一枚の紙を刻んで生まれる切り絵特有の透過美を活かし、寺院や茶室といった伝統建築におけるインスタレーション作品を多く手掛ける。横浜市出身で小学生時代は歴史上の人物、特に十二単の美人画・浮世絵に惹かれていた。切り絵との出会いは大学時代。所属していた演劇研究部のポスターを制作した事がきっかけ。シンプルに制作できる技法があい、そこから美人画をモチーフに制作活動を始める。在学中に作品集を大手出版社へ持ち込んだところ好評で、コラム特集ページのデザインを担当した。大学卒業後は切り絵作家となり、個展を開きながら約10年活動を続ける。しかし、一人では限界があると感じ、尊敬している漫画家のアシスタントに。創造性と作品を扱う心構えを学ぶ。34歳で「京都大原里づくり協会」というNPO団体を知り京都に移住。社寺仏閣、伝統工芸品に感化されるうちに、作品も平面から社寺仏閣に溶け込む立体的なものに変化。モチーフも、美人画から伝統へ。古来、人々が抱いてきた願いや祈りの心を切り絵で表現している。目標は千年、二千年と残り伝える切り絵をつくる事。