はんこを彫る職人の叔父が倒れたことがきっかけだった。病状が回復した叔父のもとで修業の日々を過ごす。戻ってきて10年、ようやく手に職をつけることができた。現在、ほとんどの、はんこ店が自動彫りで、はんこを作っているが、時代が進めば、手彫りの技術が大切にされる時が来ると信じて技術を磨いている。デジタルの世界とアナログの世界を見てきた自分だからこそできることを考えて、新たなはんこアプリ開発にも挑戦し、はんこ文化を未来へつなごうとしている。