新しい絵画に挑戦し箔や岩絵具などの素材、狩野派や琳派の様式といった伝統的な「日本の絵画」に新しい技法を加えることによって、その可能性を追求している。大阪府豊中市出身。絵画に向き合うようになったのは大阪にある美術科の高校に入学したこと。当時は油絵を描いていた。京都市立芸術大学を受験するも失敗。もともとルネサンス期のイタリア絵画が好きだったので本場で絵画を学ぼうと、イタリアへ渡航。現地で見た数々の絵画に感動したが、そのほとんどが宗教絵画。もともと持つ文化のベースが異なるため、その全てを理解できないと悟り、帰国後、京都造形大学(現 京都芸術大学)の日本画コースに入学する。大学在学中、交換留学でスイスに行った際に現代美術の中で日本画が置かれている状況を知り、新たな表現を模索していた。そんな中で生み出したのが、単純化した丸い花をモチーフにした「simplification(単純化)」シリーズ。日本人は「漢字」を「ひらがな」にしたように文化を咀嚼し単純化して表現することが得意。そのインスピレーションから花の形を単純化して描く作品を創作する。下京区にある「松林院」に蓮を描いた襖絵を奉納。先人たちが素晴らしい絵画を残したように、未来に自分の作品を残すことを目標に創作を続けている。